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KT初の37秒台

2020/03/07

 2020年の3月に生まれて始めて37秒台が出た。この時点でまだ荷重がわかっていない。波打ちながらスライドしまくるカートを度胸で操って偶然の37秒台。嬉しかった。執筆時点で振り返って見ると、この時はやっぱり外荷重は分かっておらず、ただ自分の目安位置や路面状況がたまたま一致して、なおかつ度胸で突入するとタイヤの持つグリップ力でもって少しタイムが上がる格好だ。

 乗り始めた頃は42秒が出れば本望で(真か否か不明だがてっさんのベストタイムと伺っているが、仕掛ける為の計算された数字かもしれない)、レーシング走行が認められる一人前扱いの40秒以下のタイムで走れるなんて夢のまた夢だった。他人に迷惑をかけずに永遠に練習できればそれでよかった。レーシングカートを操っている自分に酔う。時々飛鳥君に後ろから小突かれたり、自分が絶対に走れないラインで抜いていく容姿を間近で見られるだけで幸せだった。最大半径で命からがら旋回している自分をイン側から縁石を踏みながら曲がっていくなんて信じられない光景も目前で見られた。タイヤの寄付まで、どうもありがとう。

 何かを達成したとき、あとほんの少しの伸びしろを感じる。現状を100点と思っていないのかもしれない。というかスポーツで100点と考える事はおごりにつながるので危険だ。仮に現状を98点としよう。残り2点が伸びしろだ。だからこの2点にかけてみる。例えば37.87秒だったが、今の技量で37.80秒は出せたんじゃないのか?とどこかで思う。その自分にとって足らない0.07秒のためにまた練習する。これを繰り返すことが長谷川社長の言われる「自然に表彰台だよ」という意味なのだろう。

「1位なんて目標にしない。
今日の練習で達成できそうな練習をするんです。
先週の自分をちょっとだけ抜けばいいんです。
それをたくさん積み上げれば自然に表彰台なんだよ。」

Buzz Factory 長谷川謙一



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