第24回新潟2歳S [競馬ヒストリー研究(8)]
いよいよ夏競馬も終盤戦。今週は新潟2歳Sが行われ、来週にかけて各地で2歳重賞が開催される。
夏の2歳重賞を走る馬にクラシック路線で活躍するような完成度の高さと成長力を両方とも持ち合わせている馬は決して多くはなく、一つのレースに出走した馬の中からその後重賞ウィナーが複数生まれることは少ない。
3頭以上輩出となると数年に一度程度しか出現しないのだが、過去には出走12頭中半数の6頭が後に重賞を勝利した超のつく出世レースとなった一戦があった。それが今回紹介する2004年の新潟2歳Sである。
1番人気に支持されたのはマイネルレコルト。福島の新馬戦をレコード勝ちし、続くダリア賞も連勝したメンバー中唯一の2勝馬だ。
2番人気は小倉デビューの関西馬インティライミ、3番人気は叔父に菊花賞馬ザッツザプレンティを持つ牝馬ショウナンパントルであった。
最終週とあり傷んだ馬場の内を大きく空けて馬群が形成され、1000m通過が61秒1のスローペースで展開。直線は全馬が馬場の5分どころより外へ出しての追い比べとなった。
直線半ばを過ぎ、逃げたアイルラヴァゲインに2番手のフェリシアが並びかけたところ、その外を中団から脚を伸ばしたマイネルレコルトが並ぶ間もなく交わして抜け出し、そのまま1着。
好位からじりじりと詰め寄ったショウナンパントルが2着に入り、スムースバリトンが先行した2頭をゴール前で交わして3着となった。
勝ったマイネルレコルトは2走後に朝日杯フューチュリティSを勝利。これだけでも「今年の新潟2歳Sはレベルが高い」と言われてもおかしくないところだが、2着のショウナンパントルも阪神ジュベナイルフィリーズで優勝。同一レースから2歳GI馬を2頭輩出した例はゴールドシチーとメリーナイスが出走した1986年のコスモス賞以来2度目となった。
3着のスムースバリトンと4着のフェリシアはその前後に行われた東京スポーツ杯2歳SとフェアリーSを勝利。
2歳シーズン終了時点で稀に見るレベルの出世レースであるが、翌年に入り6着のインティライミが京都新聞杯を制して日本ダービーで2着。
5着のアイルラヴァゲインはNHKマイルCで3着した後古馬になってオーシャンSを勝ち、最終的には1着から6着までが全て重賞ウィナーとなった。
その後も2014年の1,2着馬ハープスターとイスラボニータが翌年の桜花賞と皐月賞を勝利するなどしたものの、近年は夏開催前半に初勝利を挙げた後は秋まで間隔を空けるローテーションが主流となり、クラシック候補となる有力馬が誕生することは少なくなってきた当レース。
しかしながら、直線の長い1600mというコースで行われる最初の重賞レースだけに、ここから後の大舞台へ続いていく序章として毎年楽しみになる一戦である。今年の勝ち馬や出走馬に秋以降の活躍を期待したい。
今年の出走頭数は奇しくもこの年と同じ12頭。だからなんなんだという感じですが(笑)、血統馬も何頭か揃いましたし、6頭まではないにせよ、後々走ってくる馬も実際に出てくる可能性は十分と思います。
私が注目するのはオタルエバーです。ベタですが、3年連続勝利している前走同コース1着馬は外せません。あとはキミワクイーン、セリフォスあたりのスピード血統馬が走りやすいのもこのレースの特徴ではないでしょうか。
それではー
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