衆議院議員総選挙総括 - 安倍晋三が撒いた「不誠実の種」は日本中で実ってしまった
こんにちは。フェミイさんなのだ!衆議院選挙お疲れ様なのだ!日本共産党は悔しい結果になってしまったのだ。どっと疲れたのでしばらくは(少なくとも今年中は)これ以上政治の話はnoteではしないかなあ。好きなことをしてメンタルを整えるのだ。
というわけで今回の総選挙総括いきます。語尾なしのだ。
裏金・統一教会の審判を受けた自民党
今回の選挙で一番の注目点は自民党の大敗です。政治資金パーティーによる収入を記載せず不当に活動費を得ていた裏金問題は赤旗のスクープにより暴かれ、不正をしていた議員は無所属立候補や比例重複なしの立候補を余儀なくされました。また長きにわたり国民の財産を詐取し数多の人の人生を破壊してきたカルト教団「統一教会」と癒着していた議員にも厳しい民意が突きつけられました。
「正直・公正」の建前を一応は守った石破自民
追いスクープで非公認候補のはずの政党支部に政党助成金を送っていた裏公認問題など抜け駆けしようとした痕跡はあるものの、総評として石破自民は裏金議員に厳しい処分を下し民意を受け止めました。
その結果自民党派閥の中では裏金議員がたくさんいて統一教会との癒着も強い旧安倍派は壊滅的なかなりの被害を受けることに。これをネトウヨたちは石破による高市支持層の粛清と非難しているようです。
実は大して民意を得てないよ立憲民主党
それに対し議席を伸ばしたのは立憲民主党です。立憲民主党は選挙前と比べ50議席増やしました。
新しく代表に就任した野田佳彦が安保法制廃止を放棄するような方針を打ち立て共産党との共闘が破産したにも関わらず議席を増やしたことから反共第一思考の連合会長はイキり散らしてるようで
しかしながら立憲民主党の得票数は比例・選挙区ともに大して変化なしです。つまり「野党共闘のせいで立民の議席が減ったじゃないか!」と茅野会長が枝野前代表をガン詰めした2021年から何も変わってないんです。
にも関わらず立民が議席を伸ばしたのは選挙システムの欠陥です。
まず自民党が前述の不祥事で得票を減らします。その批判票は立憲民主党に流れてません。国民民主党やれいわなどに流れます。しかし彼らもまた多くの選挙区では当選できず投じられた票は死票になります。するとどうなるか?小選挙区で1位になれるラインが下がるんです。これで増えた小選挙区当選者の分比例名簿が下位にも回り、議席が増えるというわけですね。うーん、やはり小選挙区制は悪。
支持層を吸収したせいで「維新化」が止まらない国民民主党
支持者が求めるものを見誤り大敗した維新の会
今回の選挙での明白な敗者は共産党、そして日本維新の会だ。維新の会は自身が党公認候補に準ずる扱いをしてきた斎藤元彦が知事としての権威をあちこちで振りかざすわ、パワハラを繰り返すわ内部告発者を死に追い込むわやりたい放題してたのがバレてワイドショーとネットのおもちゃに成り下がりました。
ただある程度政治に明るい人ならこうも思ったはずです。維新は大阪で似たようなことずっとしてるのになんで今更炎上したんだ?と
それどころか全国的にボロ負けするなか大阪の選挙区では全勝するといった快挙も成し遂げています。
これについて私は維新の失脚は勝ち馬に乗れなかったからだと考えました。
兵庫の維新地方議員は当初不信任決議に後ろ向きな姿勢を隠しませんでした。といってもかつての維新支持層は自らの失態を認めず斎藤を延命させようとしたことに義憤を覚えたわけではないです。
維新に求められているのはあくまで「既得権益との対決」です。つまりやるべきことは推薦したことなんて忘れたかのように振る舞い、斎藤を兵庫県を腐らせた悪魔のように糾弾するさまをマスコミに見せつけ、私達こそ兵庫を変えられると嘯くことだったのです。
「維新大阪人抜き」国民民主
それに対し国民民主党は大幅に得票と議席を増やし大躍進しました。
