見出し画像

日本ダービーの見どころ


明日は、東京競馬場で日本ダービーが行われます。

新馬戦のスタートから、翌年の日本ダービーまでを1クールと昔から考えている僕にとっては、ここが一年の集大成のレース。そのため、どうしたって普段以上に力が入ってしまうのですが、できる限り冷静に、そしてしっかりと見どころ解説を進めていきたいと思います。


ところで今日に関しては、日本ダービー各出走馬について、この研究所内の過去のレース回顧記事の中で、各馬に言及した時の記事にリンクを貼るという試みをやってみようと思っています。ダービー出走まで、ほとんど言及したことがない馬もいれば、新馬戦の直後から注目していた馬もいるわけですが、そこを振り返っておくと非常に面白いと思うので、、、

もちろん、振り返ってみた時に、評価が概ね正しいものもあれば、完全に的外れなケースもあるのですけど、それらすべてがこの研究所の真の姿なので、是非、ここを訪問してくださる皆さんにしっかりと見ていただきたいな、と。そしてその中から、いいことでも悪いことでも構わないので、何かを感じ取っていただくことができればうれしいな、とも思っています。

それでは早速、レースの見どころを解説していくことにしましょう。

東京11R 日本ダービー


さて、まずは、出走各馬に言及した過去記事の振り返りから。時間のない方はスルーしてもらって構わないですけど、原則、数本程度の記事の抜粋を貼っておくので、ちゃんと振り返ってもらえたらうれしいですね。ダービー発走前の答え合わせ的な感じで見てもらえると、結構面白いと思いますよ。

①エフフォーリア

う~ん、新馬戦当時からこの馬のスケール感はしっかりと評価できていたものの、どうもこちらの対応が、後手後手に回っていたことが過去記事の中から垣間見えますね。さて明日、この馬のポテンシャルの高さに、こちらがようやく追いつくことになるのか、要注目です。

②ヴィクティファルス

う~ん、この馬については、もともと高い評価をしていないことがよくわかります。

③タイムトゥヘヴン

この馬に関しては、過去にあまり詳しい言及がありません。こうして振り返ってみると、自分自身でも、GⅠレベルでは、この馬にあまり大きな期待をしていなかったことがよくわかります。

④レッドジェネシス

こうやって振り返ってみると、この馬とは比較的上手に付き合ってこられたことがわかります。本格化の兆しにもしっかりと気づけていますし、自分が下した評価に対して、及第点を与えてもいいのかなと思います。

⑤ディープモンスター

安定した成績を残してきているのに、どうもこの馬に対する言及が少ない。う~ん、世間の注目をよそに、あまりこの馬を高く評価してないことがよくわかりますね。

⑥バジオウ

うんうん、この馬とは、ここまで非常に上手に付き合えていますね。馬のほうも、この世代の"ものさし馬"として大車輪の活躍をしてくれていますから、その点も自分をほめてあげたいです。

⑦グラティアス

う~ん、ここまで、この馬の素性を把握するのに、ちょっと苦労している様子がうかがえますね。それゆえ、ダービーにおける評価の精度について、もっとも不安を持っているのが、この馬だったりします。

⑧ヨーホーレイク

この馬に関しては、デビュー戦直後の評価で、完全に潜在能力を見誤っていたことがわかります。思わず、笑っちゃうほど……。その後、修正を図ってはいますけど、やっぱり後手後手ではありましたね。

⑨ラーゴム

う~ん、この馬が、常に暴発するリスクを抱えていることは、早い段階からから見抜けていましたが、皐月賞では、この馬とうまく付き合えていません。いい馬なんですけど、やっぱり、オルフェーヴルの狂気の血は、伊達じゃありませんね。

⑩シャフリヤール

この馬に関しては、デビューから2戦、まったく言及がありません。良血馬でコスパが悪いことを措くとしても、やっぱりちょっといただけないですよね。毎日杯の結果を見てあれこれ言っているようじゃ、平均的な競馬ファンと何も違いがないのですから、これは本当にヒドイもの。落第点ですね。

⑪ステラヴェローチェ

この馬とも、上手に付き合えているとは言えないですね。どちらかと言うと、ずっと過小評価してきてしまった印象で、ちょっといただけません。

⑫ワンダフルタウン

う~ん、この馬は、記事への登場回数が非常に多い。それだけ、デビュー当初から期待していたことがよくわかります。正直、期待していたほどの成長は感じないのですが、それでもダービーの舞台にしっかりと駒を進めてきたのですから、この馬に関する評価については、自分をほめてもいいのかなと思います。

⑬グレートマジシャン

この馬に関しては、時計だけでは測れない素質の高さをしっかりと見抜けているので、自分的にも高評価してあげたいと思います。あとは明日、しっかりと結果を出せるかどうかですね。

⑭タイトルホルダー

この馬とは、完ぺきとは言えないまでも、まあまあうまく付き合ってきた部類でしょう。是非とも、明日のレースでも、上手に付き合いたいものです。

⑮アドマイヤハダル

この馬に関しては、完全無視を決め込んでいた昨秋のアイビーSを踏まえつつ、若葉Sでの本格化に気づけた点はよかったと思っています。そうなると、やっぱり、明日のダービーでの評価を間違わないことが、とても大事になるわけでして……。

