第29回 東京スポーツ杯2歳Sのみどころ
東京11R 東京スポーツ杯2歳ステークス
今年のこのレースは、昨年とは打って変わって来年のクラシックに直結しそうなハイレベルのメンバーが集結しました。
過去2年は、戦前からそこまでメンバーが揃ったという印象はなかったのですけれど、今年はレース前から期待感がまったく違うな、と。
懸念材料としては、田辺Jの逃げが予想される中でドスローの残念なレースにならないかですが、来年を見越してという意味で言えば、それもまたいい試練になるのかもしれませんので、いずれにしても競馬ファン必見の見応えあるレースになることはほぼ間違いないでしょう。
まあ、馬券的にどうこうというレースではなさそうですけど……
中心には、④クロワデュノールを推します。
この馬が前走で負かしたアルレッキーノは、控える競馬となったサウジアラビアロイヤルカップで凡走してしまったものの、マイペースの逃げを打てれば重賞でも楽に通用する馬。その馬を最後の1ハロンで楽々と突き放したレース内容は、まさに強いのひと言でした。
また、走破時計としても2歳馬の6月としては破格ですので、少なくとも字面上はここで勝ち負けを演じる力がある馬という評価でいいのかな、と。
逆に言うと、仮にこの馬が力を出した中で負けるとすれば、先着馬は相当に強いという判断もできますので、そのような視点を持ちつつレースぶりを注視したいですね。
2番手は、⑦レッドキングリー。
1戦1勝のこの馬ですが、とにかくレースぶりが非凡。スッと前の位置を取り切ってそこで折り合いをつけ、終いに切れる脚を使えるという優等生ぶりは、ここでも間違いなくストロングポイントになるでしょう。
あとは、最後の直線で他馬と激しい追い比べになった時に、どこまで根性を見せて踏ん張れるのかに注目したいな、と。
前走があまりに楽なレースで勝ち切ってしまった分だけ評価は2番手にしましたが、この馬に対する期待値も相当に高いと付け加えておきます。
3番手は、③ファイアンクランツ。
今年の札幌2歳Sのレベルに関しては、概ね並程度という評価にならざるを得ませんが、その中でこの馬は、東京コースでの瞬発力勝負が向きそうという意味で要注目の存在になってくると判断しました。
道中で脚が溜まれば、どの位置からでもスパッと鋭い脚を使って伸びてきそうですので、前を行くであろう上記2頭にこの馬がどこまで迫れるかという視点を持ちつつ、レースを観戦したいですね。
4番手は、⑨サトノシャイニング。
この馬の前走は、調教替わりのレース内容で楽勝。走破時計は平凡でも、奥行きを感じさせるレースぶりでしたので、この強敵相手に通用しても驚けない素質馬なのだろうとは考えます。
ただし、当時2着のミラージュナイトが次走の未勝利戦を取りこぼしてしまったところを見ると、「現状はあまり過大評価をしたくない」という思いは当然出てきますので、今回は最後のひと枠に位置づけてひとまず様子を見ることにしたいな、と。
その他では、このレース条件がベストと思えるプレシャスデイの走りが、今後に向けての良いものさしになってくれると考えていますので、特に注目しておきたいな、と。
ぶっちゃけこの馬と接戦を演じているようでは、たとえ着順が良くてもクラシック候補にはできませんので、上位に位置づけた各馬には、プレシャスデイを子ども扱いするような圧巻の走りを期待したいですね。
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