週末の障害戦回顧(8/22,23)
事前にnoteに掲載した内容について、今週も野球に例えて答え合わせしてみると、1打席目は犠牲フライで打点1、2打席目は打つ気なしの見逃し三振。そして3打席目、狙い球をしっかりとミートしてツーベースヒット。こんな感じでした。
全体観としては、ほぼ想定内の結果になっていたので、熱が冷めないうちに1レースずつきちんと結果を振り返っておくことにしましょう。
8月22日(土) 新潟1R
ここは、レース前日の評価で、唯一、信頼してよさそうな馬としたメイショウハニーが、人気に応えて1着。ほぼ想定どおり、2着以下を引き離す快勝となりました。
ただ、快勝したと言っても、この馬は自分の力を出し切っただけ。ふと振り返ると、後ろが勝手に離れていったという感覚だったと思います。やはり新潟コースとの相性は抜群でしたが、昇級して即通用とまでは言えず、相手関係や展開に恵まれての狙いというところに落ち着きそうです。
外から2着に突っ込んできたアーバンキッドは、折り合い面で一応の進境を見せていたものの、簑島騎手で終始外々を回る苦しい形。それでも2着まで押し上げてきたのは、レース間隔をあけて馬が良くなってきたということなのでしょう。こんなレースができるなら、当然、次走以降も要注意。後は、ジョッキーが誰になるかによって、評価の上げ下げをするイメージになると思います。
その他、ある程度人気になっていたクリップスプリンガ、ルンルンキャット、ルグランパントル、ダイワスキャンプ、ホウオウアクセルの各馬は、ほぼ想定どおりの内容で馬券圏外に消えていきましたね。このうちクリップスプリンガは、やはり初戦と同様に飛越のたびに外へ逃げていましたから、これが右回りで改善されるのか、それとも右に飛ぶ癖がついてしまっているのかは、今後のレースでしっかりと見極めていく必要があると思います。
2戦目での前進を見込んだハギノフロンティアは、想像以上に新潟が合わない印象がありました。今回のレース内容からすると、次走一変までは期待薄ですが、今後、京都や阪神、中山あたりに使ってきた時に、一応の注意は必要かもしれません。
8月22日(土) 新潟4R
ここは、僕が事前に白旗を上げたレースなのですが、やはりというかなんというか、ゴール直前まで4頭が鎬を削る大接戦となりました。
勝ったスマートボムシェルは、道中、終始最内をコースロスなく追走して、最後の直線も最内。もうこれは、植野Jの大ファインプレイでしょう。これだけジョッキーの気の利いたアシストがあれば、この馬にも勝ち負けに持ち込めるだけのポテンシャルがもともとあったわけで、8番人気での勝利といえども、まったく驚くような結果ではありません。
それより驚いたのは、2着ヒロノタイリクが逃げの手に出たこと。基本、出脚が良くないタイプの馬でこの作戦に出るとは、さすがは難波Jというところでしょうか。まあ、あそこまで行ったら勝ちたかったと思いますが、先行するにしろ差すにしろ、スムーズなレースさえできればここで勝ち負けに持ち込めるだけの力はあったわけで、この馬が9番人気というのはどうしても腑に落ちないなあ~。地味ながらも難波Jは素晴らしいジョッキーだと僕は評価しているですが、競馬メディア関係者からは、どうも過小評価されている気がしてなりませんね。
3着メイショウゴウリキは、小坂Jがスムーズな競馬をした分の好走で、ほぼ実力相応の結果。4着ザメイダンは、勝ちに行く競馬をして、前を捉えられずに後ろに差されているのだから、ここはひとまず力負け。それでも接戦には持ち込んでいるので、悲観するほどの内容ではなかったと思います。
ここで上位に入線した馬たちは、いずれまた再戦することになると思いますが、コースやジョッキー次第で目まぐるしく着順は変わるはず。どうやら、今後もいろいろと頭を悩ませることになりそうで、今からちょっと恐ろしいですねえ~。
8月23日(日) 小倉1R
ここは、事前のnoteの記事で挙げた5頭のうちの4頭が、1着から4着を独占。順番はともかく、ほぼ事前に描いた未来予想図どおりの結果になったのはよかったと思います。
