ナインボールのゲーム性
ビリヤード楽しんでますか?
ベトナムで世界大会も行われていれば、私の地元でも今月10月21日と22日に「北陸オープン」が開催予定になっております。
国内では根強くナインボールが採用されていますが、ここ最近、ナインボールを見直す機会があったので、改めて、「ナインボールのゲーム性」に関してまとめておこうと思います。
勝つ為のビリヤードか楽しむビリヤードか
ビリヤードのプレイスタイルは人それぞれです。右利きの人もいれば左利きの人もいるし、利き手は右だけどもビリヤードは左でなんていう方もいらっしゃいます。
それはさておき、勝つための練習をしていますか?それとも、わちゃわちゃ楽しむビリヤードをしていますか?軽く定義付けしておこうと思います。
楽しむビリヤードとは何か
ビリヤードを「楽しむ」というのは非常に曖昧ですが、
初心者の方であれば、こんな感じでしょうか?
└ シュートしてポケットにボールを落とせることが楽しい
└ 3球連続で取り切れたら楽しい
└ 基本的なことを抑えるためにドリルをクリアするのが楽しい
中級者くらいになってくると
└ マスワリが出るようになって楽しい
└ 難しい球(バンクショットや空クッション、ギャン引きギャン押し)
上級者はわかりませんが、おおよそ周りの楽しんでいる人を見ている感じで
└ 14-1、5-9、5-10、ワンポケット、カイルン(別のルール)で楽しむ
└ 9ボールでセーフティしない(バンク、空クッションなんでも狙う)
└ 手玉コントロール自体を楽しむ
ナインボールにおいて、簡単な配置のバンクや穴前の空クッションでネクストに手球が取れる配置ならガンガン狙っていく「攻めのプレイヤー」に多い印象です。純粋にビリヤード楽しんでる感じが伝わってきます。
勝つ為のビリヤード
ナインボールに置いて勝つということは、「9番」を落としたほうが(正確にはセットポイントに達すると)勝ちです。
ルール的にはシンプルですが、狭いテーブル内でいろいろな思考と球がめぐり巡っています。
・シュート率6割以上の球はしっかりとシュートしネクストに手球を取る。
・4割以下であればセーフティ等を駆使して自分が有利になる状況を作る。
・高い集中力と練習量を維持している(試合中自分の世界に入れる)。
・決して気の抜いた球を普段から撞かない。
・世界大会の動画を見ながら勉強している。
・プロのレッスンや上級者にアドバイスをもらい続けている。
などなど、他にもいっぱいありそうですが、9番を落とすというシンプルなゲーム性の中で勝つためにやることはたくさんあります。
どっちが良い悪いでもない
いつものことながら、「勝つビリヤードが正義だ!」とか「楽しんだほうが長続きする!」みたいなどっちが良くてどっちが悪いかという話ではないです。ただ人によって相性があるのは仕方ない面もあります。
ガッチガチ勝負のプレイヤーVS上級エンジョイプレイヤー
僕は基本的にいろいろな人と撞く機会が多いので、そこそこたくさんのプレイヤーを見てきたような気がします。
「ガッチガチ勝負のプレイヤー」と対戦するときはこちらも失礼がないように、全身全霊で勝負させていただいています。
守るときは守る(セーフティする)、取り切れると確信しているときはしっかりと取りきるイメージを付けて撞き続ける。結構な集中をしているので終わったあとは疲れ切っていることが多いですが、勉強になることもたくさんあります。
「上級エンジョイプレイヤー」と撞くときは試合では使うことが少ないかも?と思うようなショットも使用してくる場面があるので、レパートリーとして非常に参考になります。手玉のネクストを考えたときにわざと詰まらせてバンクショットを決めるとか、手玉のラインコントロールでわざと厚みが入るギリギリを狙ってシュートするとかいろいろ。
稀に曲芸みたいなことが起こるので、球体の不思議を感じます。
時々聞こえる謎の対立
「すぐセーフティに逃げるな」「試合で勝つためにはセーフティも必要」
