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第23回 チャンピオンズCのみどころ


明日は、中京競馬場でチャンピオンズカップ行われます。

が、、、今はサッカーワールドカップの開催中。サッカー日本代表の話題にまったく触れないのもどうかと思いましたので、「競馬の予想にも生かせる大事なポイントなので是非!」というところだけ、簡単に触れておきたいと思います。


さて、今、最もホットな話題は、三苫選手が決めたスペイン戦での決勝ゴールでしょう。あのたった数ミリの違いでチームの未来が変わったのですから、そりゃあ、サッカーファンならずとも盛り上がるのは当然のことなのかもしれません。

ただし、本気でサッカーを観ていたファンは、「インか、アウトか……」とは別の大事なポイントにも気づいていたと思うのですよね。

確かにあのゴールが生まれたのは、三苫選手の足元の技術であり、ボールへの入り方を工夫できる賢さにあったのは事実でしょう。

でも、あの場面で、スペインのGKシモン選手が立ったままプレーせずに寝てしまったのは、三苫選手との間にスライディングしていた前田大然選手がボールに触るかもと考えたからですし、ゴールを決めた田中碧選手が相手よりも先にボールに触れられたのは、ボールアウトをアピールして一瞬だけボールウォッチャーになっていたロドリ選手の前に、後ろから回り込む形で体をねじ込むことができたから。

つまり、あの決勝ゴールを語るにあたり、「インか、アウトか……」という部分だけをフォーカスしてメディアが報道することは、明らかに視聴者をミスリードしているんじゃないかと……。

実は、競馬にもよくそんなシーンがあるわけですよね。

先週のジャパンカップで言えば、「ムーアJの好騎乗がヴェラアズールをGⅠ勝利に導いた」みたいな論調もありましたけど、それはかなり正確さに欠ける報道だと思いますし、レース全体をしっかりと俯瞰できる人が記事を書けば、決してそのような表現にはならないはず。要するに、メディアで垂れ流されている情報の「質」なんて、所詮はその程度のものだと感じざるを得ないわけです。

実際、私は普段からプレミアリーグの試合を日々チェックしているわけでもありませんし、現代サッカーについてあれこれと語れるほどの濃い知識があるわけでもないですが、あの決勝ゴールのシーンについて解説しろと言われれば、地上波でなんちゃって解説者がしゃべっている内容よりは、多少はマシな解説ができるとは思います。

競馬もそれと同じで、中央・地方の全レースをチェックするくらいのコアな競馬ファンでなくとも、その時、自分の目の前で起きた出来事を冷静に分析できる人であれば、レースの中で起こった事象を深く考察することはできますし、たとえその対象がGⅠレースだけだったとしても、競馬の奥深さに触れるいいきっかけにはなると思うのですよね。


そんなこんな、ちょっと前置きが長くなり過ぎてしまいましたが、皆さんの「競馬力向上」の一助となればと思い、以上、勝手ながら今日はサッカーW杯の開催に引っ掛けて戯言を綴らせていただきました。

それでは、そろそろ本題のレースのみどころについて、簡単に解説していくことにしましょう。



中京11R チャンピオンズカップ


このレースのシミュレーションを組むにあたって、まず最初に押さえておくべきは、中京ダート1,800mというコースの特徴でしょう。

このコースは、ザックリと言えば「コーナーがきつくて直線が長い」というクセのあるコース。つまり、コース形態的に3コーナーで一旦息が入りやすい分、ほとんどのレースで最後の直線での再加速が求められることになるわけです。


実際、昨年のこのレースにおける終い3ハロンのラップは12.2 - 11.8 - 12.0ですから、前々の位置からテーオーケインズにこの脚を使われてしまっては、後続が手も足も出ないのは必然のことなんですよね。

要するに、ここは前々の位置から速い脚を使えるタイプの馬にもっとも有利なコース形態であり、よっぽど仕掛けの早い消耗戦にでもならない限り、差し・追い込みタイプの馬が上位を独占するようなことはまず起こらない。そう考えていいように思います。

もちろん、その年のトラックバイアスによっては、馬券圏内に差し・追い込み馬が突っ込んでくることもあるわけですが、それでも終始外々から動いて行って……というのは難しく、イチかバチかで最内を突くとか、前半は馬の後ろで脚を溜めて最後の直線だけ外に持ち出すとかでないと、なかなか上位に喰い込むところまでは難しい。そんな言い方もできるでしょう。


そうすると、やはり脚質と枠順は非常に大事な要素になってきますから、1コーナーに入る際の各馬並びを、より正確に予想することがまずは大事になってきます。

特に今年は、前半からガンガン飛ばして行きそうな馬がいない組み合わせとなりましたから、ペースが落ち着いた中で前半の位置取りが悪くなってしまうと、どんなに頑張っても「差して届かず」になる可能性が増しますから、そのあたりはジョッキーの意識の部分も含め、入念に検討する必要があるようにも思われます。

大外枠からハナを主張してくるであろう⑯レッドソルダードが、思惑通りにスンナリとハナを取り切れるのか、それとも⑩クラウンプライドが強気にゲートから出して行くのか、このあたりをどう読むかも、結果を大きく左右する分水嶺になるんじゃないか、と。


