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週末の注目2歳戦振り返り(8/28,29)

新潟2歳Sの振り返りは別記事としてアップするので、ここでは、その他のレースについて振り返っていくことにします。

いや~、それにしてもこの週末の2歳戦は、非常に見どころのあるレースが多かったですね。

では、早速、いくつかのレースを振り返っておくことにしましょう。

土曜 札幌1R 未勝利


ここは、前日の記事で注目レースとして取り上げていたのですが、実際に非常に内容の濃いレースになったので、まずはひと安心。その上で、事前に注目馬としていたポッドボレットのレースぶりについて、しっかりと検証しておこうと思います。

見た目の印象としては、勝ったシンティレーションの完勝で、この馬から2馬身半離された2着だったポッドボレットは、ひとまず完敗ということになるのでしょう。実際、シンティレーションは強かったですし、現時点では、器用さの面も含め、こちらが上だったという評価でいいように思います。

その一方で、逃げて最短コースを通ったシンティレーションに対して、ポッドボレットは、トーセンビーストを挟んで2頭分外を回されていますから、2馬身半という着差ほどの力差があるとは思えません。さらに、ポッドボレットの走破時計1:49.6は、同日7Rに行われた古馬1勝クラスレースの勝ち時計1:49.8を上回っています。その7Rが、古馬1勝クラスのレースとしてはそこそこメンバーが揃っていたことを考慮しても、ポッドボレットのレース内容は、見た目以上に優秀だったと言えるのではないでしょうか。

実際、マイネルシーマーやナンヨーリリーは大きく千切り捨てましたし、強気な競馬を仕掛けてきたトーセンビーストはしんがり負けを喫したわけですから、今回は2着と敗れましたが、決して希望を失うような内容ではなかったと思います。この点、見当違いの見どころ解説にならなくて、つくづくよかったな、と安堵しています(笑)

細かいことを言えば、追い出してからまだ前輪駆動で走っているとか、まだまだ克服すべき課題が山積なのは確かです。ですが、逆に言うと伸びしろが大きいとも言えるので、今回は「100%期待どおり」の結果とまではいきませんでしたけど、ポッドボレットが、最低限こちらの期待に応えるパフォーマンスを見せてくれたのは確かなので、大きく評価を落とす必要はないのかな、と。そんなふうに考えています。

土曜 小倉2R 未勝利


正直なところ、このレースはちょっとノーマークだったのですが、勝ったキラーアビリティのパフォーマンスがとにかく圧巻だったので、ここで取り上げることにしました。この馬、デビュー戦からレース間隔を開けたことで確実に良くなっていたのは事実ですけど、いや~、短期間でここまで馬が変わるのかっていうほど、驚くべき変身ぶりだったと思います。

レコードとなったキラーアビリティの勝ち時計1:59.5は、牝馬限定古馬2勝クラス西海賞の勝ち時計1:59.6を上回る優秀なものなんですが、もっとも注目すべきは全体時計ではないのですよね。この未勝利戦、レースの上がり3ハロンのラップは、なんと12.2 - 11.8 - 10.8。つまり加速ラップで勝ち馬が突き抜けた上、最後の1ハロンは10秒台と2歳馬としては驚愕の数字を叩き出しているというわけです。

少し前の記事でも書いたように、これまでのところ、この世代で「これは!」という馬がまだ出てきていなかったのですけど、このキラーアビリティは、間違いなくクラシック戦線で活躍できる逸材。そのように位置付けていいと思います。なので、この馬の今後の活躍に、大いに期待してみたいな、と。血統的に、馬券的妙味はまったくなさそうですけど……。

土曜 新潟1R 未勝利


ここは、事前の見どころ解説で取り上げたレースなんですけど、その評価は、新潟2歳Sの見どころ解説でも触れたので、気になる方はそちらをご覧ください。

土曜 新潟5R 新馬


いや~、ついにキタサンブラック産駒の大物登場か、ここはそんなレースになりました。

勝ったイクイノックスは、胴長で骨格がしっかりとした好馬体。皮膚が薄く毛ヅヤもピカピカで、パドックを歩く姿には大きく心を動かされました。ただ、立ち姿から、頭が高い点がちょっと気になったので、その点がレースでどうか注目していたのですが、実際に走らせてみると、体幹がしっかりとしていて、頭の高さが気になるところはほとんどありませんでしたね。

今の馬場状態を考えると、勝ち時計1:47.4はそこそこ優秀だと思いますし、終い3ハロンのラップが11.6 - 11.3 - 11.8と、ノーステッキでしっかりと加速を踏めているところにも好感が持てます。まだたった一回走っただけなのでわかりませんけど、この内容なら、今後、大仕事をやってのける期待も十分。現時点では、それくらいの評価を与えていいのかもしれません。

ちょっと余談ですけど、今年の岩戸厩舎は、なんだかひと味違います。おそらく、ただの偶然ということはないでしょう。この点も、この先、注視していく必要があるかもしれないですね。

土曜 新潟6R 新馬


ここを勝ったソネットフレーズも、なかなかの逸材のようです。勝ち時計の1:34.3は、新潟2歳Sでも5着に相当する優秀なものですし、先行して終い3ハロンのラップが11.6 - 11.0 - 11.9というのもいいですね。

ただしその一方で、あくまでも個人的な印象ですけど、数字ほどの強さを感じなかったのも事実。手塚厩舎の馬でもともとあまりよく見せないというのはあるのかもしれませんけど、そこは、やや気になる材料でもあります。

その意味では、ソネットフレーズの次走には、特に注目が必要になりますね。数字は嘘をつかないので、最低限、初戦で叩き出した時計の担保はあるわけですが、さらにその先があるのかどうか、次走で見える部分は少なくないでしょう。血統的に成長力はあるはずですし、良い意味で、こちらの想像を裏切ってくれることを期待したいと思います。

日曜 小倉5R 新馬


ここは、レースセンス抜群のマテンロウスカイが、このメンバーではまるで力が違うとばかりの大楽勝。確かにメンバー構成が軽かったですけど、レース内容には、非常にみどころがありましたね。

前日、同距離の未勝利戦を勝ったキラーアビリティのパフォーマンスが突出していた分、勝ち時計、ラップ構成ともあまり目立ちませんが、加速ラップで突き抜けて終い11.2というこの馬の走りも、十分に高い評価に値すると思います。

この馬、馬体面もどっしりとしていて風格がありますし、モーリス産駒でも速い脚を使えそうなところがいいですね。さらに、レースぶりも大人びていましたから、器用さを求められるレースになっても、うまく対処できそう。高いレベルでのガチンコ勝負になった時にどうかはわかりませんが、現時点の評価でも、この先、ソコソコの活躍はしてくれそうな気がしています。

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