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第52回 高松宮記念のみどころ

明日は、中京競馬場でGⅠ高松宮記念が行われます。

ただでさえ、抜けた馬がいない大混戦となっている中、明日の午後は、大雨から乾きかけの馬場。土曜日の時点では、極端に外差し有利な傾向にはなっていませんでしたが、明日の15時40分にはたしてどんな馬場傾向を示しているのか。その点を抜きには、予想もへったくれもない、カオスな状況となってしまいました。

とはいえ、前日に記事を出さなければいけないという事実に変わりはありませんから、昨年ほど外差し有利な傾向にまではならない、という個人的感覚を拠りどころとして、今日はみどころ解説を進めていきたいと思います。

中京11R 高松宮記念


まずはじめに、各馬のポテンシャル比較から入っていくことにしましょう。

最初に取り上げるのは、昨年の秋に中京で行われたセントウルステークスと、中山で行われたスプリンターズステークス。この2つのレースの上位1,2着は、コース形態が大きく異なるにもかかわらず、順番が入れ替わっただけでまったく同じ組み合わせだったわけですから、今のスプリント界では、ピクシーナイトとレシステンシアが頭一つ抜けていると考えるのが自然なのではないでしょうか。

よって、無事、このレースへの出走にこぎつけたレシステンシアを基軸として、この馬と差のないレースをした実績のある馬が、まずは上位候補となりうる。そんなシンプルな理解でいいのだと思います。


そうすると、実績的にレシステンシアに食い下がれるくらいのポテンシャルと持つ馬は、内から順に、セントウルステークス4着の⑧ジャンダルム、同3着の⑪クリノガウディー、昨年のこのレース4着の⑬トゥラヴェスーラ、スプリンターズステークス4着の⑰メイケイエール、の4頭ということになりますね。

ただこの4頭に関しては、レシステンシアとの力差を測りやすい反面、簡単に逆転してくるイメージを持ちづらいのも事実ですから、このレースでレシステンシアを中心視する競馬ファンにとっての有力な相手候補。そんな位置づけにとどまるような気がしています。

また、ここで名前を挙げた伏兵4頭の現状の力を考えれば、これまでスプリント路線を着々と歩んできた他の馬の中にも、これら4頭と互角の勝負をしてもいい馬が五指に余る現状ですから、少し乱暴に言ってしまえば、道中の立ち回り次第で、伏兵陣の着順はゴロンと入れ替わる可能性が非常に高い。そんな言い方をするしかなさそうですね、このレースは。


今度は、別路線組から参戦してきた各馬について、何頭かピックアップして考察してみたいと思います。

①サリオスは、3歳時の実績からレースを使えば常に人気する位置にいるわけですが、昨年は香港マイルの3着が最高成績と、実際は目立った成績を挙げられていません。今回新たにスプリント戦を使ってくるということで、これまでとは違う一面を期待する向きもありますが、はたしてその期待にどこまでの根拠があるのか、正直、疑問がないとは言えないですね。

⑨ロータスランドは、今回が初めてのスプリント戦になりますが、テンのスピードはあるタイプなので、レースの流れに乗れないという不安は少なそうです。ただし、この馬は重賞2勝馬ながら、その2勝がともに番手を楽に追走して抜け出すというやや生ぬるいレースを勝ち抜いてのものですから、ピリッとした流れを追いかけて行って、そこからもうひと脚使えるかどうかは、当然、課題となってくるでしょう。

⑭ダイアトニックは、ここしばらく回り道をした感もありましたが、この2走の走りを見る限り、完全に本調子を取り戻したと考えていいように思います。しかもこの馬は、なんと言っても一昨年のこのレースの3着馬。ゴール直前の不利がなければ、おそらくこの馬が勝っていたのでは、というレースをできていたわけですから、それを考えれば、ここでも十分に通用していいという計算が十分になり立つでしょう。あとは立ち回り重視のこの馬にこの外枠がどうか、そこが明確な課題になってくるのではないでしょうか。

⑱グレナディアガーズは、ここがスプリント戦初参戦。と言っても、デビュー以来一貫して「この馬はスプリンターだ!」と言い続けてきた私にとっては、上位馬との力関係を含めて、不安材料なんて一切ありません。ただし、この大外枠は……。この馬にとって最悪の枠なのは間違いありませんから、あとは福永Jがうまく馬の後ろに入れてリズム良く走らせることができるかどうか。そこに、この馬の命運がかかっているように思います。

※ 参考として、グレナディアガーズが、デビュー2戦目となったマイルの未勝利戦を4着と取りこぼした後に書いた記事を、ここに貼っておきます。


そして、最後に展開ですね。

う~ん、これもまた非常に読みづらい……。モズスーパーフレアとビアンフェという徹底先行型が不在のこのレース、スプリントGⅠにしては、あんまり速い流れにならない可能性もある。そんな気がするんですよね。

