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第69回 京成杯AH/第38回 セントウルSのみどころ


中山11R 京成杯オータムハンデキャップ


明日の中山は、競馬開催時間中ににわか雨が降る予報が出ていますが、開幕週の馬場ということもあり、仮にスコールが短時間集中的に降ったとしても、一気の馬場悪化まではない。そう考えてほぼ大丈夫でしょう。

メンバーを見渡すと、古馬勢はいかにもGⅢのハンデ戦らしい顔ぶれが揃いましたので、その中での力関係を正確に見抜くことがまずもって大事になるわけですが、このレース最大のポイントは、やはり3歳馬と古馬の能力比較というところになるのかな、と。


あとは、開幕週に行われるレースだけに、例年どおり展開面が結果に直結する重要なファクターとなることは間違いありませんので、そこをどう読むかですね。

逃げ候補は、内からエエヤン、オーキッドロマンス、セルバーグの3頭。
ただし、エエヤンとセルバーグは鞍上が今回初騎乗となりますので、競り合っての超ハイペースになるかはなんとも言えず、当研究所なりの解釈としては、各馬が牽制しあって意外にペースが上がらず、場合によっては平均からややスローまであるのではないか。そう考えているところです。


中心には、素直に⑩アスコリピチェーノを推します。

まず今年の3歳マイル路線を振り返ってみると、NHKマイルカップのレース内容に着目するだけでも、現4歳世代とはレベルが一段違う感じを受けたのですよね。
仮にその解釈が正しいのだとすれば、ここは3歳世代の各馬でも力は十分に通用するということになりますので、その大将格であるこの馬を中心視するという判断に至ったのは、極めて自然な流れなのだろうと思います。
そうすると、あとは状態面とコース適性がどうかということになりますが、追い切りの映像からそれなりの仕上がりにあることは見て取れましたし、中山コースに関しても、ベストかどうかはともかく普通にこなしてはきそうですので、これらの点を過度に不安視する必要もないのかな、と。


2番手は、④ディオ

この馬は、春のダービー卿CTで大きく崩れていますが、その敗因がコース適性にあるわけではないことを踏まえると、ここは実力どおりの評価をしていいと考えます。
また、キャラクター的に好位のインで我慢して最後にひと脚使えるタイプの馬であることを考えると、ここは絶好枠を引けたとも言えますので、抜けて強いという印象はなくとも、今回も確実に上位争いに喰い込んでくるのではないか。そんなイメージを持っています。


3番手は、②ディスペランツァ

この馬は、やはり序盤の位置取りがカギにはなってきますが、石川Jに乗り替わる今回は、意識して中団のインを取りにくるとは思うのですよね。
また、中山コースに関しても、ホープフルS当時の走りからむしろ合っている印象さえありましたので、今回も差して届かずになる覚悟を持った上で、この位置には置いておきたいな、と。


4番手は、⑥エエヤン

この馬は、そもそもスイートスポットが非常に狭い馬ですし、田辺Jのテン乗りというのも歓迎材料にはなりませんから、ここで強く狙うという判断にはなりませんでした。
ただ、中山のマイルがベストであり、開幕週の馬場を最も味方につけられる立ち位置にいることもまた確かではありますので、後続の仕掛けが遅れて差しが届かなかった時に残るのはこの馬。そんな評価で、最後に拾っておくことにします。


その他、キャットファイトは、間違いなく時計勝負の中山のマイル戦がベストではあるのですけれど、素材面でここに入って互角に戦えるのかと考えた時に、軽ハンデの分を考慮に入れたとしても、やや足りないのかなという結論に至りました。

サンライズロナウドは、最内強襲という割り切ったレースをしてきそうで怖さはありますが、脚の使いどころが難しいのは相変わらずで、人気と好走確率を天秤にかけた時に、進んでこの馬を推したいという気持ちにはならなかったですね。

セルバーグは、単騎逃げに持ち込んだら勝ち負けまでありそうな予感がしますが、スタート上手なオーキッドロマンスのすぐ外の枠という並びが、はたしてどうなのかですよね。
鞍上も徹底先行型で結果を出すタイプのジョッキーではありませんから、この馬にとって楽な展開となる絵面をちょっと想像しづらいな、と。


中京11R セントウルステークス


土曜日の中京8レースは、勝ち時計が1:08.3で馬場の内目を通してきた馬が馬券圏内を独占。さすがにインベタオンリーという感じはないものの、少なくとも「外差しが極端に有利なトラックバイアスにはなっていない」と考えるのが自然な理解と言えるでしょう。

