第44回 新潟2歳S/第19回 キーンランドCのみどころ
新潟11R 新潟2歳ステークス
明日の新潟は、すっきりしない天気となる予報が出ていますが、水はけが良いという競馬場の特性を考えると、極端な道悪馬場にはならないと考えていいように思います。
とは言え、馬場が荒れてきた最内だけはそれなりに影響がありそうですが、馬場の悪いところを避けて走りやすい外回りのレースでは、さほど神経質になる必要はないのかもしれません。
次に展開面についてですが、ハナに行くのは、前走でもスピードの違いで逃げたシンフォーエバーか、スプリント戦からの臨戦となるスリールミニョンのどちらか。そう考えるのが自然でしょう。
ただし、どちらがハナに行くにしてもそれほど速いペースになるとは考えづらいですから、基本は序盤をスローペースで入っての瞬発力になる公算が高いと考えていいのかな、と。
ということで、中心には⑥コートアリシアンを推します。
この馬の前走は、スタートで隣の馬に押され外に弾き出される不利があったわけですが、そこから馬群に取りつく際も折り合いを欠くことはなく、馬の後ろで上手に息を入れることができていたのはとても印象的でした。
そこから先はまさに見てのとおりで、2歳馬らしからぬ瞬発力を繰り出してライバルたちを圧倒してしまったわけですけど、いかに相手関係に恵まれた部分があったにせよ、あの勝ちっぷりは本物とみていいように思います。
まあ、スタートは今回も遅れるかもしれませんが、さすがに前走ほどの大きなロスにはならないでしょうから、2戦目でスイッチが入って折り合いを欠いたりしなければ、大きく崩れることはないのかな、と。
2番手は、④シンフォーエバー。
この馬の前走は、スピードだけで押し切ったというレース内容ではなく、追ってからの瞬発力にも見どころがあったのは大きな収穫だったと思います。
ただし、暴走気味となってしまった最終追い切りは懸念材料と言え、一度使ってエキサイトしていないかについては、パドックでよく注視しておかないといけません。
それでも、仮に前走と同じようなテンションでレースに向かえるようであれば、たとえ2番手からのレースになっても、ほぼほぼ自分の力は出し切れるのかな、と。
3番手は、⑦トータルクラリティ。
この馬の前走は、外を回して加速ラップで突き抜けてしまいましたので、シンプルに走破時計以上の評価は必要になってくるでしょう。
また、当時のレースぶりから、新潟の外回りに高い適性がありそうなことを見て取れましたから、やや比較が難しいところはありますが、ここに入っても互角以上にやれる公算が高いのではないかと考えます。
4番手は、⑩プロクレイア。
この馬は、勝ちっぷりの印象こそ地味ながら、レース内容はかなり大人びていましたので、こういうタイプの馬は、相手が強くなったらなったでそれ相応の走りを見せてくると思うのですよね。
素材面だけでいえば、決して上位とは思いませんけど、現状における完成度を加味するのであれば、最後のひと枠にはこの馬が最適と判断しました。
その他、マジカルフェアリーの前走は、加速ラップでの差し切り勝ちとみどころ十分だったわけですが、相手関係的にどうだったのかという疑問について、最後まで拭い去ることができませんでした。当時の2着馬は土曜日の中京で勝ち上がりましたけど、やはりそのレース内容にはもの足りなさが残りましたので。
スターウェーブは、スプリンター寄りの体型、フットワークをしていますので、距離延長で狙いたいとはまったく思わなかったですね。
キャリアの浅い2歳馬だけに、もちろん絶対はありませんけど。
ジョリーレーヌは、この先の成長が見込める素質馬であると考えていますので、今回、走られても特に驚くことはありません。
ただ、前走での道中の行きっぷりを見ていると、内枠で位置を取れずに苦しい競馬になる公算のほうが高いと今回は判断しました。
札幌11R キーンランドカップ
現状の札幌芝コースは、基本、前目内目が有利なコンディションとなっていて、ペースが極端に流れた場合のみ、外から差し馬が1,2頭突っ込んでくるというのがひとつのパターンとなっています。
