2024_ドバイワールドカップデー考察
海外競馬は、オリンピックやW杯と同様に日本馬にフォーカスしつつレースを観て楽しむもの。これが当研究所のスタンスとなります。
よって今日は、サウジカップデーと同様にドバイワールドカップデーに出走するすべての日本馬について、原則、馬券的な話とは完全に切り離した中で、ザックリとした期待値を書き込んでおくことにしました。
ただし国内で馬券発売がある4つのレースに関しては、読者の皆さんに一定の便宜を図る意味を込めて、ライバルとなりそうな外国馬の評価にも簡単に触れておくこととします。
2024_ドバイゴールドカップ
リビアングラス
前走レッドシーターフハンデのレースを振り返ってみると、ここでタワーオブロンドンを逆転するのは容易でなさそうですね。少しでも着差が詰まるようなら、それこそ大健闘の部類なのではないでしょうか。
アイアンバローズ
こちらは、リビアングラス以上に厳しい立ち位置にいるような気がしています。メイダン競馬場のコース形態が合うイメージもあまりありませんし。
2024_アルクォーツスプリント
ジャスパークローネ
この馬は、ゲートが決まって楽にハナに立てるようなら、好勝負できる可能性が十分にありそうです。
前走の感じからメイダンのダートでより良さが出そうな印象もありましたので、芝に戻るのがプラスかどうかは微妙なんですけどね。
2024_UAEダービー
フォーエバーヤング
この馬はまたしても大外枠を引いてしまいましたので、ここもサウジダービー同様に楽な競馬にはならない気がしています。
ただし、距離延長で追走が少しでも楽になるのはプラスでしょうから、ケンタッキーダービー出走に向け、何としてもポイントを加算しておきたいところですね。
バロンドール
この馬にとって、レース条件はベストに近いと言っていいのではないでしょうか。
あとは、2走前のブルーバードCで詰めを欠いたように、このメンバーに入ってポテンシャル面が足りるかどうか。そこがポイントになりそうです。
ジョージテソーロ
この馬は、ここでも先行できるだけのスピードを秘めていますので、あとは距離延長をどう乗り切るかでしょう。
正直、この距離はやや長い印象もありますが、もしもマイペースの逃げに持ち込めるようなら、見せ場以上のシーンがあるかもしれないですね。
2024_ドバイゴールデンシャヒーン
リメイク
この馬は、ここでも上位争いに絡んでくるのはほぼ確実と考えていいように思います。
サウジとはメンバーも違いますし、頭まで差し届くかはなんとも微妙な情勢ではありますけど、ドンフランキーがハナを取り切ってハイペースで飛ばしてくれる展開になれば、勝ち負けはほぼ必至とみていいのかな、と。
ドンフランキー
こちらは内枠を引いたことにより、ピンかパーか的な要素が強まった気がしています。
ホプキンスがすぐ外からプレッシャーをかけてくることは目に見えていますから、割り切って何が何でもハナに行くという気概を見せることで、一気に視界が開けるのではないでしょうか。
もしもハナに行き切れれば、勝ち負けまであっていいように思います。
イグナイター
この馬の最内枠は歓迎でしょう。
理想を言えば、ドンフランキーがスッと行き切ってくれて、外目に切り替えて番手外の位置を取り切れたら最高ですけれど、仮にインのポケットの位置に収まっても悪くはないように思います。
正直、ガチンコ勝負ではやや厳しいのではないかと思っていましたが、この枠の並びなら、わずかながらでもこの馬に馬券圏内の可能性が出てきたのかな、と。
ケイアイドリー
この馬は、相変わらず対リメイクでは明らかに劣勢ですけど、前走は思った以上に走れていた印象もありましたので、ここも入着圏内には走ってきそうな予感がします。
ぶっちゃけ、馬券圏内突入までは厳しそうですが、何から何までこの馬に味方するような流れになれば、ワンチャンスくらいはあっていいのかな、と。
ナカトミ
アメリカ馬では、この馬が怖い印象ですね。
理想はスンナリ先行らしいですけど、前2走は砂を被る苦しい位置からでもしっかりと脚を使えていましたので、どんな展開になっても上位争いに絡んできそうという意味でこの馬をノーマークにはできません。
シベリウス
この馬は昨年の勝ち馬ですが、今年は枠の並びがどうなのかという印象が強いんですよね。
