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土曜日の障害戦(1/23)


今週も、小倉で3鞍の障害戦が組まれています。

先週は、見どころ解説に少し切れ味を欠いてしまったこともあったので、「今週こそ!」という思いはあったのですが、出馬表を見てゲンナリ。未勝利の2鞍なんかは、もう完全にお手上げモードですし、明日のオープン戦も、自信満々とはいかず…。

ただここは、有料の予想サイトではありませんから、お手上げならばお手上げなりに、なんとか見どころの解説だけはしておきたいのですよね。うまくいくかどうか、正直、あまり自信はないものの、結果はともかくとして、できることをきっちりやるということに、まずは注力してみようと思います。

小倉4R 未勝利


このレース最大のポイントは、圧倒的な一番人気になることも予想される
⑦エイシンクリックが、ここでしっかりと勝ち切れるのかどうか、という一点に尽きると思います。

ただ、馬場が固く速い時計が出る小倉で、テンに行けない脚質。さらに、鞍上は西谷Jですから、潜在能力は断然のこの馬でも、さすがに信用はできないように思えるのですよね。

おそらく序盤は、ゲートをソロっと出して、最後方。そこから、外を回って徐々に追い上げていくという非常にロスの大きい競馬になるであろうことは、事前にはっきりと予見できるわけで、それでも勝ち切れるかといえば、う~ん、と言わざるを得ないのかな、と。


その一方で、既走馬の中で、エイシンクリックを出し抜けるだけのポテンシャルと秘めているのは⑨ジャストアジゴロだけ。ただ、こちらの鞍上白浜Jも、最近はずっとリズムが悪いんですよね。行きっぷりのいい馬だけに、小倉替わりはプラスに出そうなんですけど、鞍上込みで考えると、思い切って狙うところまではちょっと……。

前走でそのジャストアジゴロに先着している⑧クラウンディバイダも、ここに入れば実績上位と言えなくもないわけですが、勝ちに行ってどうこうというタイプでもないので、よっぽどの漁夫の利がない限り、ここで勝ち負けを演じるシーンは想像できません。

つまり、この3頭にポテンシャルだけで順番をつけるなら、「⑦エイシンクリック > ⑨ジャストアジゴロ > ⑧クラウンディバイダ」とスンナリ結論を出せるのですが、レース結果がこの順番どおりになるかは、極めて怪しいということ。しかも⑧クラウンディバイダあたりだと、初障害馬にあっさりと先着されるシーンもありそうですから、見どころの多いレースではあるけれど、何とも馬券を買いづらいレースであるとも言えそうですね。


ちなみに個人的な評価では、エイシンクリックが腕達者なジョッキーに乗り替われば、未勝利どころか、おそらくは重賞でもある程度はやれるんじゃないかと見ているのですよね。

そんな素質馬でも、不安を抱える鞍上が少しでも乗り違えれば、未勝利戦でコロっと負けてしまうのがジャンプレースの面白いところ。このレースは、馬券購入に力点を置くことなく、そんな視点でレースを観てもらえるといいのかなと思ったりもしています。

小倉5R オープン


こちらは、4Rとは打って変わって、ポテンシャル的に順番をつけるのが難しい混戦になっています。初障害馬が多い今週の未勝利戦よりはマシですが、やっぱり各馬の比較が難しいレースであることには違いありません。

そんな時に頼りになるのが、ハイレベルレースで好走した実績のある馬に白羽の矢を立てること。メンバーを見渡した時にまず目に留まるのは、10/31に福島で行われたオープン戦のマサハヤドリーム組になるでしょう。


そうすると、狙いは、当時最先着した⑦リボンナイト。前走は9番人気で好走ですが、当時の見どころ解説でも取り上げていたとおり、単に人気がなさ過ぎただけで、平沢Jならこれくらいは普通に走っていい馬。実績的に小倉との相性がひと息のようにも見えますが、大敗したレースは、かなりメンバーが揃っていたこともあるので、過度に気にする必要はないのかもしれませんね。決して断然の存在とまではいえないですけど、確率論的には、この馬を中心と考えるのが妥当なのではないでしょうか。

2番手は、マサハヤドリーム組5着の⑤ガッツィーソートにします。この馬は、メンバーが揃っていた夏の小倉戦の3着が立派で、当時だけ走れば、ここも勝ち負けしていいはず。ただこの馬、中村Jと手が合っていた印象が強く、上野Jだと、当時ほど走れるかちょっと疑問もあるわけですが、それでも福島戦での内容を考えれば、上野Jでも十分に上位争いはできると評価していいように思います。

