第29回 武蔵野ステークス/第59回 デイリー杯2歳ステークスのみどころ
土曜東京11R 武蔵野ステークス
今年のこのレースは、GⅠに手が届きそうな3歳馬の参戦がない影響が大きく、例年よりもメンバーレベルが明らかに低調なんですよね。
よって、リステッドやオープン特別が主戦場となっている馬たちにも、馬券圏内突入のチャンスは十分。率直にそんな印象でしょうか。
また、人気が予想されるエンペラーワケアにとっては、「1ハロンの距離延長を問題なくこなしてこられるのか」という明確な課題があります。
近走のレースぶりからまったくダメということはなさそうですけど、かと言ってプラス材料になるはずもなく、他の馬との比較でこの馬をどの程度評価するかがこのレースにおける成否を決める。そうも言えそうなんですよね。
ということで、過去を振り返ると当研究所的にはかなり相性のいいレースなのですが、正直今年は自信満々に……とはなりそうにありません。
中心には、⑫タマモロックを推します。
この馬に関しては、実績面で見劣ることを承知の上で、コース相性の良さと現状の充実度を評価した格好となります。
ムーアJとは手が合いそうですし、枠の並びも上々ですので、上位争いに絡んでくる可能性が高いという意味での信頼性はそれなりに高いのかな、と。
2番手は、⑪ショウナンライシン。
この馬の前走は、「東京のマイルで馬群を割って伸びる」という気性難のある馬らしからぬ見事なレースを見せたわけですが、気性面の成長なしにはできない芸当であったことを踏まえると、その再現性は決して低くはないのかな、と。
タマモロックを中心視するのなら、この馬の上位に……というのも合理的な考え方ではありますので。
3番手は、⑩エンペラーワケア。
この馬に関しては、レース条件がベストではないにしても、この相手関係なら無様なレースにはならないのではないかと考えています。
加えて枠の並びもいいですし、相手関係も楽な印象ですので、評価を下げるにしてもここまで。そう判断しました。
4番手は、⑧サヴァ。
ここで何かを起こすとしたら、きっとこの馬になるのかな、と。
とにかくムラな印象ですし、ポテンシャル面でも足りるかどうか微妙な位置にいるのは間違いありませんが、東京のマイルはいかにも合っていますので、最後のひと枠でこの馬の一発を狙ってみようと思います。
その他では、ビヨンドザファザー、ペイシャエス、カズペトシーンあたりに好走のチャンスがありそうで、この3頭には馬券圏内の目が十分にあるだろうと評価しつつ、順番的にどうしても拾いきれなかった。そんな判断となりました。
土曜京都11R デイリー杯2歳ステークス
今年のメンバーを見渡してみると、パッと見の印象として「本当にGⅠ級に育つ馬はいるのか」という評価にならざるを得ません。
ただし、ジャンタルマンタルが勝った昨年もそれほどのメンバー構成には見えませんでしたから、レース前から低レベル戦と決めつけるのは正しくありませんが、どちらかというとオールパルフェが勝った一昨年のレベルに近いレースとなる公算が高い。そうは言える気がします。
また、前走を控える競馬で勝ち上がってきた馬が多く、ドスローになりそうな点がなんとも気がかりではあり、、、
逃げが想定されるエイヨーアメジストのレースメイク次第ではありますが、人気馬の何頭かは折り合いを欠いて自滅しそうなイメージも湧いてきますので、ひとまず前走のタイムは横に置いて、とにもかくにも道中をスムーズに運べそうな馬を探すところから始めないといけない。今年は、そんな組合せなのではないでしょうか。
ということで、中心には①ダイシンラーを推します。
この馬、前走でダノンミッションを負かしたというくらいしか強調材料はないのですが、この相手関係なら、推す根拠が一点のみでも足りてしまうのではないか、と。
前に馬を置く形で脚が溜まれば、終いは確実にひと脚使ってきそうですし。
2番手は、⑤ランフォーヴァウ。
う~ん、人気先行タイプの予感もあるこの馬ですが、この相手関係ならという感じもありますからね。
強く推したい馬ではありませんが、消去法でこの位置には置いておくべき。そう判断しました。
3番手は、③ローレルオーブ。
この馬に関しては、どんなペースになろうとも自分の力を出し切れそうだという意味で、比較上位としました。
特に強いという印象はありませんが、ひとまず力を出し切ることがここでの強力なアドバンテージになるのだろう、と。
4番手は、⑥ドラゴンブースト。
この馬には、展開利が見込めますからね。
ただ、前に馬を置かずに折り合えるかは未知数なところもあって、やむを得ず玉虫色の評価となってしまいました。
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