見出し画像

今日(8/23)の注目レース振り返り


昨日、今日の注目レースとして取り上げた札幌8R牝馬限定1勝クラスの芝2,000m戦。勝ち時計の2:00.4は、メインの札幌記念8着のトーラスジェミニと同タイム。ノームコアの勝ち時計と比べてもわずか1秒差ですから、概ね戦前の期待どおりのハイレベルなレースになったと言えるでしょう。

ただ、特に注目した2頭のうち、ラヴユーライヴの方は馬体も大きく成長して快勝。一方のサンテローズは、前半で制御を失ってしんがり負けとはっきり明暗が分かれる結果となりました。


先に振り返っておきたいのは、サンテローズの敗因について。

デビュー戦となった前走と明らかに様子が違っていたのは、パドックでのテンションでした。デビュー戦は、パドックを牛のようにのっそのっそと歩き、レースでもゲートをゆっくりと出て後方ポツンでしたが、今回はパドックで若干気負い気味でしたから、その時点で、初戦と同じレースにはならないだろうと想像はできました。ただ、そのテンションがいい方に転ぶのか悪い方に転ぶのかを、パドックの時点で判断するのは難しかったですね。

実際、2戦目に道中の行きっぷりが一変するケースは、本当によく見る光景なのですが、今日のサンテローズはちょっと引っ掛かるとかそういうレベルではなく、騎手の制御もむなしくただがむしゃらに暴走しようとしていました。鞍上の吉田隼Jも最後は追うのを止めていましたから、結局まったくレースになっていません。


ここから先は完全に想像の世界になってしまいますが、ここを勝つと中3週でローズS、中2週で紫苑Sというローテンションを組むことが可能になります。陣営も当然それは計算していたはずで、いわば秋華賞から逆算してこのレースを使ってきたのだろうと僕は考えています。

あくまでも結果論にはなりますが、サンテローズの身体は仕上がっていたけれど、精神状態はまだレースを使える状態になっていなかった。これが、今日の敗因と推測するのが妥当かと。ただ、これでもう焦る必要はなくなりましたし、サンテローズのポテンシャルの高さは疑いようがないわけですから、ゆっくりと立て直してもらって、いい状態でレースに復帰してもらえたらと願いたいところです。


次に、勝ったラヴユーライヴのレースぶりを振り返ってみましょう。

まずパドックに出てきた馬の姿は、馬体重+30kgでもまったく太くはなく、増加分すべてが身になった印象でした。気合乗りはよかったですが、イレ込んでいるわけでもなく、気配は絶好だったと思います。

レースでは、少頭数の内枠から好スタート。この段階で、勝つ確率がもっとも高い逃げの手を選択したのはわからないでもありません。ペースは最初の3ハロンこそスローに入ったものの、そこからじんわりと加速して淀みのないラップを刻んでいます。さすがにラスト1ハロン12秒台まで落ちましたが、ラスト2ハロン目まで4ハロン連続で11秒台のラップを踏んでいますから、この逃げ切りは本当に強い馬にしかできない芸当だと言っていいでしょう。

札幌記念とは道中のラップ構成に多少の違いはあるものの、オープン特別勝ちがあって重賞でも好走実績があるトーラスジェミニと同タイムで走破できたということは、もうこの時点で、ラヴユーライヴが秋華賞で勝ち負けに加わることができるだけのポテンシャルは示したと言えます。

あとは、ここで逃げてしまったことが、トライアルで引っ掛かる原因になりはしないかがもっとも気になるところ。もし抑える競馬で権利取りができるようなら、俄然、秋華賞本番が楽しみになりますね。


ちなみに2着のウインキートスも、勝ち馬には離されたものの内容の濃いレースぶりが印象に残りました。さすがにこちらは本番でどうこうとは言えませんが、もしトライアルに出走が叶うようなら、まったくノーチャンスとは言えない一頭になりそうな気もしています。もちろん自己条件への出走なら、牡馬が相手でも確勝級。そんな高い評価をしていいでしょう。

う~ん、もしラヴユーライヴが控える競馬で勝っていたら、もっと楽しみは大きくなったのですけれどね。ただ、秋華賞までは逃げる競馬を貫くという選択もありますから、過剰な期待まではどうかも、しばらく目が離せない存在となったことはだけは確かだと思います。

まあ、もしデアリングタクトにひと泡吹かせる可能性があるとすればサンテローズの方だと思っていましたから、ワクワク感急上昇とまではいかなかったものの、注目レースからニューヒロイン候補が出てきたことは素直に喜びたいものですね。

サポートは任意です。 この記事があなたのお役に立てた時だけでかまいませんので、サポートしてもらえたら励みになります!