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第23回ファルコンS(2009年) [競馬ヒストリー研究(36)]
2012年に新装された中京競馬場の芝1400mで施行されるようになって10年が経ったファルコンS。昨年は朝日杯FS勝ち馬のグレナディアガーズがNHKマイルCへのステップとして出走し、GI馬の参戦は距離が1200mに短縮された1996年以降で初のケースであった。
一昨年も2着のラウダシオンがNHKマイルCを制するなど、前哨戦としての重要度が高まっている当レース。そこで今回は歴代優勝馬で唯一本番のNHKマイルCも制したジョーカプチーノが勝った2009年のレースを振り返りたい。
2歳の9月に札幌競馬場のダート1700m戦でデビューしたジョーカプチーノ。明け3歳となった4戦目で初勝利を挙げるまではダート戦ばかりを使われていたが、その次走クロッカスSで初めて芝のレースに出走し、続く小倉の500万下戦萌黄賞で芝1200m戦に初出走し2勝目をマーク。また、同じくこのレースで初めて藤岡康太が手綱を取った。
そのまま返す刀で芝1200mの重賞ファルコンSに出走。ジョーカプチーノと同じく500万下を勝ったばかりのエイシンクエストやスパラートが上位人気であったが、単勝オッズはそれぞれ5.5倍、5.9倍に留まる混戦模様。その下に小倉2歳S勝ち馬のデグラーティアを挟んでジョーカプチーノは9.4倍の4番人気でレースを迎えた。
高速トラックの旧中京コースらしく激しい先行争いでペースが流れる。それまで2走前を除いた全てのレースで逃げていたジョーカプチーノであったが、スタートもあまり速くなく中団に控えた。
4コーナーで馬群が凝縮してくると外へ出して早めに追い出し、直線は後方から最内を突いたカツヨトワイニングと内外離れての差し比べに。これをクビ差制して1着。人馬ともに重賞初制覇となった。
NHKマイルCトライアルのニュージーランドTではサンカルロの3着に敗れるも、本番のGIではパンパンの馬場を味方につけ、中団に構えた人気馬を尻目に2番手から早めに抜け出して押し切りステークスレコードで勝利。10番人気の評価を嘲笑う堂々の競馬で、鞍上の藤岡康太、調教師の中竹和也にとっても嬉しいGI初制覇となった。
サニングデールやミスターメロディが古馬となって高松宮記念を制するなどスプリント路線での出世が目立ったレースであったが、NHKマイルCと同じ左回りコースであり、適度な間隔を取れることからメンバーレベルが充実しつつある当レース。そろそろここを制して飛躍する馬が出てきそうな予感も感じつつ、今年の一戦も注目したいと思っている。
ファルコンSはオタルエバーとデュガに注目していますが、中京芝の短距離は馬場が重くなると芝中距離寄りの血統が有利になる傾向があります。その点から見ると真逆の血統を持つ2頭だけに、当日の馬場はよく確認しておきたいです。
阪神大賞典はディープボンドに4歳の上り馬マカオンドールがどこまで迫れるか。スプリングSはオウケンボルトやアルナシームあたりの1勝馬が食い込んでくれることを期待したいです。
それではー