第72回 スプリングステークス/第71回 阪神大賞典のみどころ
明日は、中山でスプリングステークスが、阪神で阪神大賞典が行われます。
どちらのレースも、道悪からの回復傾向の中で行われるレースとなりますので、馬場適性やトラックバイアスなどの要素については、普段以上に注意を払ってさじ加減を調整する必要が出てくるのではないでしょうか。
その意味で、単純なポテンシャル比較だけで楽に当てられるようなレースにはおそらくならない。個人的には、そう考えています。
では、早速、それぞれのレースの見どころについて、解説していくことにしましょう。
中山11R スプリングステークス
外差し有利な今のトラックバイアスを考えると、ここは、ヴィクティファルスが勝った一昨年のようなレースの形になるのでは……。個人的には、そんな妄想をしています。
当時は、レース結果自体も紛れた感じでしたし、その後、ヴィクティファルスが期待ほどには走れていないことを考慮すると、やはり今年も何でもアリの大乱戦になってもおかしくはないのかな、と。
また、展開面もカオスな感じですからね。
前走で逃げた馬が何頭もいる組み合わせで、前の並びがどうなるのかもまったく読み切れないメンバー構成となりましたので、そこそこの地力があって通ったコースと仕掛けどころがマッチすれば、人気薄の馬でも十分に好勝負に持ち込めるだけの条件が揃っている。そんな予感が漂います。
ということで、ここは球種とコースにヤマを張り、それ以外の球が来た時は三球三振でOK。
そんな戦略で、シミュ―レーションを組んでみたら面白いのかな、と。
中心には、思い切って⑬トーセンアウローラを推します。
この馬、デビュー戦でセブンマジシャンの2着しているわけですが、年を跨いでの小倉戦では、馬体を大きく増やし一気にパワーアップしていたのですよね。
前々走は脚を余して敗れましたが、当時の勝ち馬の次走を見れば、レースレベルが低かったわけではないことが明らか。また前走は、未勝利戦としてはメンバーが揃っていた中での快勝でしたから、臨戦過程は地味ですけど、セブンマジシャン比較でここでも好勝負に持ち込めるだけの下地は十分に備わっている。そう考えています。
さらに言えば、道悪適性の高さは前走で証明済。加えて鞍上の丹内Jは、何でもアリの大乱戦が得意なジョッキーでもありますので、ここは場内をアッと言わせるような走りに期待してみたいですね。
2番手は、⑮セブンマジシャン。
前走は、大きな不利があって期待外れのレースとなってしまいましたが、ここは展開、馬場、トラックバイアスとあれこれすべてが噛み合いそうな気しかしませんので、相手筆頭はシンプルにこの馬でいいのかな、と。
3番手は、⑥ジョウショーホープ。
この馬は、どうにも地味な印象が拭えませんが、常に自分の力を出し切れる精神力の強さがありますし、これまでに戦ってきた馬たちとの相手関係を考えても、ここなら上位争いに喰い込んでくる可能性は高いのだろうと評価しました。
4番手は、⑨アイスグリーン。
こちらは、コーナー4つのコースでマクる競馬が合いそうですので、今のトラックバイアスにピッタリとフィットするイメージなんですよね。力関係的にはやや微妙なところもありますけど、今の特殊な馬場を味方につけ、その上で自在に動ける器用さを存分に活かせるようだと、上位争いに絡んでくるシーンも十分なのかな、と。
その他、展開面を考慮して、ここは前目で神経戦を展開しそうな馬たちを全馬まとめてぶった切ることとしました。
狙い球はひとつ。そこは、絶対にブレちゃいけませんので……(笑)。
阪神11R 阪神大賞典
このレースは、比較的力の開きが大きい組み合わせとなりましたので、あとは「展開面とトラックバイアスの部分でどれくらい紛れる要素があるのか」というところを、しっかりと検討すればいいイメージになるでしょうか。
中でも展開面には注目で、「どの馬が前に行くのか」だけではなく、隊列が縦長になるのか、それとも団子状態になるのかも含め慎重な検討を行わないと、思わぬところで足元をすくわれかねない。そんな気もしています。
その中で、個人的には外枠からアフリカンゴールドが徹底先行策を仕掛けてくるとみていますので、道中はそれなりにバラける展開になって、各ジョッキーの仕掛けどころが難しくなるのではないか、と。
特に自分でレースをつくれないタイプの馬にとっては、展開面で「運」に見放されてしまった瞬間に、かなり厳しい競馬になるのではないかと推理しているところでもあります。
ということで、ここは自分でレースをつくることができる⑬ディープボンドの安定感に賭けてみたいと思います。
この馬、いつもどおり枠の引きは悪かったですけど、昨年も外々を自分から動いていくレースをしてなんとか勝ち切れましたから、仮に今年も同じような負荷がかかる展開になったとしても、なんだかんだしっかりと勝ち負けには絡んでくる。そう考えています。
2番手は、⑧アイアンバローズ。
この馬の場合、阪神に舞台が変われば確実に走ってきますので、対ディープボンドで考えると劣勢を否めませんが、「その他の馬との比較」という意味でなら、展開面を含め相対的な優位性があるのではないか、と。
3番手は、③ジャスティンパレス。
この馬にとって、この条件がベストではないのかもしれませんけど、折り合い面に不安はありませんし、前々のいい位置でレースを進められるタイプの馬でもありますからね。よって、ここは変に逆らうことはせず、シンプルにこの位置に置いておくこととしました。
以上、上位は3頭にしておきます。
その他、ボルドグフーシュは、展開面にヤマを張って消した感じになります。本番を前に川田Jも序盤から無理はさせないでしょうし、そんな中で前の馬たちにうまくペースをコントロールされてしまうと、差して届かずの決着も十分に想像はできるのかな、と。只今絶好調の川田Jに逆らうのは、なかなか勇気が要ることですけど、中途半端な対応はむしろ傷を広げるだけですので、消す時は割り切って消す。明日は、そんな姿勢で行ってみたいと思います。
アフリカンゴールドとブレークアップには、展開面での怖さが少しだけあるのですが、ポテンシャル面でやや厳しい感じがありますし、アイアンバローズあたりが早めに仕掛けて行く可能性が高いと考えるのなら、必要以上に残り目を警戒する必要もないのだろう。そう判断しました。この2頭あたりだと、末脚不発のボルドグフーシュにも簡単に差されそうですし……。
あとは、ユーキャンスマイル、サンレイポケット、メロディーレーンあたりがうまく立ち回った時に、馬券圏内の可能性がいくらか生まれそうな感じがありますけど、無理してまで低い確率の「そこ」を拾いに行く必要もありませんので。
さてさて、そろそろどちらか一つくらい重賞が当たりませんかね。
土曜日の感じだと、最悪の流れは脱し上昇機運に乗った気もしているので、さらなる追い風が吹くことを期待してみることにしましょう!