国民民主は「対決より対話」「現役世代重視」とか打ち出して政策重視の若者が選んだとか言われてます。もちろん政策をよく読み込んで国民民主を支持した人もいると思います。
しかしそれよりも多く流れたのは勝ち馬に乗り弱者を蹂躙することしか考えていない連中です。
現役世代重視と言えば聞こえはいいですが彼らの根本的な思想は社会保障・社会福祉の削減です。更に彼らはそこから一歩踏み出し財政論を理由にした尊厳死にも言及しています
このようなむき出しの優生思想を振りかざしながら若者に「君たちを搾取してるのはシニア民主主義だ」と憎悪を扇動するのが彼らのやり方です。
「手取りを増やす」というのも税金や社会保険料の給与明細天引きをXで呪詛を吐く反サロ界隈へのラブコールであるというは自明です。そして彼らは手取り増額を代案として最低賃金1500円引き上げに極めて後ろ向きな考えを呈示しています。
そして国民民主のもう一つの特徴は批判を受け止めずヘラヘラ流す、ファンネルを飛ばして有耶無耶にするところです
尊厳死でも最低賃金でもそれなりの批判は出ましたが玉木代表は撤回などせず「こういうこと(言ってる内容は全然変わってない)なんですがわからないですかね?(笑)」みたいな態度で煙に巻く、そしてファンネルが取り囲んで「シニア代表」と嘲笑するということを繰り返しています。この手法どっかで見たことありませんか?
維新が大阪でメディアを使いやってることと同じです。
ですが玉木代表は一応丁寧な姿勢は崩しません。維新ならヤクザのようにがなり立てるところをのらりくらりかわしながら取り囲ませるという手法をとっています。ここが関西人以外にも受け入れられやすいところなのでしょう。
自力の弱りを隠せず党再生が急務な共産党
もう一つの負け政党、共産党についてです。共産党は裏金問題を赤旗でスクープし政権に痛打を与えた本来ならば一番の功労者になるはずでした。
しかし結果は比例で2議席後退の7議席に沖縄1区の計8議席。比例は自民党に政権が戻り、未来の党とのバッティングにより埋没した2012年より低いです。
この結果になってしまったのは支持してくれた無党派を党員やコアな支持者に変えられなかったことにあります。
言うまでもないですが共産党員やコアな支持者は高齢化が著しいです。14年から興味をもってくれた左派系の無党派は相当数いたはずですが彼らを入党にまでは導けませんでした。そして元の人達は寿命がきてしまい…という感じです。
あ、ちなみに松竹問題やトランスジェンダー問題は全然争点になってないです。あれを敗因としてドヤ顔で書いてるようなライターを見かけたらまずプロフィール欄やSNSを確認すべきでしょう。
なお現在議席を減らしてしまった共産党をなくさないようにと赤旗を取ってくれる人が急速に増えています。大変ありがとうございます。皆さんもぜひどうぞ。他の新聞みたいに無料期間終わったら自動更新とかいうクソシステムはとってないから安心してね。
もちろん無党派さんに政策を支持してもらうのも大事ですが、一刻も早く共産党そのものの魅力を発信できるようにならなければなりません。
だからさ、野田佳彦に首相指名投票するのやめよ?田村さあ。
立民(まして消費税増税決めた野田)の下請けやりたくてこちとら共産党に入党したんじゃないんだわ
自分勝手上等な暗い感情に訴えかけて勢力を拡大したれいわ新選組
共産党から乗り換えた左派系無党派はれいわ新選組にいきました。
れいわ新選組には唯一無二の特徴として山本代表のカリスマ的スピーチがあります。彼の話術に惹かれる人は少なくないでしょう。また政策が分かりやすかったのも勝因です。これは組織内にいるとわからないのですがどうも共産党の政策は無党派が読んでもわかりにくいらしいです。それに対しれいわのやつは金持ちからとれ!消費税減税!わかりやすいですね。
しかし彼らが無党派を引きつけたのはそれだけではなく、旧来左派にある高潔感のなさも原因であると思います