⑯サトノレイナス

この馬に関しては、能力をやや過小評価していたフシもあって、あまり上手に付き合ってこられたとは言えないですね。ようやくオークスで仲良くできそうだったのに、よりによってダービーに出走なんて、本当に困ったものですねえ~(笑)。

⑰バスラットレオン

この馬に関しては、早い段階からマイラーと判断できていたので、その点は自分をほめたいと思います。まあ、これで明日、激走したらどうしようとは思いますけど、、、



さて、ここからいよいよ日本ダービーのシミュレーションに入っていくことにしましょう。

今週からCコースに替わった東京の芝コースですが、「相変わらず時計は速いけど、どちらかというと外差しが利きやすい」という馬場になっていると思います。ただ、「インが完全にダメ」というほどではないので、出走各馬とトラックバイアスとの親和性をどう評価するか、そのさじ加減がやや難しい状況になっているのは事実でしょう。


展開的には、十中八九、⑰バスラットレオンの逃げ。ただし、どんなラップを刻んでいくのかは、ちょっと判断に迷いますね。距離に不安があるわけですから、常識的に考えれば、向正面でペースを落として息を入れたいと考えるはずですが、ここは前走の落馬による予定外の出走でもありますから、失うものはないとばかりに、玉砕的なラップを刻む可能性もゼロではない。そこの読みは、やっぱり難しいな、と。

2番手グループも、⑥バジオウ⑭タイトルホルダーの前後関係がやや微妙ですし、そこに松山Jに乗り替わった⑦グラティアスあたりが積極的に絡んでいくとなると、好位勢も道中をリズム良く運べない可能性があって、なかなかに悩ましいなと思います。

ただ一つ言えるのは、今の東京の馬場だと、中緩みがあろうがなかろうが、どちらかと言えば、外から差してくる馬に有利であろうということ。ここが、予想を進めていく上での、重要なファクターのひとつになってくるのではないでしょうか。



次に各馬のポテンシャルを比較してみると、皐月賞組では、①エフフォーリアが完全に頭一つ抜けていて、2番手以下は混戦。コース替わりで、どの馬が台頭してくるのかこないのか、そこがひとつのポイントにはなるのでしょう。

そうすると、別路線組にも焦点を当てなければならないわけですが、はっきり、ハイレベル戦だった言えるステップレースは、⑩シャフリヤールが勝った毎日杯と、⑯サトノレイナスが2着した桜花賞くらいのもの。よって、基本的な構図としては、皐月賞上位組に、毎日杯組とサトノレイナスを加えた馬の中から、ダービーの勝ち馬が出ると考えるのが妥当なのではないだろうかと考えています。



さて、ここからは、個人的な見解を……。


中心は、素直に①エフフォーリアで行きます。

この馬、スローペースからの瞬発力勝負で良し、ペースが流れての持久力勝負で良しと、死角らしい死角が見当たらないのですよね。少なくとも、皐月賞組とは勝負づけが済んでいると思いますし、距離延長が大きなマイナスになるタイプでもありませんから、ガチンコ勝負になれば、普通にこの馬が一番強いと考えています。

ただし……、なんですよね。今のトラックバイアスを考えると、この1番枠は最悪な枠だと思いますし、先週日曜の3歳1勝クラスのレースで、1番枠、横山武Jのレフトゥバーズが取りこぼしたことに、なんとも嫌なイメージが残っていまして、、、

ジョッキーの騎乗スタイルとして、早めに外に出して進路を確保するタイプではありませんし、先行4頭の直後で包まれる形になったら、ちょっと嫌だな、と。勢いのあるジョッキーですし、そんな心配が杞憂に終わればいいのですけれど、懸念材料のひとつであることは間違いないのですよね。

この馬、多少馬場に削がれたくらいで崩れるとは思えないのですが、枠の影響で、勝つ確率が幾分下がった感じはしているので、頭鉄板と考えるのはヤメにすることにしました。まあそれでも、この馬が今年のダービーの主役候補最有力であることは間違いないですし、是非ともここで、無敗のダービー制覇を成し遂げてもらいたいと願っています。


相手は、⑬グレートマジシャン一択ですね。

なにより、セントポーリア賞でバジオウを子ども扱いしたレースぶりが圧巻でしたし、前走の毎日杯でも、シャフリヤールに敗れたとはいえ、負けて強しの内容。馬体が減ってテンションが上がり、その分、前半に行きたがるところを見せたとすれば、輸送のない東京で距離延長となる今回、シャフリヤールを逆転できる計算が十分に成り立ちますし、もしガチンコ勝負でエフフォーリアに対抗できる馬がいるとすれば、この馬をおいてほかにいないという結論が導き出されます。

