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2025_クイーンカップ/共同通信杯/京都記念の回顧
クイーンカップ
ここは、全体のレースラップが12.3 - 10.8 - 11.1 - 11.5 - 11.5 - 11.5 - 11.6 - 11.9。
前半からかなりのハイラップで流れた中で、勝ち馬は終いも11秒台でまとめていますので、全体時計の優秀さを含め、どこかしらに目立った弱点がある馬にはまったく出番のない究極の地力勝負となりました。
勝ったエンブロイダリーは、当研究所として懸念していた出遅れどころか、まさかのロケットスタート。ルメールJが騎乗した前3走はいずれもスタートひと息でしたので、この馬が楽に番手外のポジションを取り切ってしまうとはさすがに想定外でした。
とは言え、前半から速いペースを追いかけて行って押し切ってしまったわけですから、レース内容に文句のつけどころは一切なかったな、と。
あとは桜花賞本番に向け、長距離輸送がどうか、スタート難は本当に解消したのか、このあたりが残る課題となってきそうです。
2着マピュースは、赤松賞の内容から二段階ほど一気にパフォーマンスを上げてきての快走。パドックの気配は抜群で、この中間の上昇ぶりを示すものではありましたが、この時計での2着好走は、単に恵まれただけなどと評することはできません。
当研究所的には、完全にこの馬にギャフンと言わされてしまいました。
3着エストゥペンダは、中心視していたこちらが想像していたとおりか、それ以上の走りをみせてくれたと思いますが、それでもはるか前に2頭いたというレースになりました。
今回は完全に力を出し切れた内容で、これで負けたら致し方ないな、と。
馬はこれ以上なく頑張ってくれたと思います。
4着コートアリシアンは、テン乗りの鞍上がこの馬の持ち味を如何なく引き出してきましたが、結果から言うと、完全な素材負けということになりそうです。この馬自身、よく頑張っていると思いますが、、、
5着スライビングロードは、このメンバー相手に掲示板なら上々の結果と言えるでしょう。この馬でも、走破時計は十分に優秀でしたので。
6着マディソンガールは、この高速決着の中で道中最後方では、物理的に勝ち負けは不可能でした。
戦前に懸念していたとおり、道中の位置取りが悪くなったことが致命傷となってしまいましたけど、終いはしっかりと脚を使えていましたから、それなりに収穫のある敗戦ではあったのかな、と。
8着ティラトーレは、エンブロイダリーに取りたいポジションを奪われたのがすべてでしたけど、仮に理想的なレースができたとしても、このレースレベルでは少し足りなかったかもしれません。
さらに今回は、ローテーション的にも結構タイトでしたので、それらの点を考慮に入れるならば、それほど悲観すべき敗戦ということでもないように思います。
9着ショウナンザナドゥは、デキ自体が完調にひと息という印象もありましたが、このレースレベルではどうあがいてもこの馬では足りなかったのではないでしょうか。
共同通信杯
ここは、全体のレースラップが13.1 - 11.5 - 11.8 - 11.6 - 12.0 - 11.8 - 11.5 - 11.5 - 11.2。
最後は加速ラップでのフィニッシュとなっていて、基本は後半型のラップ構成となりましたが、真ん中のラップがやや不安定なことからわかるとおり、必ずしも前受けした馬に有利な流れではなかったように思います。
勝ったマスカレードボールは、前半に自然体で好位置を確保できましたので、こうなると能力全開は約束されたも同然でした。
楽な手応えで抜け出しかけたところ、最内から2着馬に出し抜けを喰らいそうになりましたが、そこを易々と差し返してしまうのですから、やはりこの馬のポテンシャルは相当と言っていいのでしょう。
ただし、まだまだ本気で走っていない印象もありますので、コースや枠の並びには今後も慎重にならざるを得ません。
2着カラマティアノスは、馬体を併せると根性を発揮する勝ち馬を出し抜くような乗り方をした鞍上はさすがでしたけど、敵情をよく知り打つべき手はしっかりと打ったものの、それでも結局最後は力でねじ伏せられる形となってしまいました。
とは言え、レース上手で東京コースもスムーズ。健闘の2着と言っていいでしょう。
3着リトルジャイアンツは、左回りに替わってスムーズに走れていましたが、今度は展開が向かず。それでも自分の脚はしっかりと使っての3着なら、悪くない結果だったと思います。
4着ネブラディスクは、なんとも煮え切らないレース内容に終わってしまいましたけど、1戦1勝馬の挑戦としては健闘の部類でしょう。
5着サトノカルナバルは、ほぼ完ぺきなレースぶりでありつつ終いの伸びを欠きましたので、結果から言うとこの距離は長いのかな、と。
8着レッドキングリーは、調教の段階から前進気勢が強く出ていましたが、レースに行っても同じでした。これだけ道中で力んでしまうと、終い失速したのも説明はつきますからね。
ただまあ、これが実力でないことは確かですが、当研究所的には中心視した馬がチョングクに先着を許したのはある種の衝撃でした。
9着ワンモアスマイルは、小細工してナンボの馬が正攻法のレースを仕掛けては……。真面目な横山武Jにしてはめずらしく、事前の準備不足があったように思います。
京都記念
ここは、全体のレースラップが12.6 - 11.6 - 12.8 - 13.0 - 12.9 - 13.1 - 13.3 - 11.8 - 11.4 - 11.3 - 11.9。
ラップバランスとしては完全な後半型となっていますが、全体時計が示すとおり、切れ味だけでは太刀打ちできないかなりタフな馬場状態になっていたことが窺えるレースとなりました。
またトラックバイアス的にも、外々を通した馬には地獄のようなコンディションになっていましたので、力差のあるメンバー構成でありながら大きく紛れた理由としては、展開と馬場状態、それから人気馬のキャラクターが今の京都の馬場にマッチしていなかったことの3点が挙げられそうです。
勝ったヨーホーレイクは、枠の生かす競馬を貫き、もがく他の人気馬を尻目に内からスコーンと抜けてきました。
まあ、トラックバイアスと枠の並びが噛み合ったというのはありましたが、この難しい状況の中で勝ち切った鞍上の手腕を含め、馬、陣営とも大いに称賛に値する勝利だったと思います。
2着リビアングラスは、時計のかかる馬場とトラックバイアスが完全に噛み合っての好走となりましたが、前受けが叶わなかった中、差しての2着は非常に価値があるのかな、と。
3着マコトヴェリーキーは、自分の力をしっかりと出し切って他馬の自滅にしっかりと付け込むことに成功しました。良くも悪くも相手なりの馬ではありますが、今回はそのキャラクターが最大限に生きた結果と考えていいでしょう。
5着ソールオリエンスは、展開負けと言えばそうなのですけれど、このメンバーを相手にしての内容としては、かなりもの足りない印象を抱きました。
6着プラダリアは、外を回されるロスが響いたのはありましたけど、得意の舞台でのこの結果は、今後に向けてかなり致命的な敗戦になるのではないかと思っています。
8着セイウンハーデスは、前半から力んでいた分のロスはありましたけど、それにしてもレースぶりが淡白でした。敗因は、距離と状態面の両方ではないかと推察します。
9着チェルヴィニアは、「同じ負けるにしてもねえ~」と言わざるを得ない残念なレースになってしまいました。ここまで大負けしたとなると、トラックバイアスだけが敗因とは言えませんので、この馬にいったい何があったのか、この先しっかり精査しないといけません。
それでは引き続き、「本気の競馬力向上研究所」およびメンバーシップ馬券裁判男が本気でつくった競馬質問箱をどうぞよろしくお願いいたします!
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