共産党員や熱烈な支持者が「持っていて当然」と思っていた信念や倫理観は無党派にはなかった
まずこちらのnoteをご覧ください。書いた人は共産党支持者ではなくネオリベラル(新自由主義)らしいです。ですが党外からみた共産党像は学ばされるものがあります。ぜひ彼の方にもいいねしてほしいです。
こちらのnoteでは教養が高いこと/高潔であることは個人として生きるには良いか、政治家としては必ずしも優位には働かないと指摘があり、昨今の情勢を見たらそれを認めざるを得ないと忸怩たる思いです。
れいわ新選組はウクライナ情勢ではロシア非難決議に参加しない、NATOの東方拡大論といったロシアプロパガンダを垂れ流す、挙げ句の果てに侵略者であるプーチンの悪玉論を流すなと主張し抵抗を続けるウクライナに無責任な停戦論を主張する伊勢崎賢治を比例名簿に載せるなど国際法を蹂躙し平和主義の脅威と化したロシアに与する姿勢を顕にしています。(参考リンクは極左の機関紙なので注意)
ウクライナを見捨てて国内に回せという理論は西側にありがちなポピュリズムです。アメリカではトランプ陣営がそれだし、ドイツでウクライナ支援に賛成した左翼党から造反した勢力のほうが力を蓄えてしまっています。国際法を蹂躙する勢力が日本国民の生活を守ってくれる理由などないという事実からは目を背け目先の利益を追い続けているのです。
またれいわは選挙中外国ルーツの人の日本語を嘲笑するネットミームに便乗した動画を投稿しました。これはマイノリティ団体からも批判を受けています。
しかしれいわの対応は炎上したら無言で消す、そして支持者は差別ではないそう感じるお前のほうが悪いの大合唱です。
仮に悪気がなかったとしても当事者の気分を害した事実は受け止めるべきなのですがそういうお行儀のいいことはしない、弱いところは見せないというのがれいわです。
れいわは時々議事を妨害するパフォーマンスで懲罰動議を受けています。もちろん強行採決などで民主主義が損なわれている場合強い態度に出なければならない、それが結果的に懲罰事由になることはありえるでしょう。
しかし彼らはほぼ儀式でしかない首相指名投票でもそれを行いました。そして衛視に連れられる様をテレビに流し「他党は本気で抵抗してない」というのです。いや抵抗も何もする場面じゃないでしょ!というのが政治に詳しい人の感想なのですがどうも無党派には違うように見えてるようで…。
非を認めない、批判に向き合わない、支持層に囲わせる手法は安倍晋三のやり方
タイトル回収です。総合的に判断すると強気の態度を取り続け非を認めないような勢力が概して議席を伸ばしたという「正直・公正」からは程遠い選挙になってしまいました。この手法見覚えがありませんか?今は亡き安倍元首相のやり方です。
民主党政権時代なら閣僚の首が飛ぶようなやらかしをしても全く非を認めず批判をのらりくらりとかわす、批判者のほうがおかしいと支持者を囲い襲わせる、こういうことを繰り返してきたのです。それを「強いリーダー」と見なしてきたのが国民の相当数ではないでしょうか?
結局のところ石破もある程度は批判に向き合おうとして負けた、もちろん正々堂々たたかった共産党も負けた。
勝ったのは卑怯者だけという日本国民に絶望する結果となってしまいました。
センチュリーさんの他に友人からも「共産党は潔癖すぎる」と言われたことがあります。
今まではそれを誇り、いずれ認められると信じてました。やはり日本人には社会主義は無理なのかもしれませんね。と心が折れるくらいには病みました。
またセンチュリーさんの提案は実行が難しいです。
なぜなら高潔なのも含めて共産党というアイデンティティかつ支持を集めてきた理由だから。これを捨てたらなんなら共産主義を捨てるよりもアイデンティティが亡くなってしまう。でも手っ取り早い支持を集めるにはそうしたほうがいいのはわかるので悩んでしまいます。
というわけでしばらく政治ノートはお休み!遊んできます