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週末の障害戦回顧(9/26,27)


今週は、障害戦の結果を回顧する前に、障害戦を主戦場とするジョッキーの平地競走での活躍に触れておきましょう。


まずは、日曜日中京4Rクープドクールで勝った難波剛健J。今年の平地競走への騎乗数が10にも満たない中で、少ないチャンスをものにしたのは本当に素晴らしかったと思います。

デビュー当時の難波Jを知る身としては、正直言って、今、この瞬間に現役のジョッキーをやっていることがにわかに信じられないくらいなのですが、それだけ地道な努力を重ねたきたということ。障害ではすでにトップジョッキーの一人という地位を確立していますが、平地でもこうして活躍しているシーンを見ると思わず胸が熱くなります。

もちろん、予想という意味で私情を挟むのはNGですけれど、クープドクールのようにハミを自ら取っていくようなタイプの馬を御せる騎手はそれほど多くないでしょうから、少なくともこの一戦について言えば、難波Jだから勝ち切ったと言える部分もあったと思います。馬自身もこの厳しいラップを踏んで後続の追撃をしのぎ切ったのですから、見た目以上に強い競馬だったと言っていいでしょう。この馬に難波Jが跨って、桜花賞に駒を進めるようなことがあったら……。競馬って、本当に夢がありますよね。


お次は、日曜メイン神戸新聞杯に出走したロバートソンキーを3着に持ってきて、見事、菊花賞の優先出走権を手にした伊藤工真J。こちらも、少ないチャンスを見事に活かし切った好騎乗だったと言えるでしょう。

伊藤工Jは、もともと平地でも力強い追いっぷりでしばしば見せ場を作っていました。ただ、なかなか乗り馬に恵まれなかったこともあってか、いつの間にか障害戦との掛け持ちに。障害戦ではまだまだ粗さが目立つ騎乗ぶりではありますが、障害戦で得た経験もしっかりと活かしつつ、最近の平地戦での騎乗ぶりは明らかに力強さを増してきた印象があります。

希望を言えば、菊花賞本番でも伊藤工Jに騎乗してほしいですね。特に長距離戦では、障害戦での騎乗経験を確実に活かすことができますから、ライトな競馬ファンの方々にも「伊藤工真」の名前を覚えてもらえるようなレースを期待したいと思います。


では、ここからが本題。今週行われた障害戦2鞍を、振り返っていくことにしましょう。成績的には、今週は久しぶりのノーヒット。まあ、原因ははっきりしているので、さほど悲観的になる必要はないかなと思っています。

9月26日(土) 中山8R清秋ジャンプステークス


まずこのレースの全体観から言うと、勝ったビッグスモーキーから11着マイネルヴァッサーまでが2秒以内に凝縮されていますから、凡戦になってしまった印象が拭えませんね。

勝ったビッグスモーキーは、凡戦になったことで自分の力だけ走ったら勝っちゃったという評価になります。この馬にとって中山に舞台が替わったことはプラスに働きましたし、後ろがゴチャつくなかで唯一頭スムーズな競馬ができたことが勝利につながりました。とはいえ、今回はいろいろと恵まれての勝利ですから、基本的なこの馬の評価を覆すような走りではなかったと思います。この好走で、次走はまた上位人気必至ですから、やっぱり危ない人気馬という評価に変わりはありません。

2着のスマートアペックスは、事前に「好枠と器用さを生かして好位のインで上手に脚を溜められれば、まったくのノーチャンスとは言いません」としていたとおりの理想形に持ち込んでの好走。よく頑張りましたが、果たして高い再現性があるかどうかには疑問符も付きます。

3着のネプチュナイトは、久々でややテンションが高かったですし、道中の行きっぷりを見ても、それなりに休み明けが堪えていた感じもありました。それでも勝ち切ってほしかったというのが正直なところですが、なんとか馬券圏内は確保しているわけですから、まずは及第点ということにはなるでしょう。今回のレースぶりを見る限り、次走は確実な前進が見込めそうです。

4着マサハヤドリームは、馬体も戻っておらずパドックではややイレ込み気味。さらに大外枠で脚を溜められるシーンもありませんでしたから、普通なら大敗してもおかしくない状況だったと思います。それでも僅差の4着に踏ん張ったのには本当に驚かされましたし、むしろ完調でレースを使えれば一線級相手でも通用してしまいそうな感触も得られましたね。この馬の場合、やはり関西圏でのレースがベストですから、次走使ってくる条件によっては、大きく狙ってみてもいいのかもしれません。

10着レンジストライクは、やはりというかなんというかここで実力上位というわけではありませんでしたね。平沢Jが上手に乗ってこの結果となると、次走即巻き返しとなるかはかなり微妙な気がします。

13着ノーザンクリスは器用さがウリのところ、好位でのガシャガシャに巻き込まれて完全に失速。今回は、参考外のレースと言っていいでしょう。とは言え、もともとガチンコ勝負できるタイプでもありませんから、枠順や相手関係を見極めながらでないと、強気に狙っていく感じもありませんね。


9月27日(日) 中京1R未勝利


ここもレースの全体観から言うと、超スローの上がり勝負となって、中団以降にいた馬は完全にノーチャンス。そんな競馬になりました。

勝ったストレートパンチは、伴Jがうまくスローペースに持ち込み、向正面でほぼ勝負を決した感もありました。このペースで行ければこれくらいは走れる馬ですから、ジョッキーの完璧なエスコートによって掴んだ勝利と言っていいでしょう。

2着のマコトガラハッドは、入障2戦目で好位を取れたことが好走につながりました。展開に恵まれたのは事実ですが、もともと平地の脚はある馬なので、次走以降も大崩れはしないイメージでいいのではないでしょうか。

3着ディレットーレは、森一馬Jの完璧なエスコートがあって離された3着ですから、この馬の決め手不足は相当に深刻です。次走、相手弱化で押し出された人気になるようなら、嫌って妙味ありだと思います。

4着キャプテンペリーは、唯一頭後方から脚を使いましたが、この展開ではここまでが精いっぱいだと思います。今後も展開に左右される面はありそうですが、さすがにここまで超スローの流れになる確率は低いので、次走も勝ち負けを期待していいのではないでしょうか。

6着テイエムグッドマンは、スタートで行き脚がつかず序盤は折り合いを欠いていました。そこで馬に逆らわずに行かせてしまえば結果は大きく違ったものになったはずですが、高田Jは勝負をかける選択をしませんでしたね。それでも大崩れはしていないので、この馬の能力の高さは見せたと思いますが、高田Jらしからぬ消極的なレースぶりには、ちょっとガッカリさせられました。次走も有力馬の一頭には違いありませんが、ジョッキーが乗りづらそうにしている雰囲気もあるので、全幅の信頼までは置きづらいですね。

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