おぉう……二極化した意見ですね。どっちも言わんとするところはわからんでもないですがどっちが正解という問題でもないですね。
ここで、問題なのは「自分のプレイを押し付けてしまう」ことです。
過去に、自分が難しいなぁと感じるショットでセーフティにいったとき「その球セーフティする必要ある?」なんて言われたことがありました。
今思えば、セーフティに行こうがシュートしに行こうがどっちでも良いような球でしたが、最終的に決めるのはそのプレイヤーです。
自分のプレイを押し付けて「ここはこうしなきゃダメなんだ!」ではなく「こういう選択肢もあるんやで?やってみ?」くらいの感覚で教えてくれる人が周囲にいると上達が早い気がします。
最初の頃は上手な人になにか言われると、「それが全て正しい」と思ってしまうものですから……。
ここ最近勝つ為の練習をしている話
周りが試合で勝ち上がって、A球に上がったりしているのをみてそろそろ試合で結果を残して自分も上がらないとなぁと考えています。
ナインボール難しすぎて、ワンポケットやバンクナインとかエイトボールに逃げていたこともありますが……笑
意識して練習していること
「グローブプレイヤーになりました」以上。
それで、勝てるなら苦労はしないですが、毛嫌いしていたグローブを付けて練習するようになりました。腕時計なんかもそうですが、元々何かを身に着けるというのが苦手なタイプなので使用していなかったのですが、どうしても「キューが滑らない」という日があるので、毎回付けることにしました。
「絶対にショットを置きにいかない」
無意識にやっていた置きに行くショットを「100%」しないように意識して撞くようにしています。極薄球、簡単なシュート配置の球、ゲームボールである9番を撞くときのショット、穴前の球などなど。
自分が思っている撞点と手玉のラインをしっかりとイメージ仕切ってからショットする「癖」をつける練習中です。
今まで適当でしたが、師匠にお叱り(アドバイス)をもらったので、笑
「短時間集中練習」
今では6時間とか10時間とかダラダラと玉を撞くことが多かったのですが諸事情もあり3時間もしくは4時間の間に時間を決めて練習するようにしています。いろいろと意識して練習する必要があるのでこのくらいの時間が集中力の限界です。
「筋トレ」
私生活もそうですが座って仕事をすることが多いので、姿勢の改善と健康体力つくりの為に毎朝15分から20分の筋トレをしています。
試合に出ると、試合中以外に試合の間の待ち時間も集中力を切らさないようにする必要があるため、基礎体力作り的な意味で結構重要だと思っています。姿勢改善用にトレーニングしているとキューもまっすぐ触れるので。
練習以外にやめたこと
マイルール押し付けプレイヤーと撞くのをやめました。
「そこは押し一択」「空クッションで狙えるやん」「セーフティするん?」
今まで、そのプレイヤーに合わせてプレイして来ましたが、聞く耳持つのをやめました。
自分が安定してシュートしつつ手玉をコントロールできる「自信のあるショット」はどこまでなのか?という線引をしています。
球に対する知識はそれなりにあると思っているので、そのあたりの話は聞きません。もちろん、「そういう選択をしたのか。こういうのもあるよ」みたいなのは素直に聞き入れます。そこは上達への近道なので。
まとめ
楽しむビリヤードは長いことやってきました。ビリヤードはどんなプレイ方法をしても楽しいものです。楽しくなくなってしまうのは外部要因が大きいと思います。
ただし、勝つためのビリヤードは相当な鍛錬が必要です。どんなスポーツでも同じですが、ビリヤード程「勝ち続ける」のが難しい競技はないと思います。国内で土方プロが3連覇していたこともあり驚きましたが、そんなプロでもすべての試合で優勝できるわけではないので、驚きです。
次の試合が開催された時、自分も優勝できるようにがんばっていきましょー。では。