2023_根岸Ｓ／シルクロードＳの回顧

今週も、週末に行われた各重賞レースについて、簡単に振り返っていくことにしましょう。

日曜　東京11Ｒ　根岸ステークス

ここは、例年どおりの前傾ラップになって、先行馬が壊滅するわかりやすいレースとなりました。

また、昨年のこのレースの好走馬は、当時３着だったタガノビューティーが外から目立つ脚を使っての４着と健闘したくらいで、軒並み凡走という結果に終わりましたから、先週、中京で行われた東海Ｓの結果と併せて考えるならば、ここ半年ほどの間に、ダートトップクラスの勢力図が一気に塗り替わったと考えるべきなのかもしれませんね。

勝ったレモンポップは、半馬身ほど出遅れてヒヤッとさせられましたが、外枠だった分、包まれずに済んでギリギリのところで事なきを得た格好となりました。

それでも、出遅れた分だけ前半で脚を使う格好になりましたし、そんな中、外々から動いて行って堂々と勝ち切ったのですから、まさに着差以上の完勝という評価でいいのではないでしょうか。

２着ギルデッドミラーも、やや出遅れ気味のスタートとなりましたが、前がガラッと開いていた分、うまくリカバリーできたという印象でした。

その意味では、こちらも紙一重の好走ではありましたが、最後は長く脚を使ってレモンポップに迫るところまでは行きましたので、やはりこの馬も力を出し切れれば強いんだよな、と。

３着バトルクライは、走破時計も悪くありませんし、上位２頭が強かっただけで、こちらも現状の力は出し切れたと考えていいのでしょう。

４着タガノビューティーは、ブリンカー効果もあったようですが、この条件では堅実に走りますね。ただ、重賞では常にひと押し足りないのも事実ですから、これ以上の結果を期待するのはさすがに酷なのかな、と。

５着エアアルマスは、前に行った組の中では最先着ですから、この馬なりによく走っていると言っていいのではないでしょうか。

６着ケンシンコウは、こちらの想像どおりのレースをしてくれたのですけれど、思ったよりはペースが速くならず、直線で加速を踏む流れになってしまいましたからね。その中では、この馬なりによく走っていると思います。

11着アドマイヤルプスは、出脚が悪く思ったような位置を取れませんでしたから、この形では見せ場のない惨敗も致し方なかったでしょう。

14着テイエムサウスダンは、どうも本調子を欠いているようですね。パドックの気配からして、走れそうな印象をまったく受けませんでしたし……。

日曜　中京11Ｒ　シルクロードステークス

ここは、前に行くと思われたテイエムスパーダがよもやの出遅れ。逆に、最初からハナを主張しようと決めていたフシのあるマッドクールが、思惑通り先手を奪うやや意外な最前列の並びとなりました。

ペース的には、前後半のラップに偏りがない完全な平均ペースとなりましたから、このラップ構成では、前目内目に位置した３頭による馬券圏内独占という結果も、大いに納得のいくものだったと言えるでしょう。

勝ったナムラクレアにとっては、内枠を最大限に生かせるおあつらえ向きの展開となりましたから、レースぶり自体に進境があったとまでは言えませんけど、この斤量をこなして勝ち切った点は、ひとつの収穫だったと言っていいように思います。

この勝利が、はたして本番に直結するのかはなんともですけど、なんだかんだこのメンバーの中で56.5㎏を背負って勝ち切ったのですから、そこの部分はちゃんと評価しないといけませんね。

２着ファストフォースは、馬体が絞れて適正体重にようやく戻ったこと、得意の中京にコースが替わって理想的な位置でレースを進められたこと、この２つの理由により、今回は好走できたと説明できるでしょう。

つまりこの好走は、フロックでも何でもなく、昨年のセントウルステークスと同じくらい走っただけとも言えますから、本番でも、流れが向けばワンチャンスあっていい位置にはいるのかもしれないな、と。

３着マッドクールは、ハナに行く作戦がどうだったのかと個人的には思っていますが、それでも際どい３着に粘り込んで馬券圏内を確保した以上、さすがに作戦ミスとまでは言えないのかもしれません。

正直、好位のインに控える競馬をしていれば、この馬が勝ち切ったのではないかと本音では思っていますけど、まあ、なんだかんだ接戦には持ち込みましたから、ギリギリ最低限の結果は残せた。そう評価しないといけないのかな、と。

４着トウシンマカオは、大外枠でこのペースにハマってしまっては、成す術なく敗れたのも致し方なかったと思います。高松宮記念では、さすがにもっと前半のペースが上がるでしょうから、今回よりもむしろ本番のほうがチャンスはあるのかな、と。

ただ、今回のレースを見て強く思ったのが、やはりこの馬は阪神巧者なんだなということ。本番と同じコースで今回のレース内容だと、高松宮記念で自信満々に本命というわけにはいかなくなっちゃったな・・・とも正直思っているところです。

７着ウインマーベルは、外枠と斤量の分だけ負けた印象ですから、さすがにこの着順で好内容だったとまでは言えませんが、本番での巻き返しを期待してもいいくらい、最低限の走りはできたんじゃないかと評価しています。

13着キルロードは、このペースで３番手の外を追走では、この馬の良さはまったく生きませんからね。その意味でいうと、前走ではうまいこと結果が出ましたけど、「本質的に福永Ｊとは手が合わない」という評価でいいように思います。

ということで、次回は、また来週となります。

今週も、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました！