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2022 東西金杯の見どころ

皆さん、明けましておめでとうございます。
今年も、「本気の競馬力向上研究所」をどうぞよろしくお願いいたします!

さて、毎年、超難解なレースが続く東西の金杯ですが、年始めに行われる注目度の高い重賞レースではありますので、今年も簡単に見どころを解説をやっておこうと思います。

個人的には、あまり積極的に馬券を買うべきレースではないと思っているのですけれど、おみくじ的な意味合いで馬券を買う競馬ファンの方もいらしゃるでしょうから、スタンスは人それぞれでいいのかな、と。

では早速、レースの見どころを解説していくことにしましょう。

中山11R 第71回 中山金杯


まず最初に昨年のレースから振り返っておくと、単騎で逃げたロザムールがペースを上手くコントロールし、すんなりと番手で流れに乗ったウインイクシードともども、人気薄ながら4,3着と好走。今年もこの2頭が出走してきましたから、2頭が揃ってレースを主導していく形になることは、ほぼ間違いないでしょう。

ただし今年は、シャムロックヒルの参戦がありますから、⑨ロザムール、 ⑪シャムロックヒルのどちらがハナを切るにしても、昨年のような落ち着いた流れになる可能性は、かなり低いと考えていいのではないでしょうか。

そうすると、⑯ウインイクシードの立ち回りも、昨年のようにこの馬のスイートスポットど真ん中にはならないでしょうから、展開面からは、先行馬にとって楽なレースにはならないだろうという絵面が、なんとなく浮かび上がってきます。


ただし、、、です。今年のトラックバイアスは、昨年と比べてもインが有利に映るので、よっぽどの消耗戦にでもならない限り、外差しの2頭でワンツーフィニッシュという絵面も、それはそれで想像しにくく……。

そうすると、差し一手のタイプで上位独占となるパターンを狙うよりも、道中は好位から中団のインで脚を溜め、直線で外に出して抜け出してきそうな馬を狙うのが、常識的な判断にはなるのかな、と。


これらの条件を総合的に検討し、人気でもここは、④ヒートオンビート中心でいいだろうという個人的見解に至りました。

この馬は、この研究所でもたびたび話題として登場している2020年小牧特別の3着馬ですが、もし仮に、ここでアリストテレスやフライライクバードを56kgの斤量で走らせたら、まあ好勝負はしますよね。

ならば、この馬も当然、ここに入れば力上位という評価でいいですし、枠もいいところを引けたので、ドン詰まりにさえならなければ、好勝負は必至という判断でいいのではないでしょうか。


相手は、今の中山のトラックバイアスを考えると、やはり前受けする馬を狙うべき。そう考えているので、こちらも素直に⑦トーセンスーリヤを選択することにします。

こちらは、前受けしてひと脚が基本的な好走パターンですし、斤量も新潟記念でこなしていますから、展開、能力面での不安材料は少ないと考えていいでしょう。あとは、堅実な馬が惨敗を喫した前走の天皇賞秋をどう評価するかですが、あれから立て直しを図る時間は十分にあったと思いますし、最終的にはパドックを見てから、ということになりますけど、現時点においても、必要以上に疑ってかかることはないのかなと考えています。


3番手は、⑮アールスターの差し込みを狙ってみます。

堅実な差し脚が取り柄であるこの馬が、ここ最近、見せ場もない惨敗を繰り返していたのは気になっていたのですけれど、前走は相手が軽かったとはいえ、久々にこの馬らしいピリッとした脚を使えていましたから、ここにきて明らかな復調気配がうかがえるのですよね。

本当はもっと内の枠を引いて、長岡J得意のイン差しを期待したかったのですけれど、この枠でも、前半でうまく脚を溜めることができれば、終いは確実に伸びてくるのではないでしょうか。この馬は、完全なハマり待ちではありますが、このメンバーで全体の仕掛けが早くなるようだと、「最後の最後に馬群を割ってズドン」を期待してみる手はありそうだな、と。


最後4番手に、一応⑰スカーフェイスを挙げておきます。

こちらは、前走のチャレンジカップでヒートオンビートとコンマ2秒差と健闘してしていますし、斤量も、そこから2㎏もらえるここは、机上の計算だと、十分に勝負圏内に入ってくるという判断になります。

ただしこの馬は、阪神巧者のイメージが強く、その点、今回が初の中山コースになるのは気になりますし、じっくりと脚を溜めてこその馬が、自力勝負型の石橋脩Jに乗り替わるのもマイナスポイント。そのあたりを割り引いて考えてみると、この位置に拾うべきかどうか、くらいの評価でちょうどいいような気がします。


最後に、おそらく上位人気の一角を占めそうな⑥ヴィクティファルスにも触れておきましょう。

この馬、メンバー唯一の4歳馬ですから、上昇度も含め、一般的な期待値が高まることはよく理解できます。さらに中山コースでも、スプリングステークス勝ちとセントライト記念5着の実績がありますし、3冠すべてのレースに出走して経験を積んできたことをも考慮すれば、一見すると、ここで好走しない理由を見つけるのは難しい気がしますよね。

