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土曜日の障害戦(1/9)


いよいよ今週から、2021年の障害戦がはじまります。

昨年末の中山大障害で落馬した大江原Jと小野寺J。大江原Jは、復帰までまだ時間がかかるのかもしれないですけれど、小野寺Jが無事に乗れるのは何よりですね。危険が伴う障害戦でもありますから、まずは馬とジョッキーの安全第一で、今年もエキサイティングなレースを楽しめるといいなと願っています。

さて、明日土曜日は、中山新春ジャンプステークスが行われます。新年1発目のジャンプ競走になりますから、なんとか、切れ味のある見どころ解説ができればいいのですが…。

中山8R 中山新春ジャンプステークス


ここは重賞競走ではありませんが、メンバー的には、重賞級、あるいは暮れの大障害に使ってきてもそこそこ戦えたんじゃないかと思う馬も出てきて、1発目から見どころ満載のレースになったと思います。

平場のオープン戦なら勝ち負けできそうな馬も、このメンバーに入ると、簡単にはいかない。そんな、ハイレベルな組み合わせになりました。

上位馬の能力比較に難しさがあるのはもちろんなんですが、先行馬が揃って展開面がやや微妙ですし、有力馬に休み明けの馬がいることは、なんともやっかいな材料ではあります。そのへんのさじ加減を間違うと、不的中に向けてまっしぐらになってしまいそうなので、なんとしても最悪のシナリオに陥ることだけは避けたいなと。まあ、口で言うほど、簡単なことではないと思いますが…。


さて、展開的には、伴J騎乗の③ブラックワンダーが積極的に出していくイメージでいいでしょう。番手は平沢Jの⑥ケイティクレバーが有力で、問題は、西谷J騎乗の⑨ナンヨーイザヨイの出方ということになります。

まあ西谷Jのことなんで、どう乗ってくるのか読みづらいところはあるのですが、新年1発目のレースであること、前走の秋陽ジャンプでヒドイ乗り方をして多くの馬に迷惑をかけたことを踏まえると、ここは控える競馬を選択する可能性のほうが高いのかなと。そうなると、ケイティクレバーにとっては、願ったり叶ったりの形にはなるのでしょう。

⑬マサハヤドリームは、森一馬Jですし、ある程度はゲートから出して行って、先行馬が後続を離していったところでインに入れるレースをイメージしていると思います。その点、ナンヨーイザヨイの出方には影響を受けそうで、前に競りかけてくれれば労せずしていいポジションを確保できそうですが、無理に引っ張りながらの追走になると、干渉してこの馬にロスを生じる可能性も捨てきれません。そこをどう考えるかが、ひとつのポイントにはなってくるのでしょうね。

②スマートアペックスは、ゲートさえスムーズなら、インのポケットでじっくりと脚を溜める競馬をしてきそう。⑦グローブシアターは、序盤は中団の位置取りになりそうで、そこからどれだけスムーズに捌いてこられるかが大きなカギとなります。

有力馬は、内から②スマートアペックス、⑥ケイティクレバー、⑦グローブシアター、⑬マサハヤドリームの4頭という見立てでいいでしょう。ただし、どの馬にも明確な課題があるので、その点を上手くクリアしてきた馬が、首尾よく勝ち負けまで持ってくるイメージで考えています。


一応、序列をつけるとすれば、筆頭は⑬マサハヤドリーム

この馬、未勝利勝ちの際に、中山大障害の2着馬、ケンホファヴァルトを千切り捨てたことからもわかるように、能力は優に重賞級。ただし、ゲートと折り合いに難があって、長距離輸送が苦手という明確な短所も持ち合わせているのですよね。

今回は、レース間隔が開いていることに加え、斤量61kgで中山までの輸送があってさらに外枠と、悪い条件がいくつも重なっていることは間違いないのですが、斤量と枠は多少の割引は必要でも、致命傷にまではならないでしょうから、問題は体調面だけと見ます。

まずは、メンタル面で冷静さを保てていること、その上で、馬体に最低限の張りがあることが好走するための必須条件。パドックでこれらの点をクリアしているようなら、シンプルに中心視してよく、極度にイレ込んでいるようなら、完全に消すところまで想定しておく必要があると思います。


2番手は、 ②スマートアペックスにしておきます。ここ最近の堅実な走りは評価できますし、明け4歳馬で、まだまだ伸びしろがあることも、目立った強調材料のひとつでしょう。

ただし、地味に斤量は2kg増ですし、使い詰めで、前々走で見せていたイライラした面を出さないかは、明確な心配材料ではあります。そういう意味で言うと、マサハヤドリームほどは神経質になる必要はないですけれど、パドックの気配は注視しておかねばなりません。


3番手は、⑥ケイティクレバー。厳しい展開の中、ギリギリでも馬券圏内を確保した新潟ジャンプSは地味に強いレースをしていましたし、平場のオープン2勝もともに安定した内容でしたから、能力的には、ここでも上位の存在と見ていいのではないでしょうか。

もし、ナンヨーイザヨイが抑える競馬を選択して、番手をスムーズに取れるような展開になれば、休み明け、62kgと厳しい条件は揃っていても、それを克服して好勝負に持ち込んでくる可能性は十分だと思います。


4番手は、前走で勝たなくてはいけないレースを取りこぼした⑦グローブシアター。障害馬としての素質は非常に高いですし、高田Jはここで捲土重来を期してくるでしょうから、まとめて負かせばこの馬ということになるのでしょう。

ただ、ここも一気に人気を下げることはないでしょうし、前走と比較して、格段に相手が強くなっているのも事実。だから、馬券的には、あんまり強調したくはないのですよね。上位3頭が完調で出てきたら、思い切って消しもアリかなと。ただ、強いのは確かなので、消すにしても、それなりのリスクがあることは承知の上でやらないといけないとは思います。


①オールマンリバーは、前走を叩いて上昇してきそうですが、再度の1番枠で出遅れの不安が大きいのと、新潟巧者の印象が強く、中山への適性に疑問符が付く分、評価を大きく下げました。

④エンシュラウドの課題は、61kgの斤量よりも相手関係ですね。さすがに前走は相手が軽すぎましたから、レースぶりに進境は認められますし、五十嵐Jの捌きに怖さはあっても、前走くらいの走りなら、ここでは明確に足りないと思います。

⑨ナンヨーイザヨイは、ここでも通用するポテンシャルはあると思いますが、強気に行けば厳しい展開にさらされることが見込まれますし、西谷Jが控えて上手な競馬ができるとも思えない。う~ん、今回は条件がずいぶんと厳しいですね。

⑪トゥルボーは入障初戦で未勝利勝ちと、障害馬として結構いいセンスをしていますね。ただしここで好勝負に持ち込むには、前走から4段階くらい一気にステップアップしないといけないので、さすがにそこまでは期待薄でしょう。

⑭マイネルパラディは、おそらく大崩れはしないと思います。あえて挙げれば、この馬が5番手になりますし、中山適性が高い分、上位陣が自爆するような形になると、馬券圏内突入もあるかもしれません。ただ、この馬なら、エンシュラウドあたりとも大差はないので、馬券的に大きく狙うイメージまでは正直持てないですね。

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