第56回 不来方賞のみどころ

火曜 盛岡10Ｒ　不来方賞

ここは、岩手の怪物フジユージーンが、ＪＲＡ勢と初めて激突する注目のレースとなりましたので、イレギュラーな対応とはなりますが、簡単にみどころを解説しておきたいと思います。

まず大枠の理解として、ＪＲＡ勢と道営勢が主力を形成し、岩手勢ではフジユージーン一頭だけが勝負圏内に入ってくる可能性を秘めている。そんなシンプルな見立てでほぼ大丈夫でしょう。

フジユージーンのポテンシャルを推し量るために有用な、唯一のパラメータホースはダイヤモンドカップで２着と健闘したオオイチョウになりますが、この馬が北海優駿でパッションクライとブラックバトラーの後塵を拝している点は、やはり見逃すことができません。

フジユージーン自身、ダイヤモンドカップ時は本調子にひと息という感じもありましたので、単純な比較はできませんけど、現状におけるフジユージーンの立ち位置は、５枠に同居した道営２頭とほぼ同等くらいとみるのが妥当なラインなのかな、と。

あとは、雄大な馬体から感じさせる伸びしろの部分と、地元で戦える有利さを生かし、どこまでＪＲＡ勢に迫れるか。このあたりが、このレース最大のみどころになるような気がしています。

ただし対するＪＲＡ勢に関しても、「ポテンシャルは相当だが、ポカの怖さも同居する」というおよそ盤石とはいえないメンバー構成になっている点には一定の注意が必要でしょう。

よって、フジユージーン、パッションクライ、ブラックバトラーの地方馬３頭に関しては、ＪＲＡ勢の自滅に付け込んでの馬券圏内喰い込みも可能性としては十分にありうる。そんな評価でいいように思います。

ということで、中心には⑦サンライズジパングを推します。

この馬のベストレースは、芝のＧⅠで３着と健闘したホープフルステークスではなく、 フォーエバーヤングと一騎打ちを演じたＪＢＣ２歳優駿とみるべき。これが当研究所なりの見解となります。
フォーエバーヤングとの比較で考えるならば、ポテンシャル面ではこの馬が抜きんでているというシンプルな結論に落ち着くわけですが、これまで左回りのレースでまったく結果が出ていない点をどう捉えるべきか。そこは避けられない視点になってくるでしょう。
正直、カトレアステークスで大敗を喫したことを無視はできませんが、東京マイルのインでくしゃくしゃに揉まれたことを考慮すれば、着順ほどの大敗ではなかったという見方もできますので、盛岡の2,000mという舞台設定であれば、能力発揮に概ね支障はない。そう判断することにしました。

２番手は、④カシマエスパーダ。

この馬は、前半の位置取りに関わらず常に自分の力を発揮してきた馬ですので、仮に田辺Ｊが宇宙人的ならしい乗り方をしてきたとしても、それをもってただちに大崩れするという印象は特にありません。
ただし、この馬は左回りが初めてとなりますし、距離延長がプラスに出るという感触もありませんので、サンライズジパングにこの条件でフルパワーを出されてしまうと、力関係的にやや劣勢とみて評価はこの位置としました。

３番手は、①サトノフェニックス。

この馬の前走は、コーナー４つのコースを見事にこなしての好走劇となりましたので、盛岡のこのコース形態なら、今回も問題なくこなせるとみていいでしょう。
力的にも、前走くらい走れれば上位２頭とも互角に近いレベルで戦えそうな気がしますので、問題は枠の並びがどうかだけ。
仮にこの枠で出遅れてしまったりすると、道中で無駄な体力を消費してしまいそうですので、そのリスクを一定程度考慮し、最終的には３番手という評価に落ち着きました。

４番手は、⑧フジユージーン。

上位評価３頭のうち、弱点をさらけ出したどれか１頭が自滅するケースを想像した場合、はたしてどの馬が馬券圏内に喰い込んでくるのか。そう考えた時に、その筆頭として名前が挙がるのはやはりこの馬だな、と。
道営の２頭は、遠征競馬となった京浜盃でともに惨敗を喫していますし、　ＪＲＡ勢のもう一頭、タイセイミッションの現状におけるポテンシャルは、概ね２勝クラスの掲示板級と考えていますので、ならば最後のひと枠に入れるのはこの馬以外にない。そんな結論となりました。
ところで、４番手という中途半端な評価はこの馬に対して失礼に映るかもしれませんが、当研究所的には自らのスタンスをブレずに貫き通すのみですので、あくまでも「一角崩し候補」という位置づけにとどめておきます。
もちろん、内心は「この馬が勝ってくれたら、現地がものすごく盛り上がっていいよな」なんて思ったりはしていますけど、、、

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