第18回 ヴィクトリアマイルのみどころ
明日は、東京競馬場でGⅠヴィクトリアマイルが行われます。
では、早速、レースの見どころについて、解説していくことにしましょう。
東京11R ヴィクトリアマイル
今年のこのレースは、ポテンシャル上位と言える馬は3頭まで簡単に絞れるのですが、これといった逃げ馬がいない展開面や、レース時点におけるトラックバイアスが不透明なことを考慮に入れると、一定程度、紛れる可能性が残っている。
そんなレースの構図になっていると思います。
ポテンシャル面では、最上位に君臨するのがスターズオンアースであることに疑いの余地はありませんが、2番枠を引いてしまったことにより、下げて外を回す形になるとスローペースにハマって届かないリスクがありますし、枠なりに馬群の中でレースをする選択をすれば、ドン詰まりになって脚を余すリスクがありますので、この馬にとって簡単なレースにならないことだけは確かでしょう。
また、ポテンシャル2番手のソダシにとって、この大外枠はプラスと捉えていいと思いますが、ここが半年の休み明けのレースになること、レーンJに乗り替わって脚の使いどころがうまくハマるのか不透明なこと、俯瞰的に見てこの馬自身がややピークアウトした印象もあることなど、懸念すべき材料がひとつでないことはどうしても気にはなります。
そして、ポテンシャル3番手のナミュール。こちらは、まだ完全にゲート難が解消したとは言い切れませんし、成長力という面に課題を抱えていることも確かですので、東京のマイルはこの馬にとって最適なレース条件ではありますけど、こちらもまったく死角がないとまでは言えず……。
そんなこんな状況ではありますので、気になる点はありつつもポテンシャル上位馬の地力の高さに賭けるのか、それとも懸念材料があることを嫌いこの条件なら大崩れせずに走ってきそうな馬を抜擢するのか。
私たち競馬ファンに、今、突きつけられているのは、ここの部分の判断なのではないでしょうか。
一応、土曜日の競馬終了時点での想定としては、時計が速く外差しが効きづらい馬場になっているという理解でいいでしょう。
あとは、急な雷雨などで馬場状態が激変する事態に陥った時は、その時々で臨機応変に対応していく以外にないような気がしています。
ということで、中心には⑯ソダシを推します。
この枠の並びでレーンJだと、ハナに行ってしまう可能性も否定はできませんが、理想はサウンドビバーチェを先に行かせての番手外でしょう。
ただ、いずれにしてもペースが上がるとは思えないメンバー構成ですので、前に行けるアドバンテージを生かし、そこからいつものように後続をスッと突き放すようなひと脚を使えるようだと、さしものスターズオンアースもこの馬を差し切るのは簡単でないのかな、と。
2番手は、②スターズオンアース。
仮に、明日も土曜日と同様の高速馬場になるとすれば、ルメールJは下げて大外という選択はせず、馬群を捌いてくるようなレースを仕掛けてくるのではないかと考えます。
ただ、この作戦には「ドン詰まり」のリスクが伴いますので、この馬のポテンシャルの高さに最大限の敬意を表するにしても、やはり2番手評価までが精いっぱいでした。
3番手は、⑪ナミュール。
この馬は、土曜日の前が止まらない馬場状態を強く意識した鞍上が、強気の先行策に打って出るのではないかと考えています。イメージとしては、ソダシを前に見る位置での競馬ですね。
ただし、これをやるには、まずゲートを決めないといけませんし、半歩でも後手を踏んだ中で勝ちを意識して競馬をすると、終いに伸びを欠くシーンがあるとみて、今回はこの位置の評価としました。
4番手は、⑤スタニングローズ。
この馬の鞍上は、洞察力が鋭く馬場傾向に順応するのが上手ですから、そこへの期待込みでの4番手評価となります。
秋華賞でも、ポテンシャル面では2,3着に劣る中でキッチリと勝ち切ってみせましたので、3強の一角を崩すならやはりこの馬になるのかな、と。
その他、サウンドビバーチェは、楽逃げかつソダシが可愛がってくれるようなら十分に残り目がありそうですけど、今の馬場を考えても、素材的に少し足りないとみて最後に消しました。
ソングラインは、ドスローからの瞬発力勝負でいい馬ではありませんし、戸崎Jでこの枠だと、どうしても先週のエエヤンでの悪夢が蘇ります。力はもちろん通用する馬ですけど、今回はレース条件がちょっと厳しいような気がしています。
イズジョーノキセキには、完璧にハマり切った際の怖さがあるのですけれど、今回はさすがに確率が低いような気が……。よって、ノーチャンスとは言いませんが、あえて拾うところまでは行きませんでした。