こちらも自在性があって控える競馬でも力を出し切れるタイプではありますけど、このメンバー相手に外々を回って全馬をねじ伏せられるのかと考えた時に、ちょっとそこまでのイメージは正直湧いてきませんでした。
ホプキンス
この馬は番手からでも競馬はできそうですけど、おそらく逃げたほうが力を出せることには違いなさそうですので、結局はドンフランキーとの兼ね合い次第ということになってきます。
ただ、ハナに行き切れた昨年でも、ゴール前はパッタリと止まっていましたので、仮にドンフランキーが出遅れでもして楽にハナを切れる展開になったりしない限り、勝ち負けに加わるところまではやや厳しい気がしています。
2024_ドバイターフ
ダノンベルーガ
今回はブリンカー着用でレースに臨むということで、それがどちらに転ぶかというところはありますが、少なくとも昨年のこのレースを振り返る限り、今年も勝ち負けに加わるチャンスが大きいと言えるでしょう。
今回は、モレイラJがこの馬のクセを掴んだ状況で乗れる点も非常に大きくて、国内のGⅠではライバルたちの高い壁に跳ね返され続けていますが、舞台がメイダンの千八に替われば、この馬が日本馬最先着というシーンも大いに想像できます。
ドウデュース
この馬も、当然勝ち負け候補の一頭ということになるでしょう。
ただしここ最近のレースを振り返ってみると、コーナー4つのレースでうまく脚を溜めて機動力を生かせている印象もあって、ワンターンの千八で手応え良く一気に脚を使ってしまうと、ゴール前で最後の持続が効かず前の馬と同じ脚色になってしまうシーンが想像できなくもありません。
まあそれでも、シンプルに上位争いには絡んでくるのでしょうから、馬券を買う方は、この馬の置きどころをしっかり精査すべきではないでしょうか。
マテンロウスカイ
この馬は、他馬の出方次第ではハナに行ってもいい、いや、是非とも積極的なレースをしてほしいと願ってやみません。
このメンバーに入っての瞬発力比べになると、どうしても切れ味の部分で見劣りしそうですから、前半でしっかりと貯金をつくっておいて溜め込んだアドバンテージを少しずつ吐き出して行くようなレースができるなら、あっと驚く好走が見られるかもしれません。メイダンの馬場に対する適性も、結構高そうな印象がありますし。
それから余談ではありますが、鞍上の横山典弘Jにとってここドバイは因縁の地。ホクトベガでの悪夢を振り払い、少しでも当時の呪縛から解き放たれるような思い切ったレースを期待したいな、と。
当時とは競馬場が違いますけど、もしもここで勝ち負けを演じることができるようだと、彼のジョッキー人生の中での大きな憑き物が、ようやく落ちることになるのでしょう。その意味でも、日本競馬では絶対やらない感情移入をして、今回はこの馬を全力で応援しようと思っています。
27年前のリベンジを果たす時が、今、ようやく訪れたのですから。
ナミュール
この馬も、うまく噛み合えば走破圏内に入ってくる可能性は十分にあると思っています。
ただし、このレース条件での切れ味の質ではダノンベルーガに見劣りそうですし、機動力ではマテンロウスカイに見劣る印象も。加えて、前走香港マイルのレースぶりを振り返ってみると、対ヴォイッジバブルでやや劣勢に見える点がはたしてどうなのか、と。
ヴォイッジバブル
外国馬の中で、もっとも怖い存在になるのはおそらくこの馬でしょう。
2,000mでは香港のトップホースであるロマンチックウォリアーと双璧をなす存在にまで上り詰め、マイルでは名マイラーの地位を動かぬものとしているゴールデンシックスティに詰め寄る脚を見せているくらいですから、このメンバーに入っても上位争いに絡んでくる公算が高いのではないか、と。
さらに加えて、スタート上手で枠も絶好。少なくとも、日本勢にとっての強力なライバルとなることは間違いないのではないでしょうか。
ロードノース
この馬は言わずと知れたコース巧者ですから、今年も上位争いの一角に絡んでくることはほぼ間違いないのではないか、と。
ただし、昨年のこのレースにおけるダノンベルーガとの差を振り返ってみると、今年は逆転を許す公算が高いと考えられますので、このレースの馬券を買う方は、この馬の置きどころをよく精査すべき。そう考えています。
