第24回 東京ハイジャンプのみどころ

明日は、障害ファンならずとも大注目の東京ハイジャンプが行われます。

オジュウチョウサンをはじめ、現障害界のトップホースが複数出走してきましたので、見逃せないレースになることは間違いなし。

では、早速、レースのみどころを解説していくことにしましょう。

東京９Ｒ　東京ハイジャンプ

このレース、暮れの中山大障害に向けたステップレースのひとつに位置付けられるわけですが、障害馬として求められる資質が本番と大きく異なることには、一定の注意が必要となります。

具体的には、この距離に対応できるスピード能力が求められることと、順回りのコースらしく序盤からロスなくレースを運べる器用さが要求されること。この二点が、このレースの結果を大きく左右する重要なファクターとなることは、ほぼ間違いありません。

今年のメンバーで言うと、オジュウチョウサンやレオビヨンドは、明らかに本番向きのキャラクターですから、あとは地力の高さを生かして、どこまで適性面の不利を埋められるか、そこが大きなポイントになると言い切っていい気がします。

さらに付け加えると、状態面がかなり戻っていたオジュウチョウサンでも、昨年のこのレースでホッコーメヴィウスの後塵を拝していたことは、やはり見逃せないでしょう。その後のオジュウチョウサンの活躍から、ついついそのことを忘れがちになりますが、少なくとも明日のレースを予想する上では、絶対に覚えておかなければならない事実なのではないでしょうか。

そうやって考えてみると、明日のレースは結構な混戦になる予感もするのですよね。

適性面に課題が残るオジュウチョウサンとて、さすがにここで無様な競馬はできないですし、逆にホッコーメヴィウスやゼノヴァースなどの上がり馬からしてみれば、この条件でオジュウチョウサンの後塵を拝しているようでは、ＧⅠ制覇など夢のまた夢ということになってしまいます。

その意味では、ＧⅠの前哨戦と言いながら、レース前半からかなり激しい攻防が繰り広げられる可能性が高い。そんなふうに考えます。

そんなこんな、このレース、着順を予測するのがとても難しいですね。

ただでさえ、この条件における各馬のポテンシャル比較が難しいのに、加えて逃げたいホッコーメヴィウスが大外枠を引いてしまうなど、枠の並びも非常に微妙。

う～ん、正直、ズバッと結果を言い当てる自信はありませんし、仮に当たることがあったとしても、かなりの部分で運に助けられないといけないくらい難しいレースですから、もしも馬券回収率を重視しようとするのなら、このレースの馬券を買うのは得策ではない。そんな言い方ができるような気がします。

さてさて、それでも一応の見解は出さないといけないと自覚しているので、ここからは個人的に上位に評価する馬たちの名前を挙げていくことにしましょう。

中心には、⑩スマートアペックスを推します。

この馬に関しては、３歳時からメイショウダッサイ、ケンホファヴァルト、タガノエスプレッソという当時の障害界の３強に対して、適性外の距離でも真っ向勝負ができていた唯一の馬ですから、ポテンシャルの面において、ここで足りないということは絶対にありえません。

さらに言えば、使い詰めで明らかに状態面が下降し始めていた昨年６月の東京ジャンプステークスですら、明日のレースにも出走するホッコーメヴィウスとメイショウウチデを抑えて勝ち切っているわけですから、シンプルにこの条件での力関係を比較するなら、この馬が最上位という結論にならざるを得ないのだと考えています。

そうすると、あとは超久々の障害戦になることがどう影響するかでしょう。

状態面に関しては、ひと叩きとして使ってきた前走の平地戦時でも、「意外にソコソコの状態に回復しているな」という印象がありましたから、残るは飛越とスタミナの面がどうかだけ。正直、そこはやってみないとわからないわけですが、過去のこの馬のパフォーマンスを思い起こすなら、１００％とまではいかなくともある程度は対応してくるはず。そう評価することにしました。

２番手は、②ゼノヴァースとします。

この馬は、ホッコーメヴィウスと五分に近いパフォーマンスをすでに示せていますし、このコースでの内枠の利を考えれば、今回は逆転が可能なんじゃないかと考えました。

この馬にとって、ベストはおそらく新潟コースなのでしょうが、東京コースをこなせないという馬ではありませんから、あとはこのレースならでは大きな障害を無事にクリアできるかどうか。課題があるとすれば、そこだけなのかなと思います。

３番手は、⑤メイショウウチデ。

個人的には、この馬にとって東京のこの条件がベストなんだろうと評価しています。

おそらくですが、体調面も叩き３走目となるここで本調子にかなり近い水準まで引き上げてくるでしょうから、だとすれば、出遅れながら僅差の３着に追い込んだ昨年の東京ジャンプステークスを思い出すべき。そんなふうに考えています。

最後４番手は、⑫ホッコーメヴィウスにしておきます。

この馬にとってこの大外枠は確実に試練となりますが、外から主張して行けばハナを取り切れる組み合わせではありますから、前半に余計な脚を使わされそうな点を割り引いても、この位置には拾っておかなければいけない。そんな評価となりました。

その他、⑧オジュウチョウサンは、おそらく大きくは崩れないでしょうが、今のこの馬にこのレース条件はさすがにキツイと思うのですよね。石神Ｊも本番を見据えて無理な競馬はさせないでしょうから、ここは無事に完走してくれることを願いつつ、評価を下げることにしました。

③レオビヨンドも、この条件だとスピード負けしそうなんですよね。こちらも、暮れの本番では勝ち負けできる位置にいる馬ではありますが、ここは中団ないし後方からジリジリと伸びての掲示板までが精一杯。そう評価しています。

④マイネルレオーネに関しても、やはりスピード負けの懸念がつきまといます。キャラ的に、レオビヨンドよりは前に行けそうな気もしますが、今回は乗り替わりもありますし、さすがに高い評価はできないな、と。

⑥マーニは、この条件なら力は通用していいと思いますが、この相手に６１ｋｇで北沢Ｊの騎乗ですから、さすがに上位争いまでは厳しいのではないでしょうか。