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天皇賞(春)の見どころ


明日は、阪神競馬場で天皇賞(春)が行われます。

今年は、イレギュラーな阪神開催であることに加え、大混戦のメンバー構成になりました。

さらに明日の仁川は、空模様も怪しいらしく馬場読みまで難しいときているので、前日段階で、的を射た見どころを解説をするのは非常に厳しいな、と。ただし、勝負を分ける分岐点だけははっきりとしているので、今日はその点にフォーカスしつつ、見どころ解説を進めてみたいと思います。

阪神11R 天皇賞(春)


阪神の芝コースは、相変わらずの高速馬場ではありますが、今日もまとまった雨が降った時間もありましたし、明日も昼前後からにわか雨の予報。さすがにレースの時間には、そこそこ時計のかかる馬場になっているような気もします。

ただし、阪神大賞典の時くらいにまで馬場が悪化するかはなんとも微妙で、雨の降り方次第で、結果はどう転んでもおかしくないと考えておいたほうがいいでしょう。


ズバリ、ポイントになるのは、おそらくハナを切ることになるであろう⑤ディアスティマのレースメイクと、好位で流れに乗るであろう⑫ディープボンドの仕掛けどころ。

ディアスティマの長所は、単なる逃げ馬の枠には収まらない自分の形をしっかりと持っていること。テンに11秒台で出して行って、序盤にしっかりとリードをつくり、中盤に一旦13秒台にラップを緩めて息を入れる。そして、勝負どころで自ら11秒台までラップを引き上げて、後続の追撃を凌ぐというのが好走パターンになります。

対するディープボンドは、テンから12秒台のラップをキープして淀みのない流れを主導し、切れる脚がない弱点を補うのが好走パターン。つまり、正面スタンド前を過ぎ、ディアスティマがラップを13秒台に落としているうちにディープボンドが早めに仕掛けていくのか、それとも、仕掛けが遅れてディアスティマが先にラップを上げていくのか、ここが読みどころになりますね。


ディープボンドの和田竜Jは、切れないけどバテないというこの馬の特性を、もちろん熟知しているわけですが、対するディアスティマの北村友Jも、自らのストロングポイントと相手の弱点をよく理解しているわけで、この2人のジョッキーの駆け引き次第で、結果はまったく違うものになると考えていいでしょう。

そう、ズバリここが、勝負の分岐点になるに違いありません。



ここからは、上記のポイントを踏まえて、出走全馬についての簡単な評価を書き込んでいきたいと思います。


①ワールドプレミアは好枠を引けましたし、前走、日経賞の内容も上々。馬場悪化は、あまり歓迎材料ではないのでしょうけど、このメンバーなら、大崩れはないと考えていいでしょう。

正直なところ、この勝負服を応援したくはないですけど、馬に罪はありませんし、あくまでも客観的に見れば、有力馬の一頭と評価すべきだと思っています。


②アリストテレスの前走、阪神大賞典での敗因は、道悪ということになっているようですが、僕自身は、それは誤った見解であると考えています。この馬の長所は、手応え以上にしぶとく伸びるところであって、道中で引っ掛かったのは、凡走したプリンシパルSと前走だけ。つまり、そもそも体調面に問題があったと見るべきでしょう。

また、菊花賞でこの馬を本命視した身として言えば、当時はGⅡで勝ち負けできるレベルにあれば、昨年の菊花賞は好勝負に持ち込めるレベルのレースであると見ていたので、前走の阪神大賞典は明らかに過剰人気。ここも、まともな体調で出てきたとして、ちょうど勝ち負けに届くかどうかくらいと考えていいように思っています。やはり、注目はパドック。多少チャカつくくらいならいいですけど、ボタボタと発汗しているようなら大きく割り引きたいですね。


③カレンブーケドールは、あと一押しが足りないレースが続いていますけれど、一線級相手に崩れず好走を続けている点は、大いに評価できます。

その気になれば位置を取れる馬ですし、レースぶりにも安定感がありますから、このタフな条件のレースでもいつものパフォーマンスを示せるのか、その一点にすべてがかかっていると言っても過言ではないのでしょう。ただここは、こなせない条件ではないと思いますが、ベストでないことだけは確かかな、と。


