【ハマベと僕】 #1000
そう年末のあの日に突然それはやってきた
当たり前に居るであろう人が
当たり前では無くなり
もうこの先二度と会うことは叶わない
まだ死ぬには早い
お別れ
「ヤマさん
ハマベくんが亡くなった」
僕は耳を疑った
なんで?
「なんで?」
「脳やと思う
今日葬儀があるらしいんよ
来れる?」
僕はその時
大阪に帰省しており後輩夫婦の家に泊まっていた
本来であればこの後お寿司を食べに行く予定だったのだが
後輩たちには事情を話して急ぎ葬儀場に向かった
もちろん礼服など手元には無く
そのままの格好で
最寄りの駅に到着した
友達のタツヤくんと待ち合わせをして
葬儀場へ
曹魏はもう始まっており
お坊さんが経をあげていた
僕たち2人は静かに一番後ろの席についた
曹魏はあっという間に終わった
近親者のみの葬儀だったので
親族を含め10人ちょっとだった
全く動かない彼の姿を見ていたのだが
実感がわかなかった
もうあれから4年が経過している
彼こそ僕に1,000話描いてみろよと言った張本人だ
忙しい彼は時々ふらっと現れたり
電話がかかって来たりして
飲みに行ったりした
僕よりも10歳ほど年下なのに
僕よりも随分としっかりしており
沢山の励ましや応援をしてくれた
当たり前にあること
当たり前に居る人
それらはこんなにも儚いものなのだ
鍵をさしたまま倒れ
そのまま死んでしまった彼は
この世にちゃんと
「サヨナラ」を言えたのだろうか
ようやく1,000回目
最後の最後がフィクションじゃないのは
もう決めていた事
知らない読者が読んでも何の事だか分からないだろう
でもホントに彼が最後に教えてくれたのは
人生の儚さだと思う
これはマイナスな意味では無い
いつまで生きれるかなんて誰も知らない
だから毎日毎日
今を生きよ
楽しめ
笑え
感謝せよ
そう思えるようになったよ
だから今の生活はとても
穏やかで毎日が幸せに感じている
この「一日一話」も今日で終わりですが
毎日は書きませんが
ショートストーリー自体は
これからも続けていこうと思います
読んで下さった皆さん
ありがとうございました
ハマベショウゴ
ありがとうございました
ヤマヒデヤでした
ほな!