勝ったスマートアペックスは、ペースがスローと見るや、自ら逃げ馬捕まえに行っての勝利。派手な勝ちっぷりではなかったものの、しっかりと能力の高さを見せつけてくれました。さすがに昇級して即通用とはいかなそうですが、軽快な先行力は間違いなく武器になるので、いずれオープンで好勝負を演じるシーンがあるかもしれません。
それにしても、ここ最近の中村将Jは乗れていますね。先週のガッツィーソートでの3着といい、このレースでの人気に応える勝利と言い、実にお見事。単に調子がいいというだけでなく、障害ジョッキーとしてのレベルが1ランク上がった感すらありますから、中村将Jの今後の騎乗から目が離せなくなった気がします。
2着のアドマイヤアゼリは、最終障害の着地で躓かなければおそらく差し切っていたでしょう。ただ、安全に飛ばせるのではなく、勝負に行った森一馬Jの判断は間違っておらず、攻めた結果の2着はむしろ称賛に値すると思います。
ただ2着という結果以上に印象的だったのは、道中、この馬が中団で流れに乗ってスムーズにレースを進められていたこと。西谷J騎乗だった前2走がいったい何だったのかと思わせるほど、スムーズなレースができていました。やっぱりこうやって比較してしまうと、現時点での西谷Jと森一馬Jの実力差は歴然としていることがよくわかります。次走も森一馬Jの連続騎乗なら勝ち負け必至、西谷Jに手が戻るなら疑ってかかる必要あり。そんな評価になりそうです。
さて、3着のテイエムチェロキー。事前の予想どおりの単騎逃げ、さらに飛越もスムーズになっていましたから、この内容なら、3着好走も当然の結果と言えるでしょう。
佐久間Jが絶妙なペース配分でレースを進めた結果の3着ですから、ここは先着を許した2頭が単純に強かったということ。なので、次走はここからもう一段階の上昇がないと、勝ち負け必至とまでは言えません。どうせ次は人気ですし、上位争いは必至でも深追いは禁物。そんな評価にとどめておきたいですね。
シゲルタケノコは、内で脚を溜める器用なレースぶりから、伸びずバテずの4着。それでも常連組の中では、キッチリと最先着していますし、今日は少し馬体に余裕があったことも考慮すると、まずは自分の力は出し切ったと考えるべきでしょう。こんなタイプの馬ですから、今後もブロンズコレクター路線を歩みながら、時に銀メダル、時にメダルを逃すみたいなレースが続きそうです。
そして、五十嵐Jに乗り替わって、一変するならこのレースしかないと予想したジョーカーワイルドは、結果7着だったもののレースぶりはやはり一変していましたね。
ペースがスローだったとは言え、前半から楽な手応えで追走できていましたし、襷コースで自ら位置を上げていくような器用さまで披露。勝負どころで一気にペースが上がった時、さすがに反応しきれませんでしたが、もし大雨がもう少しだけ早く降っていたら、ゴール前でのこの馬の突っ込みもあったかなと思わせる好内容でした。
それでもこんな器用なレースができるなら、メンバー次第ではありますが、近いうちに馬券圏内まで突入してきてもおかしくはないと思います。ただそれは、五十嵐Jが騎乗する前提での話。また小野寺Jに手が戻るなら、また買う価値のない馬に逆戻りしてしまうことは言うまでもありません。次走、ジョーカーワイルドに誰が騎乗するのかは、地味に気になるところではありますね。
ところでちょっと余談にはなりますが、このレースの3連複3,900円はさすがにないでしょう。もちろん、こちらとしてはとってもありがたい話ではあるのですが、プロの評論家たちはいったい何をやっているのかと…。
ここ最近の障害界では、馬のレベルもジョッキーのレベルも確実に上がっているのに、まわりがそのレベルに追いついていないのは、本当に恥ずかしいこと。中には障害レースの予想に力を入れている評論家がいることも知っていますが、割合的にはまだまだ少数でしょう。少なくともお金をもらってプロとして仕事をしているのだから、じっくりと吟味することなく印なんか付けちゃダメ。誰も見ちゃいないかもしれないけれど、この機会に僕から強烈なダメ出しをしておこうと思います。