「できればハナに行きたい」というのは、⑪キルロードと⑮ファストフォースの2頭だと思うのですが、この2頭ともテンのダッシュ力は平凡ですし、やや外目の枠を引いたことをも考慮すると、ゲートから押して行ってもハナまで行き切れるのかどうか。ならば、この2頭に前を切られるのを嫌がって、⑦レシステンシアが強気にハナを主張して行くパターンもあるんじゃないの、って。

いずれにしても、このレースでの道中の並びは、間違いなく結果に直結しますから、相当慎重に検討しないといけないのだと思います。非常に読みづらいのは確かなんですけど、、、


さて、ここからは個人的な見解を。

ここは、素直に⑦レシステンシアを推すことにします。個人的にここは、横山武Jがハナを主張してくると考えていて、そうすると、好位で脚を無くしたキルロードやファストフォースの外を回される馬には、かなり厳しい展開になる。そんな読みもあります。

もちろん、スタート次第では控える競馬もできますから、このメンバーが相手なら、どんな流れになっても大崩れは考えづらい。ちょっと消極的ではありますけど、この馬を推す最大の根拠は、前に行く脚があって、自在に動けて、普通に強い、という部分になりますね。


2番手には、⑧ジャンダルムを推します。

この馬を推す最大の根拠は、昨年のセントウルSのレースぶり。はっきり出遅れてしまった中で、先行有利な流れを大外から長く脚を使って追い上げてきたレースぶりは、内容的に勝ったレシステンシアと大差がなかったんじゃないかと思うのですよね。

また出遅れ癖のあるこの馬ですが、荻野極Jの騎乗だとこれまで出遅れたことがありません。当然、その点も強調材料にはなりますから、好位に控えてひと脚使うという普段どおりの競馬ができれば、ここは好勝負に持ち込めていい。そんな気がしています。


3番手は、②ナランフレグで行きます。

この馬に関しては、あらかじめ作戦が決まっていることが、むしろプラスに作用すると思うのですよね。

脚質的に、ペースが落ち着いて差し届かずはもちろんあり得ますが、黙って直線勝負に賭けるレースをすれば、勝負どころでスペースを拾いやすくなります。ここは、色気を持たずに乗ることが結果的に吉と出る。そう決め打ちしようと思います。


そして最後4番手に、⑱グレナディアガーズを挙げておきます。

正直、この枠を見て消そうかどうか悩んだのですが、福永Jなら、枠なりに外々を回されるような無様なレースはしないでしょうから、最大限に厳しい枠ではあるものの、立ち回り次第ではまだチャンスも残っている。そんな評価となります。

もし、予想以上に外差しが有利な馬場状態になれば、この馬が一気に首位候補に浮上するパターンも十分。その点は、一応は頭の片隅に置いておきたいところではありますね。


その他、阪急杯組の上位2頭は、枠も含めて考えるとチョイ足りないと最終的に評価しました。もちろん、位置取りがハマれば勝つシーンまであると思っていますが、あれもこれもはさすがに拾い切れませんから、そこは割り切る以外にありません。

クリノガウディーは能力は足りていても、現状は本調子を欠いていますし、サリオスは最内枠をうまく捌けるイメージが湧かず。シャインガーネットに少し怖さは感じるものの、セントウルSが完敗だった分、ここで強くは狙えないですし、ロータスランドは惰性で流れ込むだけのレースになってしまいそうなので、これらの馬たちも消すことにします。


そして、最後に⑰メイケイエール、、、ですね。

前走で着けた「折り返し手綱」の効果はてきめんでしたから、もう以前のような暴走を危惧する必要はなくなったのではないかと考えます。

ただしここは、内枠から好スタートを切って、インのポケットで脚を溜められた前走と同じようなレースには絶対になりませんから、それで今回も好勝負に持ち込めるかとなると、正直、「う~ん、それはどうかな」と首をかしげたくはなりますよね。

単に外枠を引いたというだけではなく、枠の並びもかなり最悪に近いですから、これで勝ったらバケモノ。そう割り切って、この馬も今回は消すことにします。


いや~、このレースは本当に難しい……。

今年の高松宮記念は、かなりの運を引き寄せられないとおそらく的中はない。率直に言って、そんな気がします。

ただ、逆説的に言えば、運を引き寄せる人は必ず一定数いるわけですからね。明日は、そんな「運がいい」人に、皆さんがなってくれることを陰ながら祈っていようと思います。

こんな時代だからこそ、みんなが楽しめる素晴らしいレースが観られることを期待しましょう!

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