こうした傾向をこのレースに当てはめてみると、シナモンスティックの逃げでハイペースになるとはおよそ考えづらいわけですから、外を回す差し馬には厳しい展開になる可能性が高いとみるのが自然でしょう。
そしてその展開面ですが、シンプルに考えればシナモンスティックの逃げを、エトヴプレ、サトノレーヴ、ビッグシーザーあたりがどこまでつついて行くのかという形になって、スプリント戦にしては落ち着いた流れになる公算が高いと見ます。
さらにあまりにペースが落ち着くようだと、内枠の差し馬が進路を確保できずにドン詰まりとなるリスクも十分にありますので、今年のレースに関しては、地力以上に道中のポジショニングが勝負を分けることになるのではないか。そんなふうに考えています。
ということで、中心には⑩サトノレーヴを推します。
この馬の前走は、苦しい位置から内をこじ開けて勝ち切りましたが、本来は前がクリアな状態から脚を使い切るレースが合っているタイプで、その点でいうと、ここは枠の並びに恵まれた印象が強いのですよね。
ただ、前半を弱気に入って外々を回らされる形だけはなんとしても避けねばなりませんので、番手外の位置を取り切ってしまえば理想ですが、仮にそうならなくとも、前半から積極的に入っていく必要はあるのでしょう。
その点、レーンJなら少なくとも日和ったレースにはならないでしょうから、ここはこの馬の好位抜け出しに賭けてみたいな、と。
2番手は、④モリノドリーム。
この馬は、函館、札幌の芝で5戦5勝。前走も走破時計こそ平凡なものの、レース内容的には着差以上の強さを感じさせるものでしたので、この枠の並びでルメールJの騎乗となれば、これ以上は評価を落とせないのではないかと考えます。
あとは、シナモンスティックの直後の位置をプルパレイと奪い合う形になった時に、リズムを崩さず脚を溜められるかが問題となりますが、そこは鞍上が鞍上ですので、うまく捌いてくれることを期待したいと思います。
3番手は、⑧ゾンニッヒ。
この馬は、外枠を引いてしまうケースが多くなかなかレースで力を出し切れないシーンが目立っていましたし、常識的な枠を引けた前走でも、勝つには勝ったものの極端なレースになって全ポテンシャルを発揮したとは言い難い立ち回りになっていたのですよね。
その点、ようやくまともな枠を引けた今回は、馬群の中で脚を溜めて直線だけ外に出す競馬ができる可能性が高まりましたので、ぶっちゃけ特に川田Jと手が合うという感じがない中でも、この馬史上最高のパフォーマンスを見せられるだけの前提条件は整ったのかな、と。
4番手は、⑯セッション。
当研究所的には、今のこの馬にはスプリント戦がベストであると考えており、ブリンカーを着用してきた今回、大外枠からハナを切るくらいの勢いでゲートからガシガシと出して行けば、結構面白いレースになるのではないかと考えているのですよね。
もちろん、中途半端なレースになってしんがり負けを喫するリスクもはらんでいるわけですけど、どうせ人気にならないのなら、ピンかパーかのレースになりそうなことはむしろ歓迎と言えるでしょう。
京都金杯でこの馬が刻んだラップを振り返ってみれば、しらかばSでシナモンスティックが刻んだラップ構成よりも明らかに優秀なわけですから、最後のひと枠を使った一発特大ホームラン狙いも、あながち無理筋ではないと考えているところです。
その他、ナムラクレアに関しては、何度レースシミュレーションを繰り返してみても、「インでドン詰まり」というビジョンしか浮かんでこなかったので、地力ナンバーワンであることは重々承知の上、割り切って消すことにしました。
なお、仮に運よく直線で前が開いたとしても、サトノレーヴが自分のレースをやり切ったら簡単には差せないだろう。そんな算段がこの決断をした背景にはあるわけで、「サトノレーヴの単勝馬券だけが当たって部分点獲得のみに終わる」というシナリオも、当然想定内ではあります。
ダノンマッキンリーも、戸崎Jに乗り替わって脚が溜まるようだと、終い一気に突っ込んでくる怖さはもちろんあります。
ただ、「この馬を拾うなら、ナムラクレアを素直に拾っておけ!」という話にもなりかねませんので、怖さを感じつつも今回は消すことにしました。
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