ただ、セントライト記念の4着は2勝馬、6着は1勝馬でしたし、レース内容的に大差がなかったレッドヴェロシティやノースブリッジが、その後、標準的なレベルの2勝クラスのレースで勝ち負けを演じるのがいっぱいいっぱいだったことを考えると、このメンバー相手に56㎏の斤量で戦うのは決して楽ではないんじゃないかな、と。

さらに言うと、一瞬の脚がないこの馬には、内を突けばドン詰まり、外に出せば伸び負けの不安もつきまといますから、可能性がゼロとまでは言いませんけど、ポテンシャルと人気とのバランスが良くないのは事実だと思うので、今回はあえて嫌ってみることにします。

中京11R 第60回 京都金杯


う~ん、こちらは中山金杯以上に難解なレースとなりましたね。

昨年は、インベタ以外は勝ち負けにならない、いわゆる「超インチキ馬場」でしたけど、今年の中京芝コースは、そこまで極端なバイアスはないように思います。

Aコース使用なので、無条件にイン有利と考えがちですが、昨年12月の開催を振り返ってみれば、むしろ外差し有利な傾向が出る可能性もありますから、そこらへんのところは、前半のレースでトラックバイアスをよく見極めておきたいところではあるでしょう。


さらにここは、先行馬が揃って、展開が非常に読みづらいのですよね。この枠だと、秋以降ハナを切るレースができずに惨敗続きの②バスラットレオンが、内から強気に主張して行きそうですけど、元来、出脚のいい馬ではないだけに、はたしてスンナリと行けるのかどうか。そこは、かなり微妙な線なのかな、と。

そうすると、軽ハンデの⑨クリノプレミアムあたりが、江田照Jで譲らずに競りかけてくる可能性もありますし、③サトノフェイバー、④ダイアトニック、⑤ディアンドル、⑪ダイワキャグニー、⑭トーラスジェミニあたりも、前半から必ず位置を取りに来ますから、基本は結構タイトな流れになる可能性が高い。そんなふうに考えています。


そうすると、どうしても差し勢に触手が動くのですけれど、こちらはこちらで、ポテンシャルの面でやや微妙な感もアリ、、、

リステッド勝ちのある⑥シュリや⑫エアロロノアに展開が向くとして、それで簡単に勝ち切れるメンバー構成なのかというと、そうは問屋が卸さない気もするのですよね。この2頭なら、同じリステッド勝ちでも⑩カイザーミノルのほうが力は上だと思うのでですけれど、こちらのベストは千四のイメージが強いですからねえ~。

ということでこのレースは、昇級組、過去の実績馬を含め、ほぼ何でもアリのレースになると考えるべきなんじゃないか。そう思っています。


よって、個人的な見解も何もあったもんじゃないのですけれど、確率論的に言えば、ここで一番期待できるのは⑮ステルヴィオかな、と。

この馬、GIを勝った頃と比べて明らかに力は落ちていますし、現状では千四の距離がベストにも思えるのですが、さすがにここまで相手のレベルが下がれば、相対的に上位に喰い込んでくる可能性は高まります。さらに、前走であえて出し切るレースをして、脚を測った感もあった和田竜Jの連続騎乗となる点も、おそらくプラスに作用する。そんな見立てですね。


2番手には、⑪ダイワキャグニーを採ります。

この馬もここに入れば実績上位ですし、全盛期の力はないにしても、左回りのマイル戦なら、さすがに軽視はできませんよね。ここは人気の盲点になりそうですし、マイラーズカップのレースぶりから幸Jとの相性もよさそうに見えましたから、勝ち切るまではどうかも、好位に控えてのひと脚に期待してみるのも大いにアリ。そう判断しました。


3番手には、⑧ルークズネストを。

こちらは、前走が惨敗でしたけど、さすがに阪神の千四で大外枠から勝ちに行く競馬をしては苦しかったと思いますし、実質はしんがり負けですが、過度に評価を下げる必要まではないのかな、と。

なんたってこの馬は、これまで中京ではただの一度も崩れていませんし、レース内容的にも、インベタ天国だった昨年のシンザン記念で外から差してきたり、ファルコンSでグレナディアガーズを力でねじ伏せたりと、強調材料にはまったく事欠きません。

よって、本来ならここはこの馬中心でいいと思うのですが、ただ、やはり状態面に不安がないわけではないので、少し下げてこの位置になった。そう理解してください。


上位評価は、この3頭にしておきます。ここは、ほぼ全頭にチャンスがある組み合わせですから、わざわざ手を広げる理由はないでしょう。

外れる時は、きっとかすりもしないでしょうから、あえて自分から被害を大きくする必要はありませんよね。


そんなこんな今年の金杯も、例年どおり超難解なレースとなりました。

西のほうは、完全に宝くじ的な組み合わせになりましたから、狙うなら東だと思いますけど、どちらにしても、一定の運を引き寄せないと的中はないんじゃないでしょうかね。う~ん、やっぱりそんな気はします。

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