確かに、ルメールJからの乗り替わりは、プラス材料とは言えないですけど、道中のアクセルワークを重視したいこの馬にとって、戸崎Jという選択は、次善の策とは言えるでしょう。また、枠がやや外過ぎる点も、戸崎Jなら、1コーナーにアクセルを緩めながら入ってくれるはずですから、いずれも致命的なマイナスポイントにはならない、そう判断しました。

まあ、エフフォーリアが力を出し切ってきたら厳しいとは思いますけど、相手が内枠の分、小さなロスを重ねてくるようだと、逆転の目もないわけではない。それくらいの力はある馬だと、ここで強調しておきたいですね。


実のところ、僕の予想は、この2頭の一騎打ち。もし馬券を買うとすれば、馬連は1点買いでいいとすら思っています。以下、続く馬に関しては、基本的に3着争いまで。ちょっと大胆ですけど、やっぱりここは日本ダービーですから、これくらい潔くいかないとカッコ悪いな、と。


これを踏まえた上での3番手は、⑩シャフリヤールになります。グレートマジシャン同様、この馬の毎日杯のパフォーマンスは圧巻でしたし、距離延長に不安がある分、やや評価を下げた形にはなりますけど、それでもエフフォーリアを除く皐月賞組よりは、こちらを上に取りたいですね。

この馬は、共同通信杯でエフフォーリアと一緒に走っているので、ある程度の能力差は測れますし、キャリアを積んだ分と枠順の差を考慮すれば、当時の着差が詰まってもおかしくはないだろうとにらんでいます。よって、グレートマジシャンの後塵を拝すことにはなっても、その他の馬に対しては、優位性が保てると判断して、この位置としました。


4番手は、ちょっと迷ったのですが、⑮アドマイヤハダルにします。この馬、今の東京の馬場にはキャラクターがピッタリとハマりますし、血統面はともかくとしても、レースぶりから距離延長には不安なし。ならば、皐月賞組の2番手は、この馬でいいのかなと思っています。

正直、エフフォーリアを逆転するイメージは湧きませんし、対グレートマジシャンでも劣勢だとは思いますが、3番手候補としては、他の馬よりも強調材料がやや多いのかな、と。


上位評価はここまでですが、その他の馬についても、若干の補足をしておこうと思います。

⑯サトノレイナスについては、自信満々に消したわけではないのですけど、計算上、ちょっと足りないかな、と。根拠としては、もしこの馬が先週のオークスに出走していたとしたら、おそらくユーバーレーベンよりも2馬身は前にいたと思っています。そうすると、走破時計は単純計算で2:24.2。さて、この時計で、ここで勝ち負けに持ち込めるのか、というところですね。

個人的な予測では、おそらく明日の勝ち時計は2分23秒台前半。2分22秒台の決着になっても驚きはせず、バスラットレオンのレースメイク次第では、
2分21秒台の決着も現実味を帯びてくると思っています。そうすると、計算上、サトノレイナスではやっぱりちょっと足りない。もしサトノレイナスが、こちらの想像を上回る走りをしてきたら、どうせ人気の一頭ですし、ゴメンナサイでいいや、と。まあ、そんなところです。


⑫ワンダフルタウンは、前走からの上積みは必至だと思いますし、なんだかんだ格好はつけてくると思うのですが、青葉賞のレース内容からワンランクアップしたくらいのパフォーマンスでは、ここではやはりちょっと足りないような気がしています。正直、ダノンザキッドの分までこの馬に頑張ってほしいという気持ちが強いのは事実なのですが、ここは勝負に徹して、ドライに消すこととしました。

⑭タイトルホルダーは、位置取りと道中のペース次第では、連に絡んでくる可能性がある一頭だとは思っています。ただ、今のトラックバイアスは、お世辞にも先行馬に有利とは言えないですし、ここのところの田辺Jのペース判断も、非常に心もとなく見える。これらを総合的に考えると、確率論的には、馬券圏内まではちょっと期待薄だなと判断しました。


④レッドジェネシスは、ここのところ上昇の一途をたどっていて、東京替わりでさらに良さが出そうな一頭。その意味で、もし川田Jの連続騎乗なら、3着争いくらいはあっていいかなと思うのですが、横山典Jへの乗り替わりなら、普通に軽視してもいいように思います。

⑦グラティアスに関しては、この馬の素性をこちらが把握しきれていない分、正直、ちょっとだけ怖さはあります。ただ、この馬で勝負になるなら、⑪ステラヴェローチェ⑤ディープモンスターだって、ということになりますし、東京替わりで、⑮アドマイヤハダルほどのプラスアルファを見いだせないのなら、おとなしく消すしかないな、と。


こうやって精緻に分析していくと、今年はどの馬にもそれ相応の見どころがあって、完全にノーチャンスという馬が少ないことに気づきます。

その意味では、どの馬にもしっかりと力を出し切ってもらって、明日は、真に強い馬が勝つレースになってほしい。もちろん、思い入れの強いレースですから、予想が当たれば万々歳ですけど、まずは全頭無事に、ですね。

いいなと思ったら応援しよう!

本気の競馬力向上研究所
サポートは任意です。 この記事があなたのお役に立てた時だけでかまいませんので、サポートしてもらえたら励みになります!