【私らしい生き方】 #819
SNSをやめてみた
結果
もの凄い孤独感にさいなまれた
1年間頑張ってみた
最初はあれ程寂しかったのに
今はとても楽な気持ちになった
ほぼ架空に近い友達は居なくなり
本当の友達だけが残った
頻繁に連絡する訳ではない
でもちゃんと友達だ
時間にゆとりができた
寝る時間が早くなった
当然起きる時間が早くなった
新しい趣味ができた
新しい趣味を続けていたら
プロ級の腕前になった
普通だったらココで
SNSなんかを使い
発信するのだが
もうやっていないので
殆どの人は知らない
SNSをやめて
もう随分と経った
10年は経って無いだろうけど
7〜8年は経っている
ある日のコト
突然近くに住む友達から連絡があぅた
知り合いが会いたいと言っているが
連れてきて紹介してもいいか
そう聞かれた
なんだろ?
とりあえずOKしてみた
次の週
友達が友達を連れてきた
その友達の友達は
私が作っている作品を見たいと
わざわざ他県からやってきた
わざわざ来てくれたので
見せられるモノは
ザッと見てもらった
友達の友達は興奮していた
私のこんな作品でも喜んでくれる
そして言われた
「これ写真撮って
SNSにあげてもいいですか?」
私の思考が一瞬止まった
SNS…
大丈夫なのかしら
友達は言った
「ええやん
こんなに素晴らしい作品なんだから
沢山の人に知ってもらう
いい機会やん」
沢山の人に知ってもらう?
これは趣味で
沢山の人に知ってもらう
そんな必要があるのか?
「ちょっと待って
もし仮によ
それで沢山の人が知ったとしてね
今日みたいに
見にきたいって人が
増えたらって考えると
それはちょっと違うかなと思うの
あっ
ごめんなさいね
嫌だと言ってる訳じゃないの
これはあくまでも
私個人の趣味であって
これで対価を得ようなんて
そこまではまだ考えてはいなかったのよ
そりゃ先で個展なんかは
開いてみたいな
とは思ってたけど
それも私が知ってる範囲の人が
見てくれたら嬉しい
そうね
今日みたいに
友達の友達までだったら嬉しいわ
全然知らない人は
ちょっと怖いのよ」
「あっ
こっちこそ
軽はずみですみません
私は単に素敵だなと思って
私の友達にも知ってもらえたらなと
そう思っただけだし
あの私ねフォロワーも100人未満で
その殆どがリアルの友達だから…」
私は少しだけ考えた
せっかく好意的に言ってくれているのだし
仲の良い友達の友達だし
この方いい感じの人だし
まぁ一回くらいいいか
「分かりました
じゃあいいですよ
SNSに載せて頂いても」
「本当ですかぁ
ありがとうございます」
そう言うと彼女は
スマートフォンでは無く
一眼レフのデジタルカメラを取り出して
パシャパシャと撮影し始めた
なに?
本格的じゃない
「ちょっと見てもらっていいですか?
これ光の具合もよくて素敵じゃないですか?」
撮った画像を見せてもらった
最近の機械は凄いもので
撮ったすぐから
iPodの大きな画面で画像を確認できる
まぁ
なんて綺麗に撮ってくださるのかしら
「素敵に撮って下さって
ありがとうございます」
その後も彼女はカメラをパシャパシャと
撮っていった
一通り撮り終わり
満足したようで
お礼を言われ
友達と共に帰って行った
久しぶりに知らない人と過ごして
少し疲れた
それから数ヶ月後
また友達がやってきた
なんだろ?
「ゴメン」
「なにが?」
「あの子は悪くないのよ」
「なに?なに?」
「いやね
本当にあの子は
アンタのコト凄いって言ってたのよ」
「ああっ
前にココに来た人ね
それがどうしたの?」
「それが実はね
SNSに投稿したのよ
そしたら反響があって
行きたいって人もいたんだけど
断ってくれてたの」
「へぇー
そんなコトがあったのね」
「そしたら
断られた誰かが
画像をコピペしてさぁ
多分だけど
違うアカウントで
画像使って
酷いこといっぱい書いてたんだって
それがまた広がっちゃって
何かバズってるみたいなの」
「なんでバズるわけ?」
すると友達はスマートフォンの画面を見せてきた
そこには確かに
私の作品と
顔こそ写ってないけど
私が写り込んでおり
盗作ばかりを作り
違法な収益を上げる女
同じ作家としてこれは許せない
そう書いて
自分の作品を盗んだ
と締めくくっていた
私はよーく見たけれど
コレって逆じゃない
確かにコレを撮ったのは数ヶ月前だけども
この作品を作ったのはもう随分と前で
もう5年以上前の作品
この人は2年前に制作したって書いてる
多分盗んだのはこの人の方よ
「いいわよ別に
これでゴハン食べてる訳じゃないし」
「本当にゴメンね
友達も改めてお詫びに来るって言ってた」
「わざわざ大丈夫だから
お友達に言ってて
気にしてないからって」
「分かった」
そう言って友達は帰って行った
やっぱりSNSはもういいや
それがあってる人いるんだろうけど
私には向いてないわ
その後その騒ぎはどうなったのか知らない
また
静かな毎日の生活が戻ってきた
ほな!