メジャードタイム
この馬に関しては、前走のジュベルハッタ勝ちをどこまで評価するかに尽きるでしょう。
当時4着でレース内容は互角に近かったスピリットダンサーが、次走でネオムターフカップ勝ち。その際のキラーアビリティとの差を考えた時に、はたしでジュベルハッタのレースレベルがどうだったのか……とはなります。
仮にこのレースにキラーアビリティを連れてきたとしても、日本馬最上位になり得ないことは言うに及ばずですので、その比較からすると、この馬に地の利を最大限に生かされない限り、極端に恐れるべき存在とまでは言えないのかな、と。
ルクセンブルク
実績的には欧州馬NO.1と言っていいこの馬ですが、前走のレースぶりがあまりにもの足りないのがやはり気にはなります。
確かに前に馬を置くことができずに脚が溜まらなかったというのはありましたけど、メジャードタイムと同様のくだりで相手関係を考えた時に、ここで即巻き返しとなるかはなんともだな、と。
ナシュワ
この馬はルクセンブルクと遜色のない力の持ち主で、切れる脚を使える分、ルクセンブルクに先着する可能性はまあまあ高いのかな、と。
ただし、それで馬券圏内に突入するかと言えばまた話は別ですので、「掲示板に載ったら好走の部類」という評価以上にはなりませんね。
2024_ドバイシーマクラシック
スターズオンアース
左回りの2,410mというレース条件を踏まえると、この馬の最大限の期待をしてみたくなります。
昨年のジャパンカップは、順調さを欠いていた中での外枠と決して楽な条件ではなかったわけですが、それでもリバティアイランドと差がなかった点を高く評価すべきでしょう。枠の並び的にも、リバティアイランドの内を引けたのは大きい気がしますので。
ちなみに当研究所的には、この馬がハナを切る展開も想像はしていて、好スタートを切って自然とその形に持ち込めるようなら、この馬が勝つ確率はグンと上昇するのではないか、と。
ジャスティンパレス
この馬は、左回りのほうがコーナーリングがスムーズな印象があって、メイダンの2,410mというレース条件はピッタリなのではないでしょうか。
加えてここはモレイラJの騎乗、さらに幸運にもロスなく運べる内枠を引けましたから、大崩れする要素がほとんどないと言っていいのかな、と。
好走の期待値はスターズオンアースとほぼ同等と言ってもよく、こちらも高い確率で勝ち負けに絡んでくるのではないかと見ているところです。
リバティアイランド
おそらくここは、この馬が一番人気になるんでしょうかね。
当然、この馬に対する期待も非常に大きいのですけれど、今回は枠の並びがどうなのかというところがあって、川田Jの立ち回り次第では圏外に去る可能性まで考えておいたほうがいいイメージはあるのですよね。
もちろん、位置取りにこだわらず折り合い重視の騎乗をすれば上位争いは必至なのでしょうが、鞍上がリスクを取ってでも勝ちにこだわるレースをするようだと、ちょっとばかり危ない匂いがしないでもありません。
今の川田Jなら、その心配が杞憂に終わるのかもしれないですけど、昨年のブリーダーズカップクラシックのように外から強気に追い上げる形のレースになってしまったら、やっぱり最後に厳しくなりそうだな、と。
シャフリヤール
この馬は、ノドの手術を経て完全に本調子を取り戻した印象。
今のこの馬がガチンコ勝負を仕掛けたら苦しくなりそうですけど、インでうかく脚を溜められそうな好枠を引けましたので、なんだかんだ上位争いの一角には喰い込んでくるのかな、と。
そうそう、このレースに関して言えば、当研究所的には日本馬が上位4着までを独占する可能性まで視野に入れているんですよ。
オーギュストロダン
う~ん、どうなんでしょうね、この馬は。
こちらの見立てでは、「昨年のブリーダーズカップターフの内容が、シャフリヤールとほぼ同等くらい」という評価になりますので、日本勢の一角を崩したら大好走。それくらいの力関係であると見積もっているのですけれど、さて結果はいかに。
レベルスロマンス
この馬には先行策というとっておきの武器がありますので、大敗のリスクはありつつも、外国馬ではオーギュストロダンよりはこちらに一発の魅力を感じるのは確かですね。
