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第27回 秋華賞の回顧

いや~、坂井瑠星J、見事な騎乗でしたね。

上位3頭の差は、ジョッキーのエスコートの差だけという印象もありましたから、確かに枠の並びの良さに恵まれた面はありましたけど、積極的かつ冷静な騎乗が、見事に勝利を呼び込んだのではないかと考えています。

では、早速、レースを振り返っていくことにしましょう。

阪神11R 秋華賞


個人的には、外からブライトオンベイスが強気にハナを主張して行けば、必然的に前半のペースが上がって、馬群が縦長になると想定していたのですが、フタを開けてみるとまったくペースは流れず、むしろ馬群が団子状態になる形でレースが進むこととなりました。

こうなると、外枠の各馬にとっては非常に厳しい形になりますし、枠の並びが着順に与える影響も大きくなって、まっとうな枠を引いた実力馬しか勝ち負けに絡めないという結果になるのも、大いに合点がいくところではあったのかな、と。


勝ったスタニングローズは、スタートを決めて1コーナーまでに完璧なポジションを取り切ったことが、勝利に直結することとなりました。

グリーンチャンネルで観戦していたこちらからしても、1コーナーの時点で早くも「スタニングローズが勝ったな!」と確信を持てるくらいのレースでしたから、もちろん馬に勝ち切るだけの力があったことが大前提にはなりますけど、今回の勝利は坂井瑠星Jの完璧なエスコートなしには実現しなかったものなのだろうと理解しています。

まあ、これがGⅠ初勝利とはちょっと驚きではありますけど、今の彼の技量を持ってすれば、今後のさらなる飛躍を大いに期待していいんじゃないかと思います。


2着のナミュールは、終始、外々を回されるコースロスがあった分、最後、差し届かずとなってしまいましたが、横山武Jは今回の枠の並びの中でできる限りのことをやってきた印象でしたから、レース全体を俯瞰してみれば、概ね妥当な2着だったということになるんだろうと思います。

まあそれにしても、この馬は最後の最後まで今年の牝馬クラシック戦線の中で枠順に泣かされ続けた印象でした。もしもスタニングローズと枠が逆だったら、それだけでも結果が違っていた可能性があるわけですから、競馬に必ず「運」は付き物ですが、それにしてもこの世代で最も「持ってない馬」となってしまったことに同情を禁じ得ないな、と。


3着スターズオンアースは、パドックに出てきた姿を見て「こりゃ、やられたな」とすぐに思ったくらいの素晴らしい仕上がりでした。

スタートが五分なら……と誰しもが思うところではありますが、出遅れたら出遅れたなりの見事なリカバリーを見せたルメールJの手腕もさすがのひと言でしたから、このような形で牝馬三冠を逃すことになったのは残念で仕方がありませんが、世代を代表する高いポテンシャルをみせつけたこの馬の見事な走りには、精一杯の拍手を贈りたいですね。


4着メモリーレゾンは、ベテラン古川吉Jらしいロスのない立ち回りで、見事にローズS組最先着を果たしました。ただし、どう乗っても馬券圏内までは難しかったでしょうから、この好走はジョッキーのファインプレーがあってのもの。今回は、そう評価しておきます。

5着アートハウスは、やはり枠の並びの悪さがモロに響く敗戦となってしまいました。意外にも道中のペースが落ち着いたことは、この馬にとって願ったり叶ったりだったわけですが、反面、馬群が凝縮して前に馬を置く形を取れませんでしたから、結果から言えば、「この枠順を引いてしまった時点で、ペースがどちらに転んでも勝ち負けまでは難しかった」ということになるのでしょう。


6着エグランタインは、道中で外々を回らされる苦しい形となりましたし、思ったほど道中のペースが上がらず、勝負どころから速い脚を要求される流れになったことも厳しかったですけど、その中においては非常によく頑張ってくれたと高く評価しています。

不幸にもこの馬向きの流れにはならなかった中で、それでも見せ場たっぷりの内容で走れたということは、もしも展開が事前の想定どおりになっていれば、おそらく勝ち負けラインに絡んで来られたんではないかとも思えるだけに、結果は期待どおりになりませんでしたけど、この馬を中心視したことに一切の後悔はありません。


いや~、今年はGⅠがなかなか的中しませんね。

だからと言って、この研究所では日和って置きに行くようなレースシミュレーションは絶対にしない主義ですから、来週の菊花賞も、攻めの姿勢を忘れることなく独自のレースシミュレーションを組み立てて行けたらいいな、と。

それでは引き続き、「本気の競馬力向上研究所」「競馬なんでも相談室 ~あなたに必要な処方箋、ここにあります~」をどうぞよろしくお願いいたします。





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