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第60回 新潟記念/第44回 小倉2歳Sのみどころ


新潟11R 新潟記念


明日の新潟は、天気が回復傾向となっていて、メインレースの頃にはかなり乾いた馬場になっているという想定でよさそうです。

ただし、乾きかけの馬場で行われるレースでは、トラックバイアスの捉え方が非常に難しくなりますので、外差し傾向が強くなるという想定をベースとしつつ、インがどの程度使える馬場であるかについて、レース直前までしっかり注視しておくことが大事でしょう。


次に展開面についてですが、ハナに行くのはアリスヴェリテと決めつけてほぼ大丈夫で、あくまでも鞍上の体内時計次第にはなりますが、かなりの大逃げとなる公算が高いと考えています。

この馬自身、今の新潟でベストパフォーマンスを発揮できれば、1:59.0前後の時計では走ってきそうですので、後続各馬がこの時計を上回る走りを見せられると考えるのかどうかによって、アリスヴェリテの取捨が決まることになるのでしょう。


そうは言いつつ、ここはアスクワイルドモアを除く全馬に馬券圏内喰いこみのチャンスがある大混戦模様となっていますので、展開面ばかりに固執してシミュレーションを組んだとしても、あまり良い結果が出るとは思えないのですよね。

ならば、コース適性を重視しつつ、現状の充実度に重きを置いてシミュレーションを組んだほうが良い結果を得られる可能性は高まると考えられますから、アリスヴェリテの大逃げを必要以上に警戒しすぎて一番大事なところがおざなりにならないよう、特に注意を払いたいレースでもあるのかな、と。


ということで、中心には⑦セレシオンを推します。

この馬の前走は、開幕週の新潟で大外から差し込むという非常に苦しい形となってしまいましたが、その中で目立つ脚を使えたところなどは、さすがのコース巧者ぶりだったと思います。
ただし、その前走のレースレベルだけを言えば、胸を張れるほどのメンバー構成だったわけではなく、メンバー強化のここで「ドンと来い!」というほどの感触はまでありません。
それでも、自分のレースに徹すれば終いは確実に脚を使える馬ですので、突き抜けるところまで行くかどうかは別として、上位には確実に喰いこんで来られるだろうと見込んでいます。


2番手は、⑨キングズパレス

この馬は、まっすぐ走れる左回りに替わってさらなる上積みが見込めますので、斤量差を考えても、前走で完敗を喫したレッドラディエンスに先着することが、まずは最低限のタスクになってくるのではないでしょうか。
その上で、他路線組と比較した時にどうかではありますが、古馬勢の中ではシンプルに比較上位と考えても良さそうですので、鞍上が仕掛けどころを間違えなければ大崩れすることはなさそうだな、と。


3番手は、⑩バラジ

この馬は、去勢してからパッとしないレースが2走続いていましたが、前走の目黒記念は距離が長かった中でも確実に復調気配を示すレースができていましたので、舞台がベストと思える新潟の2,000mに替わるのであれば、前付けしての一発に注意を払う必要があるように思います。
展開的にも、アリスヴェリテの大逃げを離れた2番手から楽に追いかける形に持ち込めそうな予感もありますので、道中の立ち回り次第ではありますけど、うまくハマれば上位進出を期待していいのではないか、と。


4番手は、②ライトバック

この馬にとって、新潟の2,000mはベストに近い舞台であるとみていいでしょうから、初の古馬相手でも、軽ハンデを生かし鋭い脚を使って差し込んでくるケースを想定しておいたほうがいいでしょう。
ただ、3歳牝馬がこの時期の古馬混合重賞で好走するハードルは低くありませんので、差して届かずとなるケースも視野に入れ、評価はこの位置としました。


その他、上位人気が予想されるレッドラディエンスやエーデルブルーメはもちろんのこと、あまり人気のないゴールドプリンセスやジューンアヲニヨシにも普通にワンチャンスあるレースだと考えていますので、仮にかすりもせず大敗という結果になったとしても、特に驚くことはありません。

今年のこのレースは、それくらいの大混戦であると理解していますので。


中京11R 小倉2歳ステークス


土曜日の中京は、かなりタフな馬場コンディションとなっていて、これが明日になってどんな状況になっているのか、正確に予想するのはほぼ困難。

そんな中、前走を逃げて勝ってきた馬がズラリと揃ったことを考えると、超前傾ラップのズブズブ決着となって、差しに構えた組が上位を独占するパターンまで想定しておかねばならないでしょう。

とは言え、さすがに離れた最後方から一気に追い込む競馬が決まるとも考えづらく、いずれにしても狙いどころを見定めるのが非常に難しいレースになってしまったな、と。


ということで、中心には③アブキールベイを推します。

この馬の前走は、スタートで外に切れる大きなロスがありましたが、そこから慌てることなく馬群に取りつき、最後は加速ラップで突き抜けてしまいました。
全体時計や相手関係を考えると、前走からかなりの上積みがなければここで通用しない計算にはなりますが、この馬にはそれをやってのけるだけの資質があると見込んでいますので、超ハイペース必至のメンバー構成であることを踏まえれば、それなりにチャンスはあっていいのだろう、と。


2番手は、④レイピア

現状の完成度で評価するならば、この馬が最上位とみていいのではないでしょうか。
前走でハナを切る競馬をした分、控える形になった時にリズムよく運べるのかという課題は残りますけど、うまいこと好位でスムーズなレースができれば、悪くとも上位争いには喰いこんで来られるのかな、と。


3番手は、⑤ポートデラメール

この馬は、メンバー構成的におそらく後方からのレースを強いられることになりそうですが、追ってから確実にいい脚を使えるイメージは普通に湧いてきますので、終いどこまで前の馬たちに迫れるかというところまでは持って来られそうな気がしています。
本来的にはもっと距離が伸びて良さそうですし、さすがに頭まで突き抜けるところまでは難しいかもしれないですけど、最後の最後に大外から一気の脚で伸びてくるシーンまではなんとかつくってほしいな、と。


4番手は、⑧エイシンワンド

この馬の前走は、番手外から逃げ馬を大名マークして、楽々と抜け出す強い競馬。当然ここに入っても、勝負圏内に入ってくる可能性を秘めた一頭という評価にはなるでしょう。
ただしここは、前走ほど楽な展開にはならないでしょうから、前に馬を置く形になった時に、はたして全能力を出し切れるのかどうか。
厩舎的には、調教の段階からさまざまなことを馬に勉強させているはずで、控える競馬でもしっかりと力を出し切ってくるかもしれませんが、とは言えキャリアの浅い2歳馬だけに、全幅の信頼までは置けず評価はこの位置となりました。


その他、タマモティーカップや差しに構えた時のアーリントンロウに怖さを感じるのですけれど、明日のレース条件では伏兵がこの2頭で収まる感じもしませんので、あとは「なるようになるさ」の精神で開き直ってレースに臨みたいと思います。


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