週末の障害戦回顧(1/9,10)
この週末からスタートした障害戦、土曜日に落馬事故があったことは非常に残念でしたが、中山新春ジャンプステークスのレース自体は、中身の濃い素晴らしいものになっていたと思います。
それでは早速、週末の障害戦2鞍を振り返っていくことにしましょう。
土曜日 中山8R 中山新春ジャンプステークス
ここは、明け4歳馬、スマートアペックスが堂々とした勝ちっぷりで連勝を飾りました。
この馬、パドックでは、馬体が絞れてさらに気配が上昇していましたし、精神的にも安定。かれこれ1年半も使い詰めなのに、バテるどころか、メキメキと力をつけてきているのだから、本当にもう恐れ入ります。
レースでも、好スタートからインのポケットで我慢させるところまでは予定どおり。2周目の向正面では、前2頭を自ら捕まえに行っているのに、直線でさらに後続を引き離したのですから、これはもうあっぱれと言うほかないでしょう。
他の有力馬よりも斤量が軽かったとは言え、自身も前走から2kg増だったわけですから、純粋に地力強化が著しいという評価になります。直線ダートがさらにパフォーマンスを上げた点も、ちょっと注目しておきたいポイントではありますね。いずれにしても、非常にインパクトのある勝ち方だったと思います。
2着のマサハヤドリームは、さすがに完調とは言えないまでも、十分に力を出せるデキにはあったと思います。外枠で、道中、思ったほどうまく立ち回ることはできませんでしたが、たとえ完璧な立ち回りができたとしても、スマートアペックスを逆転することは難しかったと思います。
陣営からすると、ちょっとショッキングな負け方だったかもしれませんが、これは相手をほめるしかありませんね。この馬自身、及第点の走りができたと見ていいのではないでしょうか。
3着のケイティクレバーは、スンナリと番手が取れたかなと思ったところで、外からマイネルパラディに来られたのはかなり痛かったですね。ただ、そこですぐにBプランに切り替えられるところが、今の平沢Jのスゴイところ。またしても苦しい競馬になってしまった中で、62kgを背負って3着まで押し上げたのは見事だったと思います。
この馬は、ここ3走、本来の競馬ができていませんから、次走で不当に評価が下がるようなら、大きく狙ってみても面白いかもしれません。まあ、レース条件や相手関係を吟味して、ということにはなるのですけれど……。
4着パリカラノテガミは、長期休養明けのレースにもかかわらず、積極的な中身の濃いレースをしてきました。この内容なら、次走は当然マークが必要になってくると思います。
ところで鞍上の大庭J、このパリカラノテガミでの積極的なレース運びには、ちょっと驚かされたのですよね。ここで「あれっ」とは思ったのですけれど、それを翌日のレースシミュレーションに生かせなかったのは不徳の致すところ。おそらく、年が変わって不退転の決意でレースに臨んできたことは間違いないと思うので、次週以降も大庭Jの騎乗ぶりには注意が必要でしょう。もし、キャラを変える固い決意をしているとしたら、すぐにレースシミュレーションに反映させないといけないですから。
6着グローブシアターは、道中、大きな飛越ミスが一ヶ所あって、それが致命傷になった感じですね。ただ、純粋に相手強化の分もあったと思うので、今回の敗因は、相手強化とスムーズに飛べなかったことの合わせ技としておきましょう。
ただ、ここ2走、期待ほど走れていないことは気がかりです。2回続けて凡走したくらいで、すぐに大きく人気を落とすタイプでもないだけに、次走でこの馬の取捨をどうするかには、かなり頭を悩ませることになりそうです。
レースシミュレーション的には、ひとつ順番が逆になったところはありましたが、概ね精度の高い見どころ解説ができたかなと思います。
人気どころでの決着にはなりましたが、オッズ的には十分すぎるだけのものがありましたしね。
日曜日 中山4R 未勝利
ここは、ウエスタンマリーヤの大庭Jが、外連味のない逃げでレースを盛り上げました。自身も粘って3着と、しっかり馬券圏内を確保しているわけですから、ちょっと昨年までの大庭Jからは想像できない好騎乗だったと思います。
勝ったのは、入障2戦目で行きっぷりが一変したキングテセウス。正直、初戦の内容を見る限り、一変する様子はなかったのですが、中間に立て直した効果が大きかったのでしょうか。レース展開に恵まれた部分があったのは事実でも、内容的には楽勝でしたから、僕ら競馬ファンにはわかりづらかったですけど、これは陣営の努力が実った結果なのだと理解することにします。
2着のダイシンクローバーは、ウエスタンマリーヤの大逃げで非常に立ち回りが難しくなった中でしたが、それでも地力で2着を確保してきたという印象です。もし、気焦ってウエスタンマリーヤをもっと追いかけていたとしたら、2着もなかったと思えるだけに、苦しい判断を強いられながらも冷静に乗ってきた高田Jの騎乗ぶりは、地味ながらしっかりと評価すべきでしょう。
4着ダイワスキャンプは、金子Jらしいロスのない立ち回りで、終い、脚を伸ばしてきましたが、正直、この展開で馬券圏内に突っ込んで来られないのなら、これ以降、好走を期待するのは難しいと思います。
人気で5着に沈んだキタノテイオウは、上野Jが完全に乗り違えてしまいました。ただでさえ詰めの甘い馬なのに、地力で前を追おうとすれば、終い伸び切れないのも当然でしょう。今回ばかりは、大庭Jの積極的なレースメイクに、完全にしてやられたという格好になりますね。
7着イーグルフェザーは、前半は上手く立ち回れていたのですが、途中から飛越が安定しなくなり、小野寺Jも飛越のたびに重心が後傾になって、ロスを大きくしてしまいました。ああなると、どうしたって終い伸び切れなくなりますから、やっぱり、掴まってるだけで上手に飛越してくれるような馬でもない限り、小野寺Jの馬を高く評価してはいけないということになるのでしょうね。その点、だいぶ判断が甘かったなと反省です。
最後に、9着オノーレペスカにも触れておきます。やっぱり、鈴木Jでは、どうやったって好走はできないみたいです。ただ、ちょっと気の利いたジョッキーに乗り替わってきたら、一変があるかもという雰囲気はあるので、過度な期待まではできませんが、頭の片隅に入れておいてもバチは当たらないのではないでしょうか。
まあ、このレースに関しては、今の僕には、到底、太刀打ちできなかったということ。う~ん、まだまだ鍛錬が足りないようですねえ~(汗)
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