第72回 川崎記念のみどころ
明日は、交流JpnI川崎記念が行われます。
地方で行われるレースではありますが、今年最初のJpnI競走でもありますから、簡単にレースの見どころについて、解説していくことにしましょう。
2/1(水) 川崎11R 川崎記念
このレースのポイントは、川崎独特のコース形態と重い馬場に対する適性、そしてテリオスベルの参戦によってスンナリとはならなそうな展開面ということになるのでしょう。
その中で、中央馬にはとりわけ距離不安のある馬が多く、地方馬には「ポテンシャル面で足りるのかどうか」といういつもどおりの課題が横たわっているわけですからねえ~。
その意味では、正確にシミュレーションするために超えなけれならないハードルは、例年以上に高いと言わざるをえないのかもしれませんね。
次に有力馬のクリアすべき課題について見て行くと、テーオーケインズに関しては、やはりこの川崎の重い馬場と、やや長いようにも思えるこの距離をこなし切れるのか……というところになりそうです。
この馬にとって、展開面でスローにならなそうな点ははっきりプラス材料と言えますから、一にも二にもコース適性がどうなのか。そこに尽きると言っても過言ではないのかな、と。
ウシュバテソーロにとっては、川崎のトリッキーなコース形態の中で、仕掛けどころが難しくなることは容易に想像できますから、そこがうまくハマるのかどうか。このあたりは、ジョッキーの手腕ともリンクしてくる課題であるがゆえ、横山和Jのエスコート次第で結果が大きく振れるとは言えるのでしょう。
ただしこの馬の場合は、距離と砂質への対応という点は特に大きな問題にならなそうですから、そこに一定の担保があるという意味で言うならば、相対的なアドバンテージになりうるのかもしれません。
このように、上位人気が予想されるこの2頭にとて、それなりに死角はあるという前提になるのだろうと個人的には考えています。
よって、2頭のうちのどちらかが馬券圏外に去るという波乱の決着も、一定の確率で想像できますし、反対になんだかんだ人気サイドの決着になるパターンも十分にあり得るのでしょうから、そこはどちらかのパターンになることをあらかじめ決め打ちすべき。そんな気がします。
「あっちも怖い、こっちも怖い」が、競馬の世界では最悪の対応になりますからね。
次に展開ですが、何が何でもハナに行きたいテリオスベルではありますけど、この馬のダッシュ力からすると、1周目の3コーナーまでにハナを取り切れる可能性はほぼ皆無と言っていいでしょうから、現実的には、正面スタンド前の直線で外から一気にハナを奪い切る形に持ち込みたいのではないでのかな、と。
ただ、是が非でもスンナリとしたレース展開に持ち込みたいライトウォーリアあたりからすると、道中で中途半端にマクられる形は避けたいところでしょうから、あらかじめマクリを想定して引く準備を整えておくのか、それとも埼玉新聞栄冠賞を勝った時のように強気なレースメイクで主導権を渡さずに突っ張るのか、そこがレース序盤における最大のみどころになるのだろうと考えます。
そうなると、ペースが緩んで先行馬に息が入る場面は少なそうですし、中団あたりからレースを進める各馬にしても、早仕掛けになって後続の餌食になるリスクを一定程度抱えることになりますから、いずれにしても各ジョッキーの仕掛けのタイミングが、最終的な着順を大きく左右することになるのではないでしょうか。
ということで、ここはコース攻略の難しさを承知で⑤ウシュバテソーロの差し脚を信頼することにします。
今回のメンバーを見渡した時に、もっとも崩れるリスクが少ないのはこの馬だと思いますし、この馬が着外に敗れる時は、横山和Jが強引な仕掛けに走った時だけだろうという具体的な絵面も見えていますので、こうしたリスクも含めてさまざまなファクターを総合的に考慮すると、「馬券圏内」という意味ではもちろん、「勝つ確率」という観点から見ても、この馬を推すのが妥当な選択になるのかな、と。
個人的には、今年のメンバーなら黙っていてもこの馬に展開がハマると思っていますし、ペースが速くなれば差しも普通に決まっている今の川崎の馬場も、最後はこの馬に味方するような気がしています。
ただ、もしもテリオスベルが出走取消になったりするようなことがあれば、一気にこの馬を中心視するリスクが高まりますから、その点だけは頭の片隅に入れておいてほしいですね。
2番手は、②スワーヴアラミス。
この馬は、適性面でこのレース条件が合っていると思いますし、斤量減と長く脚を使える脚質に加えこの内枠も好材料ですから、これだけの条件がキレイに揃っていれば、今年のメンバーなら通用していいのではないかと考えています。
中央時代の貯金がどこまで残っているかは確かに課題ですけど、今回は最低でもエルデュクラージュを逆転してくるはずなので、そうなれば十分に善戦以上を期待できるような気もするのですがね。さて、どうなりますか。
3番手は、⑩ライトウォーリア。
この馬の前走は、考えうる範囲の中で最も苦しい競馬となってしまったわけですが、それでも最後まであきらめずに走れていた点は、大いに評価していいように思います。
ここは、テリオスベルとの兼ね合いがカギにはなりますけど、正面スタンド前までに大きなリードをつくってしまって、テリオスベルのマクリを2番手までのとどめさせるような強気のレースメイクをすれば、結構面白い勝負に持ち込めるのではないか、と。あとは距離だけですね。
上位は、不確定要素が多すぎるので、あえてこの3頭に絞ります。
テーオーケインズは、重いダートと距離を嫌って消します。このメンバー構成だと、マイナス面が大きくてもなんだかんだ格好をつけてしまうかもしれないですけど、明らかに適性面に課題があるとわかっている人気馬を推す理由はどこにもありませんので……。
ノットゥルノの前走は、これ以上ないレースの形になっての好走でしたし、適性が大井にある点も含めて考えると、人気ほどの信頼は置けないのかな、と。自在性があるので、大きくは崩れないのかもしれませんけど、こちらも来たらゴメンナサイでいいと思っています。
ペイシャエスは、距離がやや長く感じられる点と、ガチンコ勝負では少し足りないのかなと思わせるポテンシャル面の合わせ技で、ここは少し評価を下げました。
ニューモニュメントは、距離面よりも鞍上のエスコートの部分に強烈な不安があるので、その点を嫌った格好です。鞍上次第では、この馬を4番手評価にしてもいいのかなとは思うのですけれど、この条件で小崎Jの仕掛けどころがビシッとハマるとはどうしても思えなかったので……。たまたまとか、偶然の類でハマっちゃうことはあるかもしれないですけどね。
テリオスベルは、スンナリ逃げられても東京のダート2,100mでは最後に失速している感じでしたから、この相手関係で川崎の重いダートでは、さすがにちょっと厳しいのかな、と。