そうすると、ここは前の並びを熟慮しつつ、シンプルにレースシミュレーションを組めばいいということになりますので、馬場状態に関してあまり神経質になる必要はないのかな、と。どちらかと言えば、内外フラットくらいの感じでとらえておくのがいいのかもしれません。


各馬の能力比較に関しては、現状、GⅠを含め古馬スプリント路線のレースレベルが低調であることを踏まえると、勢いのある3歳馬にも当然ながらチャンスはありそうですし、格の面では劣るとみられる馬たちにも、道中の立ち回り次第でチャンスが訪れるようなレースになる公算が高い。そんな見方ができるのかな、と。
ただし、直近のスプリント重賞やリステッドでは、サトノレーヴ一頭を除き全体的に低調なレースが続いていましたので、「昨年からの実績馬も大したことはないけれど、上がり馬もそれほどのレベルにはない」という見方が成立することにも、一定の注意が必要ではないかと思っています。

そうすると、あとは展開ですね。
テンのスピードに勝るピューロマジックがハナに行くと考えられる中、グレイトゲイナー、テイエムスパーダ、アサカラキングあたりが積極的に前を追う形となれば、前半のペースは自然と上がるはず。
だとすれば、前半3ハロンが32秒台に突入する可能性は十分で、そうなると馬群が縦長になって、ハイペースなのにあまり後ろから行き過ぎても届かない。そんな一種独特のレースになる可能性も、一定程度は想定しておくべきなのかな、と。


ということで、中心には⑱ママコチャを推します。

この馬が持てる力を出し切ったのは、昨年の安土城Sが最後であり、スプリンターズS勝ちを含む前4走に関しては、フルパワーを出し切れなかった中での成績と当研究所では受け止めています。
そんな中ここは、大外枠を引いてスタートは五分に出そうですし、前の馬群がバラけて好位をスムーズに追走できるとみるならば、久々に自らが理想とする形でレースを運べる可能性が高いのかな、と。
仮にそうだとすると、本調子にはひと息という陣営やメディアのふれこみに一応は耳を貸すとしても、パドックでパニックに陥るくらいひどくイレ込んでなければ、なんだかんだ最後はしっかりと格好をつけてくるはず。そう判断しました。


2番手は、⑰トウシンマカオ

この馬は、左回りだとやや割引が必要なタイプではありますが、千二の距離では大崩れしているわけじゃありませんので、これくらいの相手関係なら、なんだかんだ終いはしっかりと脚を使ってきそうな気がしています。
枠順に関しても、極端な外枠が決して歓迎とは言えませんが、道中で馬群がバラければ外を回されるロスも気にするほどではなくなるはずですから、ここはこの馬の力を素直に評価し、この位置に置くこととしました。


3番手は、⑧キミワクイーン

この馬は、地味ながら道中で脚が溜まった時は確実に末を伸ばしてくる馬。
その点、ここは非常にいい枠を引けた印象がありますし、斤量が軽くなって若干でも仕掛けての反応が良くなることを想定するのであれば、勝つまではどうかですが、ゴール前で馬券圏内に突入してくるシーンがあってもいいのかな、と。


4番手は、⑫テンハッピーローズ

この馬は典型的な夏馬ですので、今の時季のレースが合っていると断言してもいいでしょう。
あとは、距離と展開。千四がベストのこの馬にとって、正直、千二はさすがに忙しい印象があるのですよね。
よって、こちらも突き抜けるところまではどうかと思いますけど、前走の成績を無視しても力関係で見劣る印象はまったくありませんので、終いはしっかりと脚を使って上位争いには絡んでくる公算が高い。そう判断しました。


その他、前に行く組をケアするならピューロマジックになると思うのですが、最後の直線が短い平坦コースがベストであるのは間違いなく、舞台が中京に替わり相手がグンと強くなっていることを考えると、ラスト50mで我慢が利かなくなってしまう可能性が高い。そう判断し、次点扱いとしました。

モズメイメイの近2走は、それなりに評価に値する走りをしていますが、北九州記念が完ぺきに立ち回ってギリギリの3着でしたので、ここに入るとさすがに素材面で見劣る気がしています。

ヨシノイースターは、一応中京でも好走実績があるのですけれど、当研究所の目には、あまり得意なコースのように映らないのですよね。

サウザンサニーは、中京コースにも適性があって近走の充実ぶりを侮ることはできませんが、前走は死んだフリ作戦が見事にハマっただけという印象もありましたから、ここは恵まれても掲示板止まりと割り切ることにします。


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