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レースシミュレーションの大切さ

今日は、こんなテーマで戯言を。

競馬の楽しみ方は、本当に人それぞれ。それゆえ、当然、馬券の買い方にも、「絶対にこうじゃなきゃいけない!」という基本原則みたいなものは、いっさい存在しません。

好きな馬の単・複を100円ずつ買って応援するのもいいですし、もちろんおススメはしませんが、昔のドラマであったような「GⅠレースにボーナスを全額突っ込む」みたいなスタイルだって、誰に否定されるものでもないでしょう。


その一方で、「競馬で勝ちたい」あるいは「せめて大負けせずに長く健全に楽しみたい」と考えるのなら、それ相応の工夫が必要になってきます。

その工夫にも、さまざまなものがあっていいのですけれど、今回は、私が昔からやっている「レースシミュレーション」という考え方について、ひとまずさわりだけ解説してみたいと思います。


この「レースシミュレーション」とは、ひと言で説明するなら、これからスタートするレースについての「未来予想図」を頭の中に描くこと

直近のレースを例に挙げて説明するとすれば、例えば、先週土曜日に行われた愛知杯。事前のみどころ解説では、私が自分の頭の中に描いた「未来予想図」として、以下のようなことを綴っていました。

  • 基本は前々でレースを運んで、最後の直線で馬場のいいところを選んで走れる馬に有利

  • アートハウスは、忘れな草賞やローズSのように、スローな流れになって前々の位置でじっくりと脚を溜められるような形になってしまえば、勝負どころでの反応鋭く無類の強さを発揮する

  • アートハウスは、アイコンテーラーのスローな逃げをうまく利用して、好位でうまく脚を溜める競馬ができそう


これらの内容について、実際のレース内容と突き合わせ答え合わせをしてみると、逃げたのがアイコンテーラーではなくアブレイズだった点を除けば、ほぼ想像どおりの結果に。つまり、私が事前に描いていた未来予想図は、かなり精度が高かったということになります。

これは、ちょっと生意気な言い方になってしまいますが、「本命馬が勝った!」とかそんなレベルの話ではなく、レース自体が自分の掌の上で転がっているような感覚、とでも言えばいいでしょうか。


ところが、その反面、逃げると踏んだ「アイコンテーラーは、最後の直線で失速する」という未来予想図も同時に描いていたんですね。

要するにこの部分の未来予想図は、かなり精度が低かった。そういうことになるわけです。


このことから皆さんに知ってもらいたいのは、「事前に未来予想図を描いていたからこそ、『自分の予想の何が正しくて、何が間違っていたのか』をより正確に把握し、反省すべきところはしっかりと反省して次につなげることができる」ということ。

もしも、特段のレースシミュレーションを組むこともせず、「この条件が得意だから」みたいなザックリとした理由でアートハウスを本命視し、アイコンテーラーについてはあまり深く考えることなく軽視していたとしたら、このレースの的中馬券に大差はなくとも、このレースから学んだことに中身には大きな差がついてしまう。そういうことなんだろうと私は考えています。


せっかくの機会なので、余談をもうひとつだけ付け加えることにしましょう。

私は日経新春杯でキングオブドラゴンが好走する確率は高いと読んで、結果は世間の低評価を覆しての2着。この事実関係から、それなりに有用な情報を読者の皆さんにお届けすることができたと言えるのではないでしょうか。

ところが、この部分だけをこうして都合よく切り取ってみれば、さも「予想が当たった」かのように見えるわけですが、実際のところは、結果が予想と近しいものとなっただけで、「未来予想図の精度は?」と問われれば、まるで話にならないレベルだったわけです。


なんたって、私が描いていた未来予想図は、「キングオブドラゴンが、道中でペースを落とさない逃げを打って好走する」というものでしたから、結果以外の部分は、まったくもって大ハズレなんですよ。

今回の事案は、いわゆる「裏の裏は表」、すなわち野球で言えば、チャンスでフルスイングをかけたらバットの先に当たってボテボテのタイムリー内野安打になっちゃったとか、サッカーで言えば、ボレーシュートを空振りしたらたまたまボールが軸足の膝に当たってゴールに吸い込まれちゃった、みたいな話でしかないのです。

そう、それを自分でもよくわかっているから、私は間違っても、これを「予想が当たった!」などと勘違いすることはありません。


ところが、ろくにレースシミュレーションもせずに馬券を買って、ただ単に「的中する/しない」という視点でレースを観ていたのだとしたらどうでしょう。

あくまでも憶測ですが、「ほら! キングオブドラゴン来たじゃないか! オレ、もしかして天才かも……」になっちゃう人が、おそらく一定数いるのではないでしょうか。

そして、これを成功体験としてにわかに自信をつけ、次、また次と馬券で勝負を繰り返して行ったとしたら、、、

ちょっと考えただけでも、恐ろしいこと。仮に日経新春杯で何十万、何百万という利益を上げていたとしても、そんなものは間違いなくすぐに吹っ飛びます。なぜなら、競馬とはそういうものだから……。


あんまりくどくなってもいけませんから、今日はこのへんでやめておくことにします。

この記事を通じて、「レースシミュレーション」の大切さが少しでも読者の皆さんに伝わるといいですね。


最後に、ちょっとだけ宣伝を。もっと詳しく「レースシミュレーション」について知りたい方には、以下のマガジンをおススメしておきます。

これを読んでいただければ、私がどんなことを考えながら競馬と向き合っているのか、もっともっとよく伝わると思いますので……。


また、より実践的に競馬との向き合い方を学びたい方には、「競馬なんでも相談室 ~あなたに必要な処方箋、ここにあります~」がおススメです!


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