第23回 東京ハイジャンプの見どころ
明日は、東京で東京ハイジャンプが行われます。
オジュウチョウサンをはじめとして、全体的にそこそこのメンバーが揃いましたから、なかなか面白いレースが観られそうですね。
では、早速、レースの見どころを解説していくことにしましょう。
東京9R 東京ハイジャンプ
このレースを予想するにあたり、まず最初に考えておかなければならないのは、コース形態のこと。スタート直後にコーナーがあるこのコースは、断然、内枠が有利なんですよね。
先行馬はもちろんのこと、無理に位置を取りにいかない差し馬であっても、基本的に外枠のロスは大きいと考えておくべきでしょう。特にコース取りの意識が低いジョッキーだと、「スタート直後に馬券が紙くず」みたいなことも実際には起こるので、この点には特に注意が必要だと思います。
次に展開ですが、コース形態的に序盤はスローになりがち。なので、基本は先行馬有利という理解で間違いないのですが、重賞レースともなると、6月の東京ジャンプSのように途中からレースが動いて、結果的に差し・差し決着になるパターンも散見されます。
よって、ジョッキーたちの個性も見極めながら予想を組み立てないと、なかなか読みが当たらない。そんな特徴のあるレースだと言えるでしょう。
今年のメンバーは、序盤の攻防がちょっと読みにくいですね。前々で運びたいのは、内から②クラウンディバイダ、⑤ホッコーメヴィウス、⑧アサクサゲンキ、⑨コウユーヌレエフの4頭ですが、序盤の位置関係はかなり微妙なんですよね。
ただ、コース形態とジョッキーの性格を考慮すれば、おそらく内からクラウンディバイダが主張してきて、意外にもスンナリとハナを切れるんじゃないかと考えています。そして、むしろ問題は、その後ろに位置するであろう好位勢3頭の攻防でしょう。
ホッコーメヴィウス、アサクサゲンキ、コウユーヌレエフの3頭は、基本、どの馬も包まれたくないタイプではあるので、結構、序盤はガチャガチャするんじゃないか、と。そこで各馬が干渉し合う形になると、どうしてもスタミナロスを生じて、最後、タレることにつながりますから、一周目向正面での位置取り争いは、このレースの大きな見どころのひとつになるような気がしています。
さて、ここは、こうした諸々の条件を考慮して、⑪ヒロシゲセブンを狙ってみようと思います。
はっきり外枠は不利ですし、主戦の高田Jが乗れないことも割引材料ではあるので、確率論的に言えば、少し期待度が下がることは事実でしょう。ただその分、人気は若干控えめにはなるでしょうから、費用対効果の部分も考慮に入れるなら、素直にここはこの馬中心でいいと判断しました。
なによりヒロシゲセブンは、無類の東京巧者ですし、レース序盤のガチャガチャに巻き込まれる心配が少ないのはいいですね。どうしてもスタート直後にロスは生じますけど、白浜Jなら序盤はリズム重視で運んでくれそうですし、その後うまく流れに乗れさえすれば、終いはしっかり脚を使ってくれることでしょう。確実に勝ち切るとまでは言いませんが、まともなら馬券圏内には届くと思っています。
2番手は、鞍上に一抹の不安を感じながらも、⑤ホッコーメヴィウスを選択します。
この馬、アサクサゲンキ、コウユーヌレエフよりも枠が内というのは、地味に大きなアドバンテージになると思いますし、何なら、クラウンディバイダのハナを叩いて逃げてしまってもいいくらいですから、ハナか番手で揉まれない自分の形に持ち込めさえすれば、能力的にはこの馬が勝つところまで想像していいと思っています。
あとは、もう鞍上ですね。ただ、前走で消極的に乗って人気を裏切ったことが、今回は吉と出るような気もします。黒岩Jとて、さすがに二度同じ負け方はしたくないでしょうから、序盤から位置を取りに行く意識は、前走よりも圧倒的に高いはず。そう信じることにしました。たとえ揉まれ込んだとしても、このコースなら、東京ジャンプSで見せたような盛り返す脚も、多少は期待できそうですし……。
馬券的には、ここまで。あえて推奨馬は、2頭にしておきます。
人気の⑧アサクサゲンキは、距離短縮はプラスに作用するでしょうが、前走までとは相手が違いますから、序盤で追走のリズムが悪くなると、終いは伸び切れないんじゃないかと思うのですよね。もちろん、終始スムーズなレースができるようだと、勝ち負けに絡んでくる可能性もあるわけですが、熊沢Jが勝ちにこだわるレースを仕掛けてくるであろうことが容易に想像できる中では、見せ場をつくって最後に止まる。そんなレースになると決めつけることにします。
④オジュウチョウサンは、もう全盛期の力はないと評価しています。もっとゆったりと行ける距離のレースなら、わずかながらチャンスがありそうですけど、一定のスピードを要求されるこの舞台では、最後、伸びを欠くイメージしか湧いてこないのですよね。心情的にはこの馬を応援したいところですが、ドライに言えば、ここは危ない人気馬という評価にしかなりません。
②クラウンディバイダは、意外や意外、楽に行かせてもらえれば、このメンバーでも結構戦える予感はするのですよね。ただし今回は、ホッコーメヴィウスが積極的に立ち回るであろうという読みですし、アサクサゲンキの熊沢Jも早め早めに仕掛けてきそうですから、そうなるとさすがに厳しいかもしれませんね。
⑦ラヴアンドポップは、約1年半ぶりのレースで、仕上がりがどうかだけでしょう。古い話にはなりますが、もともとはあのアップトゥデイトと僅差の勝負をした馬ですし、当時はまだ相手が本格化前だったとは言え、メイショウダッサイを大差に千切り捨てた能力は、ここでもまったく侮れません。前走とて、勝つには勝ちましたけど、絶好調という感じではなかったですし、当時の鞍上は草野J。その点、今回は五十嵐Jに乗り替わりますから、過去の対戦相手を考えれば、この厳しい条件下でも、ノーチャンスとまでは言えない位置にはいるのかな、と。さすがに拾い切るところまではいかないですけど、一発の可能性は、頭の片隅に入れておきたいところですね。
⑨コウユーヌレエフは、東京では崩れませんし、鞍上込みで考えれば、ここでも掲示板には乗ってきそうです。ただし今回は、外枠であることのみならず、枠の並びがイヤな感じですし、もともと詰めの甘い馬が、序盤でロスを生じる可能性があるとなると、やや狙いづらいのは確かでしょう。
⑩シンキングダンサーは、もともと地力上位ではありますが、東京コースだと、全盛期でもやっと勝ち負けできるかどうかくらいの力関係だと思うのですよね。それを考えると、年齢的な衰えがあるのは間違いありませんから、レース序盤は手ごたえ良く追走できていても、やっぱり最後は伸び切れないんじゃないかと思います。外枠も地味に堪えそうですしね。