ルーキージョッキー考察
前週は、8人のルーキージョッキーがデビュー。そのうちの2名が、見事、初勝利を挙げましたね。
8人ともまだデビューしたてで、まだまだ経験不足なのは当然のこと。だから、現時点で、各ジョッキーについて確定診断することはもちろんできないのですが、一方で、精神的に余裕のない今だからこそ、各ジョッキーの本質が垣間見える場面もいくつかありました。
こうしたファーストインプレッションというのは、これから先、8人のジョッキーと上手に付き合っていくために、絶対に欠かせない要素なります。
ちなみに、昨年は4人の新人ジョッキーがデビューしましたが、今日は、当時の僕のファーストインプレッションと各ジョッキーの今を簡単に振り返るところからはじめてみたいと思います。
☆秋山 稔樹
【ファーストインプレッション】
積極的にレースを運ぼうとする意識が強く感じられる点は好感。ただ、技術的にキラッと光るところがあったわけではないので、今後の成長を見守っていく必要がある。
【彼の今】
もともとの積極性に磨きがかかり、昨年の秋ごろから、逃げ馬での活躍が目立つようになった。今年に入ってからは、向正面マクリや外枠からインのポケットを取り切るような意識の高い騎乗も見せるようになっており、デビュー当初のイメージ以上にハイペースで成長している。
☆小林 脩斗
【ファーストインプレッション】
精神的に落ち着いているイメージはあるものの、正直、技術的には4人の中で一番下。今後は、どんなところでもいいから、これと言った個性を身につけられるかどうかがカギになりそう。
【彼の今】
徐々に馬のリズムに合わせてレースを運ぶ意識が高まってきていて、昨年は、乗りこなすのが難しい東京ダ1,300mの外枠でも、見どころをあるレースを見せていた。技術的にはまだまだだが、こちらが思っている以上には成長している印象もある。
☆原 優介
【ファーストインプレッション】
デビューの週から、コースロスのない騎乗に高い意識を見せており、将来の飛躍を期待させるのに十分な雰囲気を醸し出していた。この世代では、間違いなくNO.1の素質を秘めている。
【彼の今】
昨年、所属の変更などもあって順風満帆とはいかないが、それでも、ここ最近は人気薄の馬を上位に持ってくることが増え、やはりその騎乗センスの良さには非常に見どころがある。所属変更後は、人気馬に騎乗するケースは少なくとも、騎乗回数はしっかりと確保できているので、いつ大化けしてもおかしくない位置にいるのは間違いない。
☆泉谷 楓真
【ファーストインプレッション】
まだガンガン押すだけだが、前に行く意識が強い点は好感。ただ、脚を溜めるという意識が低く感じられるので、逃げ・先行専門のジョッキーに育っていくイメージか。
【彼の今】
この世代ではもっとも乗り鞍に恵まれたため、差し馬でも、だいぶ落ち着いて騎乗できるようになってきた。ただ、やはり前に行ってなんぼの感は残っていて、同期内における成績ほどの突出感は感じられない。それでも、しっかりと上昇曲線を描くことはできているので、今後のさらなる成長に期待したい。
さて、いよいよここから、今年デビューの8人についてのファーストインプレッションを紹介していこうと思う。
★小沢大仁(おざわだいと)
デビューの日に2勝を挙げたという結果も素晴らしかったが、その内容も十分に褒められていいもの。1Rのメイショウホタルビでは、1コーナーを3番手の外目で回ることになったのだけれど、内の馬にタイトに寄せていく騎乗を見せていて、その一瞬の所作を見て「彼は競馬を知っているな!」と思わせたものだった。
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