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週末の障害戦回顧(12/3,4)

この週末は、土曜日に中山でイルミネーションジャンプステークスが、日曜日に阪神で未勝利戦が行われました。

では、早速、レースを振り返っていくことにしましょう。


土曜 中山8R イルミネーションJS


このレースに関しては、昨年の同レースと比較しながら振り返っておく必要があるように思います。


まず、走破時計についてですが、昨年の2,4着馬が、今年も2,3着と好走していますから、まずはこの2頭のパフォーマンスを振り返るところから始めることにしましょう。

2着アサクサゲンキに着目すると、昨年の走破時計が4:02.9だったのに対し今年は4:01.8。3着ビレッジイーグルに着目すると、昨年の走破時計が4:03.0だったのに対し今年は4:01.8なんですよね。


つまりこの2頭の力関係は一年前と比べても大きくは変化しておらず、仮に多少の馬場差があったとしても、この2頭を大きく千切り捨て4:00.1で走破したミッキーメテオのパフォーマンスは、本番の中山大障害でも十分に通用する可能性を示したものと言えるのではないでしょうか。

昨年の勝ち馬、レオビヨンドはここを5馬身差で勝ち切ったわけですが、その勝ち時計は4:02.0。その馬が、本番で主戦の平沢Jが騎乗できないという苦境に立たされた中でも3着と健闘したくらいですから、あくまでも机上の計算ではありますが、もしも本番にミッキーメテオに出走してくれば、勝ち負けに絡んでくるところまで期待できる。それくらいの評価はしておかないといけませんね。

個人的には、この馬が中山で器用に立ち回ってくるイメージはなかったのですが、今回のパフォーマンスを見せつけられれば、こちらの事前に読みが筋違いもいいところだったことは明らか。ならば、きちっと評価を修正して、本番に向けての準備を整えないといけない。そう考えます。


ちなみに2着のアサクサゲンキは、石神Jが完璧に近いエスコートをした中でのこの結果ですから、本番ではさすがに厳しいのではないでしょうか。

一方で3着のビレッジイーグルは、序盤からシャンボールナイトに絡まれて理想の形に持ち込めなかった割にはよく踏ん張っていましたから、本番になって違う展開に持ち込めるようだと、巻き返しの余地はまだ残っているような気がしますね。中心視していたこちらとしても、想定外に厳しい展開になってしまった中では、よく踏ん張ったと評価しているくらいですし……。


その他、4着マサハヤドリームは、森一馬Jが完璧なエスコートをしましたが、それでも最後は伸び切れず。この馬、今、体調は非常によさそうですけど、やっぱり全盛期の力はもうないと考えざるを得ない結果だったのだろうと思います。

その点、今後に期待を抱かせるレースをしたのは、5着ギガバッケンのほうかもしれません。「勝負どころで一旦後退しながら、最後は内から盛り返してきて……」というのはここ2走に共通するレースぶりでしたが、そもそも前走とは相手が違う中で似たようなパフォーマンスを示せるということは、ある意味、まだ本気で走っていないことの証しでもあるのでしょう。賞金的にどうかというのはありますけど、もし出走が叶うようなら、この馬、本番でもワンチャンスあっていいような……。そんな気もしています。


心配なのは、メイショウアルトで落馬した高田Jですね。

メイショウアルトが本場の固定障害向きでないことは想像通りでしたけど、「その中でもなんとかしなきゃ!」という胆力を見せていた中での落馬でしたから、ひとりの競馬ファンとして、とても胸が痛くなるシーンではありました。

これで、5年以上続いていた「落馬なし」の記録が途絶えてしまったわけですけど、この記録自体がとてつもない偉業ですし、なにはさておき、高田Jの一日も早い回復を心から祈らずにはいられません。


日曜 阪神4R 未勝利


ここは、最終障害でアクシデントがありましたが、すぐ後ろにいたリーガルマナーは落ち着いた対応で事故を回避し、順当勝ちを収めました。主な勝因は、前々でスムーズに流れに乗れたことと、本場の固定障害を難なくこなしてきたところにあるのでしょう。

ただ、勝ち時計はかなり平凡なものとなりましたから、今回は勝ち切ったという結果だけが目立つ成果。ちょっと意地悪ではありますが、そんな厳しい言い方もできるような気がします。


2着ランドフェニックスは、前走でのトーセンオリジンとの決定的な差を逆転してきたわけですから、相手関係や時計面はともかく、この馬なりによく走ったと評価すべきでしょう。

今回のレース内容から、良くも悪くも「この馬は阪神でこそ」という感じもありましたから、次にどのレースを使ってくるのかには注意が必要になりそうです。


3着トーセンオリジンは、前半から行きっぷりがひと息で、人気を裏切る兆候がすでに出始めていましたね。

この結果を見ると、「この馬は固定障害向きでなかった」ということになるでしょうが、思った以上の凡走だったことを踏まえると、コース替わり以外にも力を出し切れなかった要因があるのかもしれません。いずれにしても、次走での評価は、慎重にしないといけないのではないでしょうか。


ところでこのレースでは、植野Jがかなり危険な落ち方をしていたので、ちょっと心配ではありますね。

落馬後、すぐ後ろにいたリーガルマナーと接触するシーンはあったものの、自力でラチの内側に避難していた点はせめてもの安心材料ですけど、さすがに無傷とはいかないでしょうから、ひとまず大事に至るようなケガでないことを今は祈るしかありません。

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