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週末の障害戦回顧(5/15,16)


いや~、三津谷Jの快挙、泣けましたね~。

レースを観ていて本気で泣いたのって、ヴィクトワールピサが勝ったドバイワールドカップ以来かも……。にしても、ラストライドで、冷静かつ完璧な騎乗を見せた三津谷Jも素晴らしければ、それに応えたマーニもまた、絶賛されていいパフォーマンスを示したと思います。

思い返せば、三津谷Jが障害戦で初めてまともな競馬をしたのが、中京競馬場での未勝利戦。その時の相棒も、マーニだったんですね。当時は、道中、思うように抑えが利かず2着に敗れてしまったわけですが、あの時のレースぶりを思い返すと、いろんな思いがこみ上げてきて余計に泣けてきます。だって、その後、人馬がともに刺激し合って成長を遂げ、その先にあったのが、このラストライド重賞初制覇の快挙なんですから。

この記事を読んでくださった皆さんには、JRAのHPで昨年3月28日のレースの映像を、是非見返してもらいたいと思います。

ちょっと前置きが長くなってしまいましたけど、早速の、今週行われたレースを振り返っていくことにしましょう。

土曜 中京8R 京都ハイジャンプ


マーニが劇的な勝利を飾ったこのレース、ボナパルトの白浜Jが何が何でもハナは譲らないぞ、という姿勢でゲートを出して行ったため、他馬が控えて思いのほかペースが落ち着くことになりました。マーニの三津谷Jも、他馬が行くならインとポケットで、とあらかじめ決め打ちしていたかのような乗り方をしていましたね。


このレース最大のポイントは、1周目の向正面にあったと思います。外枠からうまく内に潜り込んだスマートアペックスが、マーニの内からポジションを上げにかかったところ、それに反応した三津谷Jがジワリとインを締めて、中村Jの思惑通りにさせなかったことが、勝負の大きなターニングポイントになったことは間違いありません。もしあそこで三津谷Jがインを開けていたら、この快挙達成はなかったんじゃないかとも思えるわけで……。

このレースでの三津谷Jの騎乗は、どこまでも緻密に組み立てられていて、それを思い通りに実行して見せたのですから、これはもう見事というほかありません。もちろん、2周目の3コーナー手前で内からハナを奪い切ったタイミングも実に絶妙でしたし、三津谷Jの完璧なアシストがあって、このマーニの重賞初制覇があったと言ってもいいでしょう。


2着のトラストは、番手から自分のレースはできていました。最後、スマートアペックスの追撃を凌ぎきったのはさすがで、やはり、スンナリと流れに乗れれば、そう簡単にはバテないぞ、というところは見せられたのかなと思います。

3着スマートアペックスは、パドックからイレ込み加減で、やはり本調子にはなかったように見えました。勝負どころでも、かなり鞍上の手が激しく動いていて、一瞬、これは惨敗するのかと思わせるシーンすらありましたから。それでも最後、地力で伸びてきたのは、立派と言えば立派なんですけど、さすがにこの後ひと息入れてあげないと、ちょっと馬がかわいそうな気がしないでもないな、と。

差し馬勢が不発に終わったのは、やはり前半のペースが落ち着いたことにあります。結局は、前に行った4頭の決着になりましたから、今回は、ケイブルグラムも含め、後ろからの組にはノーチャンスだったという評価でいいように思います。

なにはともあれ、三津谷Jには「感動のレースを見せてくれてありがとう!」という言葉以外、かける言葉が見つからないですね。

日曜 新潟4R 未勝利


ここは、超人気薄のジョーカーワイルドが、アッと言わせる走りで勝ち切りました。続く5Rよりも、2.5秒も遅い勝ちタイムになったことが、この馬に勝機をもたらしたことは確実ですが、やっぱり小野寺Jから上野Jへの乗り替わりは、破壊力抜群だったということでしょう。

2着のクリノニキータは、やはり入障3戦目でさらにレースぶりが良くなりましたね。この時計なら十分に走れる馬ですから、惜しい2着ではありましたけど、現状の力は出し切れていると思います。

3着ワーウルフは、この勝ち時計なら、さすがにこれくらいは走れます。今回は相手の凡走に助けられた印象が強いですし、連続3着で次走人気するようだと、やっぱりちょっと嫌だなと思うところはありますね。

4着クライムメジャーは、完全に新潟コースの罠にハマってしまいました。スローで溜め殺す形になっては、この馬の良さは生きませんし、ここ最近、無双状態の森一馬Jにしては、珍しくやらかしたなという感じはあります。この馬の場合、次走、どこの競馬場のレースを使ってくるかで、大きく評価を上げ下げする必要が出てきそうですね。

日曜 新潟5R 未勝利


ここは、期待したバイオレントブローが最後までしっかりと伸びて差し切り勝ち。やはり前走、直線で伸びあぐねたのは、ダートが合わなかったのかもしれません。力を出し切れば、これくらいの時計では走れますから、ひとまずここは、順当勝ちと評価しておこうと思います。

2着コトブキアゲートは、ちょっと仕掛けが早すぎたきらいもありましたけど、想像以上に内容の濃いレースをしてきました。この馬は、新潟が合う印象も強いですが、地力強化は確かなので、今回の好走をフロック視する理由はないと考えていいでしょう。

3着ヴァンクールシルクは、不器用さが相殺される新潟コースで一歩前進。4着ゲインスプレマシーは、馬場の影響があったかもしれないですけど、やはり能力的にこんなものなのかもしれません。6着オレンジオレンジは、黒岩J、もっとしっかりしてよ!、と言ったところでしょうか。

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