3番手には、⑧クリノライジンを抜擢。この馬も、地味ながら昨夏の小倉戦の内容がいいですし、当時、ガッツィーソートと0秒5差なら、これ以上、評価を下げる理由は見当たりません。熊沢Jへの乗り替わりも魅力がありますから、おそらく人気はないでしょうが、休み明けを承知でちょっとだけ狙ってみたい気持ちにはなりますね。

4番手は、④インシュラーを一応挙げておきます。前走はいかにも展開が厳しかったですし、とりあえずはノーカウント。ここも展開次第ではあるのですけれど、スンナリとハナに行けて、番手でリボンナイトが後続をがっちりと抑え込んでくれるような展開になれば、十分に逃げ残りのチャンスもあるでしょう。ただ、五十嵐Jから簑島Jへの乗り替わりは大きなマイナス材料ですから、拾うかどうか迷った末の4番手。そんな、やや消極的な評価だと理解してください。

ほかにもワンチャンスある馬は複数いますが、馬券的な狙いは、ここまでにしておきます。


その他の有力馬で、特に解説を加えておく必要がありそうなのが、①シングルアップでしょう。高速馬場、最内枠、鞍上森一馬Jと、ここは、何もかも条件が揃っていますね。レースでも、楽にインのポケットを取り切れるでしょうから、おそらく上位には喰い込んでくるはず。ただこの馬、いかにも決め手に乏しいのですよね。かといって、積極的に主導権を奪うようなレースをすると早々に失速してしまうのですから、いかにもスイートスポットが狭い馬。そんな評価なので、条件が揃っていることを承知の上でも、やっぱり狙い切れないな、と。

⑥カポラヴォーロは、ここに入ると、実績上位という印象もあるのですが、前走はいかにも相手に恵まれた印象が強いんですよね。もともと中山巧者でもありますから、小倉替わりで器用な立ち回りを期待できない草野Jなら、評価を落とすのが正解かなと思います。

⑫モザイクは、マサハヤドリーム組の3着馬なんですが、当時は、高田Jの奇襲がハマった印象が強いですし、それでもリボンナイトには先着を許しているんですよね。さらにこの馬、置き障害のコースのほうが断然スムーズなので、その点も割引が必要かと。おそらく人気の一角には推されるのでしょうが、外枠に入ったことも考慮に入れれば、ここは、積極的に馬券を買う材料に乏しいような気がします。


最後にひとつ別の見どころを付け加えておくと、このレース、馬券云々を離れて、モザイクに騎乗する高田Jがどんなレースをしてくるのかにも、注目したいのですよね。

この馬、昨年夏、出馬投票上のルールにより、出走を予定していた新潟戦を使えず、やむなく小倉戦を使って5着と敗戦。その後、鞍上の高田Jが、当時、JRAがコロナ対策の一環として臨時的に定めた新潟競馬場への入厩優先順位ルール(たしかに、障害レースに出走しようとする馬に対して冷ややかなルールであった)に対し、異を唱えた経過があるんです。

その詳細は、高田Jのtwitterをご覧いただくこととして、ザックリ言うと、当時は、固定障害の練習をしていなかったモザイクが、急遽、固定障害がある小倉戦を使わざるを得なくなって、力を出し切れなかった、と。たしかに当時の新潟の入厩ルールは、JRAの後出しじゃんけん的な部分がありましたし、現役ジョッキーとして、馬に寄り添ったとても勇気ある問題提起だったわけですが、反面、モザイクの次走には、否が応でも注目が集まる形となったというわけ。

その次走、モザイクは10月の新潟戦に出走してハナ差で勝利。ここで負けたら、おそらくさまざまな高田J批判が巻き起こるかもしれないというプレッシャーがかかる状況の中で、僕ら競馬ファンが大きく心を揺さぶられるほどの魂の騎乗を、高田Jが見せてくれたという経緯があるんですね。

そのモザイクが、少し間隔をあけて因縁の小倉戦に出走となれば、中間、高田Jが付きっきりで固定障害を飛ばせていることは、容易に想像できますよね。もちろん、その努力があるからといって、ここで勝ち負けできる保障なんかありませんし、現に僕自身も、上位評価はしていないんですけど、ここでもし、モザイクがスムーズな飛越を見せて好走するようなことがあれば、それはもう、高田Jの執念みたいなものでしょうから、この点は、絶対に見逃すことはできないな、と。

このあたりは、競馬が単なるギャンブルではないということにも直結する話題なので、皆さんにも、是非、注目してレースを観てもらえればと思っています。

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