④シロニイには、前々からしぶとく粘り込む競馬を期待しますが、すべてがうまくいっても掲示板の下の方まででしょうか。


⑤ディアスティマは、2走前のグッドラックハンデの勝ち時計が、同日の有馬記念5着同着のワールドプレミア、カレンブーケドールとコンマ1秒差。テンのラップはこちらのほうが速いのですから、ここで通用する地力はすでに備えていると考えていいでしょう。

あとは、とにもかくにも展開次第。ディープボンドほか、他馬が早め早めに仕掛けてくる展開になるとさすがに厳しくなりますが、この馬も、残り千メートルからペースアップしてもバテないスタミナを持っていますから、たとえ厳しい展開になっても、最低限の抵抗はできると考えています。ただし、馬場悪化は割引材料になりそうですから、そのあたりのさじ加減が、なんとも難しいところではありますね。


⑥マカヒキは強調材料に乏しく、⑦ユーキャンスマイルもパンチ力不足は明らか。後者は、漁夫の利的に突っ込んでくるパターンはアリですけど、地力勝負では、はっきり足りないと考えています。

⑧ディバインフォースには、無尽蔵のスタミナという武器がありますけど、さすがにここでは格負けする印象が否めず、⑨ジャコマルは、展開面でレースに影響を及ぼすことはあっても、勝負に参加するところまではさすがに厳しそう。⑩ゴーストも、力不足は明らかでしょう。

⑪メイショウテンゲンは、能力的にはここで通用するものがあるわけですが、ここ数戦の内容を見る限りは、全盛期のパフォーマンスを期待するのは難しそう。出番があるとすれば、田んぼみたいな馬場になった時だけ、というイメージでしょうか。


⑫ディープボンドは、実に評価が難しいですね。たしかに前走は強かったですけど、千切った相手はユーキャンスマイルとナムラドノヴァンですし、曲者のディアスティマを自ら捕まえに行けば、スタミナロスは確実。雨予報は大歓迎ですけど、ディアスティマにとって我慢が利く程度の馬場悪化にとどまると、追いかけるこちらのほうが、むしろ先に苦しくなるパターンも考えておきたいところではあります。

⑬ナムラドノヴァンは、いつもどおり後ろからマイペースで行って、どこまで伸びて来られるか。⑭ウインマリリンは、完璧な立ち回りができた前走で辛勝となると、さすがにここではどうなのかな、と。関西への輸送も、あまりいい材料ではありませんからね。


⑮オセアグレイトにはちょっと怖さがあるんですけど、まずは鞍上が普通に乗ってくれるかどうかというところが鬼門。そこをクリアできれば、ワンチャンスあっていいイメージはあります。人気薄の好走を狙うなら、この馬かもしれません。

⑯メロディーレーンには、とにかく無事に走ってほしいところですね。

そして、⑰オーソリティ。能力は間違いなく通用すると思いますが、テンションが高い馬ゆえ、関西への輸送でイレ込まないか不安が残りますし、この大外枠もマイナス材料。さらに、東京巧者の印象が強いのも確かで、ここはノーチャンスではないけれど、なかなか厳しい条件が揃ったようにも感じますね。パドックでイレ込みが目立つようなら、その時点でバッサリと切っていいと思います。


あんまり自信はないのですが、展開決め打ちで狙いは⑤ディアスティマにします。この馬が勝負どころで主導権を握れるようなら、相手は脚を溜めて自分のレースに徹する馬。最有力は、①ワールドプレミアと見ます。そして紛れた時に、⑮オセアグレイトの一発が怖いですね。有馬記念、日経賞と、道中で無駄脚を使っても崩れませんでしたから、地味に地力を強化している印象もあって……。

正直なところ、あまり積極的に馬券を買いたいとは思わないレースなので、推奨馬はこの3頭。あとは、北村友Jと和田竜Jの駆け引きを、じっくりと楽しめたらいい、そんな気持ちでレースを観戦しようと思っています。

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