第60回 七夕賞/第29回 プロキオンSのみどころ
福島11R 七夕賞
今年の福島開催は、高速決着のレースが3週目まで続いていて、外差し有利の傾向は今のところ見られません。
その一方、ここは「できればハナに行きたい」という馬が3頭いる組合せとなりましたので、ペースはそこそこ流れそうなんですよね。
そうなると、最前列からとか、最後方からという競馬は結構きつくて、それなりの位置で上手に立ち回った馬にチャンスが訪れるような展開になる公算が高いのかな、と。
中心には、③ボーンディスウェイを推します。
この馬は、好枠を引けたことで先行馬を前に見ながら余裕を持って先団を追走できそうですので、展開面で大きな恩恵を受けられることはほぼ間違いないでしょう。
鞍上の強気な性格からも、早め先頭から押し切ろうという積極的に競馬に持ち込んできそうですので、動くタイミング次第では後続の餌食になる可能性もありますが、今の馬場状態を考えればこの馬の機動力が勝る可能性の方がやや高いのかな、と。
2番手は、⑨ダンディズム。
この馬は、地味ながら常に堅実な差し脚を繰り出せる馬ですので、展開次第では、大外から一気に伸びて勝ち負けに持ち込んで来る可能性をそれなりに感じされてくれる存在ではあります。
もちろん、馬のタイプ的にペースが落ち着けばどこさもないでしょうし、鞍上弱化の影響がどこまで出るかは心配ですけど、富田Jの騎乗でもソコソコは動けていた馬ですので、三浦Jに乗り替わってまったくダメということもないのかな、と。
3番手は、⑦ノッキングポイント。
この馬に関しては、展開が最もフィットする位置にいるのはほぼ間違いないと考えています。
あとは状態面がどこまで戻っているかが問題で、前走程度の状態だとまだ少し足りない印象もありますが、ちょっとでも上積みが見込める状況にあると見るのであれば、今回はこの馬の激走にも警戒が怠れないのだろう、と。
4番手は、⑤カレンルシェルブル。
この馬は、長くいい脚が使えるタイプではないだけに、いかにコースロスなく馬群を捌いて来られるか、そこが成否を分けるポイントになってくるのではないでしょうか。
枠の並び的には、前走よりも間違いなく恵まれましたので、道中の立ち回りがビタっとハマった暁には、馬群を捌いての馬券圏内突入が現実味を帯びてくるとみています。
その他、キングズパレスは右回りだと内にモタれる悪癖がありますし、展開的に松岡Jが中途半端に動いて行きそうな点も気になりますので、ここを勝ち切れる能力があることは承知の上、あえて今回は評価を大きく落としてみることにしました。
リフレーミングも非常に脚の使いどころが難しいタイプの馬ですので、この枠の並びでシンプルな競馬をするようだと、対カレンルシェルブルではやや劣勢に映るのですよね。
レッドラディエンスに関しては、ここまでの堅実な戦績を無視できないのですけれど、どちらかというと立ち回りのうまさで勝負したいタイプの馬だけに、激流が予想される展開面がどうなのか、と。評価としては次点ということになりますし、おそらくここもそれなりの走りは見せてくるのでしょうが、人気ほどの信頼は置けないとみてあえてやや評価を下げました。
小倉11R プロキオンステークス
明日の小倉は晴れ予報で、脚質による有利不利が大きいレースにはならないとみてよさそうです。
このレースのポイントは、一にも二にもヤマニンウルスの取捨をどう判断するか。計り知れないスケールを感じさせる馬であることに違いはないのですが、冷静の持ち時計を比較するここが試金石となりそうな予感もしますので、この馬の置きどころが明暗を分ける。そう言っても過言ではないのでしょう。
展開的にも、ヤマニンウルスが持ったままで4角先頭に並びかけると考えるのか、それともそこまで楽なレースにはならないと考えるかで弾き出される結論はまったく違うものになるのかな、と。
よってここは、ヤマニンウルスを素直に信頼するか、もしくはヤマニンウルスの動きがどうあれ自分の力を出し切れそうな馬にフォーカスするのか、そのどちらかが正解なのかなと考えています。
ということで、中心には⑨ハピを推します。
この馬からすると、ここは未体験の距離となりますし、激流が予想される中で追走に戸惑わないかの心配もありますが、なんだかんだダートでは崩れませんからね。
仮に前半の位置取りが悪くなったとしても、今の菱田Jなら慌てずその位置で脚を溜める選択ができそうですから、そうなれば終いは切れる脚を使って伸びてくるはず。そう判断しました。
2番手は、⑭ブラックアーメット。
この馬は千七の距離がベストですし、展開面の恩恵もありそうという中で、あとは地力がここで足りるのかどうか。その点がすべてでしょう。
正直、ガチンコ勝負ではせいぜい5,6番手の存在という感じもありますが、展開を味方につけられれば、トリッキーな小倉コースで一気の躍進を見込んでもいい。そう判断しました。
3番手は、⑤スレイマン。
この馬は、間違いなく小倉の千七がベストですので、鞍上に対する信頼感込みで考えるのなら、この位置には置いておかないとダメかな、と。
前走は、レース条件と相手関係的に厳しいレースになることはあらかじめわかっていましたので、人気を裏切ったと捉えるのは正しくないわけですし。
4番手は、⑪ヤマニンウルス。
う~ん、この馬をこの位置に置くのはヘタレ以外の何物でもないのですけれど、「先行馬で残るとすればやはりこの馬」と考えざるを得ず……
本心を言えば割り切って消し去りたかったのですが、ほかに魅力のある伏兵も見当たらなかったのですよね。
また、この馬を最後に拾ったのは、この馬の頭固定馬券は思いっきり売れそうですけど、2,3着になった時の馬券は意外と悪い配当にならないんじゃないだろうか。そんな算段があったからでもあります。
その他、デシエルトは、まだ本調子に戻り切っていない中で激流に巻き込まれそうな印象ですので、絶好調ならともかく、今のデキだと厳しい展開を凌いで粘り切るほどの体力はまだないのかな、と。
ブルーサンは、ハナに行けないと二束三文ですし、仮に行き切れたとしてもヤマニンウルスやデシエルトあたりの強烈なプレッシャーに晒されることになりそうですので、今回のメンバー構成ではちょっと狙いづらいですね。
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