ここからは、個人的な見解を。

まず、レースの流れですが、このメンバーで序盤から乱ペースになるとは考えづらく、何頭か奇策を仕掛けてくる馬がいたとしても、せいぜい昨年と同じくらいのペースにしかならないのではないか、と。

そうすると、昨年2着のチュウワウィザードくらいのポテンシャルがないと、正攻法の競馬で外から差し込むのは難しいとも言えますから、前受けする馬を中心としてシンプルにシミュレーションを組み立てればよく、差し馬をケアするならイチかバチかインを捌いてきそうな馬。明日のレースに関しては、そんな理解でいいのではないでしょうか。


また、土曜日の中京のダート戦を観ていると、外からの差しがほとんど決まっておらず、鮫島克駿Jや横山典弘Jなどは、イン有利で差しづらいトラックバイアスをかなり強く意識した乗り方をしていました。

このことからもわかるとおり、ジョッキーが馬場のクセをしっかりと理解できているのか、という視点も必ず大事になってきますから、これらの点を含めて、しっかりとレースシミュレーションを組み立てて行ければと考えています。


ということで、ここは素直に⑫テーオーケインズを推すことにします。

ベストとは言えない2,000m戦で大外を引いてしまった前走なんかは、「飛んでください!」という条件が見事に揃っていたと思うのですが、それでも大外から各馬をねじ伏せてしまったレースぶりは強いのひと言。

舞台が中京の千八に替われば、そのパフォーマンスをさらに上げてくることも予想されますから、先行したい馬に挟まれた嫌な枠であるとか、時に出遅れる悪癖が完全治癒していないとか、重箱の隅をつつけば死角はそれなりにあるのでしょうが、確率論から言えば、人気でもこの馬に逆らうという判断にはならない。そう結論づけることにしました。


2番手は、⑩クラウンプライド

こちらは前走でテーオーケインズに完敗を喫していますし、正直、テーオーケインズを逆転するイメージは湧いてきませんけど、スッと前に行けてそこからしっかりと加速を踏めるこの馬のキャラクターは、まさに今のトラックバイアスとこのコース形態にピッタリ。

スタート次第でハナに行っても控えてもいいですし、どんな競馬になっても崩れなさそうな点は大いに評価できますから、テーオーケインズには再度完敗する可能性が高くても、ほかの馬たちとの比較ではこの馬が最上位。そう考えています。

スタート上手な福永Jが鞍上というのも、明日の条件ではかなり有利に作用しそうですしね。


3番手は、④スマッシングハーツ

この馬は、差して届かずのレースが続いていますが、春の平安Sの内容が非常に優秀ですし、「あと一歩噛み合ったら重賞制覇も狙えるぞ」という位置にいるとは思うのですよね。アルデバランS勝ちの際に負かしたメンバーとの比較からも、ジュンライトボルトよりはこちらにより魅力を感じますし、人気面でもこれだけ差がついているのなら、迷わずこちらを上位に採りたいな、と。

加えてオールダートのこのコースなら、スタートを決めれば中団あたりの位置を取れる可能性もありますし、土曜日の時点ですでに馬場のクセを掴み切れている鮫島克駿Jのことですから、場合によってはインのポケットの位置まで意識しているような気もします。

もちろんイン狙いでドン詰まりになるリスクはありますが、このジョッキーなら、GⅠの舞台でもブレずに道中をロスなく運んでくれそうですから、最後は馬群をうまく捌いてインから差し込んでくるのではないか。そう考えています。


ここは、思い切って3頭に絞ることにしましょう。

その他、好枠を引いた①グロリアムンディは、まともな状態ならテーオーケインズに続く存在であると考えていますが、調教の映像を見る限り、どこをどう見ても本調子にはないように見えたので、能力の高さを承知でスパッと消します。

近走の充実ぶりが光る⑤ジュンライトボルトは、ここでも見せ場くらいはつくってきそうですけど、相手関係を考えると、まだちょっと力が足りないんじゃないか、と。それは③ハピにも同様のことが言えますから、シリウスS組、みやこS組は全馬軽視することとしました。

⑪バーデンヴァイラーは、まともに走ればちょっと怖いなと思うのですが、そもそもコース適性に疑問がある中で、気性面の脆さまでもが浮き彫りになってきた現状においては、さすがにちょっと狙いづらいな、と。

⑬シャマルは、この馬の意外性に一縷の望みを託す形になりそうですけど、コーナー4つの中距離戦で好走するイメージは、正直、ちょっと持ちづらく……。


いや~、このレース、個人的には結構自信があるのですよ。

ただしGⅠレースに関しては、先週、ヴェラアズールが勝つまでずっと連敗続きだったので、ここであんまり偉そうなことを言うのはやめておきましょう(笑)

雄弁に語った時に限って、テーオーケインズが出遅れたり、スマッシングハーツが包まれて脚を余したりするものですからね。

それでも、自分を信じない限り、新しい景色が見えてくることは絶対にありません。何もそれは、サッカーの世界に限ったことではない。私は常にそう思っていますけど、さて、結果はいかに!?

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