ただ、楽逃げの前走がゼッフィーロの追撃を退けただけという内容で、日本勢のレベルが一段か二段上がるここで、はたして互角以上に戦えるのかというところはありそうですが、、、
ジュンコ
ゼッフィーロとの比較から言うと、こちらもレベルスロマンスと同じくらいの走りをしてくる可能性はあるのでしょう。
ただし、最後の決め手比べになれば明らかに日本勢のほうが優勢に見えますので、レベルスロマンスが持ち合わせている一発の魅力には欠ける。そんな言い方もできそうです。
エミリーアップジョン
この馬は、昨年のコロネーションカップでウエストオーバーを負かしていますので、実力的に侮れない一頭であることは間違いありません。
ただし今回は、長期の休養明けで鞍上も弱化。ぶっちゃけ、外形的にはこのレースを本気で狙ってきている印象がまったくありませんので、その程度の状態で通用する相手ではないと考えるのが自然ではあるのでしょうね。
2024_ドバイワールドカップ
デルマソトガケ
前走は先行馬の多い組合せで、不利な外枠が余計に堪えた印象がありましたし、輸送中に起こったアクシデントの影響も皆無ではなかったでしょう。
そんな中での5着は大いに評価に値するわけですが、今回は舞台が得意のメイダンに替わること、距離延長が間違いなく味方になること、先行馬が少なくこの馬向きの展開になりそうなこと、枠の並びが前走よりも圧倒的に良いこと、中間の調整が順調に来ていること、などなど、言い出したらキリがないくらいこの馬に追い風が吹いているんですよね。
ならば、日本馬最先着の期待はこの馬ということでいいのではないか、と。
ウシュバテソーロ
前走のサウジカップを振り返ってみてもわかるとおり、こちらは脚を溜める競馬をすればダート現役最強に近い位置にいることは間違いありません。
舞台がメイダンに替わることと距離が1ハロン伸びることはこの馬にとってプラス材料ですので、あとはどこまでペースが流れるのか……ですね。
いくら爆発的な末脚を持つこの馬といえども、スローになってのヨーイドンではさすがに厳しいでしょうから。
ドゥラエレーデ
この馬は昨年のUAEダービーで2着に粘った実績がありますので、対デルマソトガケでは明らかに劣勢であるものの、他の有力馬とは互角以上に戦える可能性を秘めているとは言えそうです。
ただし、前に行って粘るだけというスタイルは相変わらずですから、展開利を得て上位争いに持ち込むシーンは想像できても、この馬が突き抜けて勝ち切るシーンまではちょっと想像しづらいな、と。
ウィルソンテソーロ
この馬にとってここは、やや適性外の印象もある舞台になりますので、思い切ってハナに行ってしまうとか、控えて終いを生かすレースに徹するとか、極端な戦法に好走の糸口を見い出したいところ。
ぶっちゃけ、この馬に対する期待度はさほど高くありませんが、鞍上の原Jには、悔いのない思い切った騎乗を見せてほしいなと思っています。メイダンの砂質がこの馬に合っていそうなところが、うまく生かされる競馬になるといいですね。
カビールカーン
この馬はレースセンスが良くて、おそらく展開面での恩恵を得られそうなんですよね。
あとはスタートを五分に出られるかと、前走の相手関係がどうだったのかですが、レースぶりにはまだまだ余裕があったようにも感じられましたので、好位からスッと動いて行くようなレースができると、上位争いに絡んできそうな雰囲気を感じさせてくれる馬ではあります。
セニョールバスカドール
この馬に関しては、おそらくウシュバテソーロと勝ったり負けたりの力関係と考えるのが妥当で、ここも有力馬の一頭という見方でいいのではないでしょうか。
ただし前走のサウジカップと違うのは、後ろから行く馬に展開が向きそうな雰囲気があまり感じられないこと。
その意味で言うと、ウシュバテソーロと同じ課題を抱えた中でレースを迎えることになりそうですし、距離延長という部分を考慮に入れるならば、今回は対ウシュバテソーロでやや劣勢という評価になってしまいそうです。
ニューゲート
どうなんでしょう、当研究所的にはこの馬に強いというイメージがあまりないのですけれど、、、
まあ、このレースと相性の良いアメリカ馬で完全無視は危険なのかもしれませんが、正直、デルマソトガケがこの馬にコロッとやられる絵面は浮かんできませんでした。