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第68回 東京大賞典のみどころ
12/29(木)には、大井競馬場で年末恒例の東京大賞典が行われます。
普段は地方のレースを扱わない当研究所ではありますが、「今年から、JBCとこの東京大賞典くらいは無視せず投稿しておこうかな」と思い直したところでした。
その前日には、中山でホープフルSもありますので、3日前の投稿にはなってしまいますけど、出走各馬の力関係は前日でなくとも比較はできますから、フォロワーの方をはじめ、少しでも読者の皆さんの参考になるのなら……という趣旨で、みどころ解説を出してみることにします。
それでは、早速、レースのみどころについて、簡単に解説していくことにしましょう。
12/29(木) 大井9R 東京大賞典
今年のメンバーをパッと見渡してまずはじめに思ったのが、中央勢がいかにも手薄なメンバーになったな……ということ。
今年の帝王賞の勝ち馬でもあるメイショウハリオの出走こそありますが、そのメイショウハリオを含めて実績馬の近況はひと息ですし、今、勢いのあるウシュバテソーロも、重賞初挑戦が交流GⅠとなるわけですから、さすがに「地方馬よ、どこからでもかかって来い!」とはならないでしょう。
つまり、データに倣い「中央馬で断然」と盲目的に考えるのはかなり危険で、今年はあまり過去の傾向にとらわれずにシミュレーションを組んだほうが、結果もむしろいいほうに転ぶのではないか。そんな気がしてならないのですよね。
とはいえ、さすがに中央勢が馬券圏内に一頭も入ってこないとはちょっと考えづらいですから、おおまかな図式としては、馬券圏内を中央勢と地方勢で分け合う可能性が高い。そんな見立てで、まずはレースシミュレーションを組んでみようと思っています。
その前に、馬券圏内のチャンスがありそうな馬をピックアップするところから、まずは作業をスタートすることにしましょう。
中央勢では、格では一枚落ちるもののここに来ての充実度には目を瞠るものがあるウシュバテソーロと、コース適性に担保があって地力も確かなメイショウハリオの2頭が、まずは走破圏に入ってくると考えるのが自然なのかな、と。
ノットゥルノはコース実績はあるものの近況がひと息ですし、ショウナンナデシコは秋以降のパフォーマンスが一段下がっている印象も否定はできませんので、「地方勢がまったく走らなければ相対的に上位」という可能性はあるものの、基本的には「人気ほどの信頼は置けない馬たち」という扱いにならざるをえないのではないかと考えています。
サンライズホープやレッドガランにも、ここならワンチャンスあっていいとは思いますが、「あえて狙いたい馬か?」と問われたなら、それに対する答えはノーとしか言えないですね。
一方の地方勢の中では、カジノフォンテンに期待が集まりそうな雰囲気もありますが、こちらも近況はひと息ですし、前走でライトウォーリアに完敗を喫しているという事情も考慮すると、ひと叩きしての上積みを考慮しても、「勝負圏内に絡んでこられるかどうかのボーダーライン上にいるかどうか」くらいがギリギリの評価になるのかな、と。
そうすると、ここで勝ち負けの期待があるとすれば、前走でカジノフォンテンに完勝したそのライトウォーリアと、園田のトップホースであるジンギを2度続けて完封してきたラッキードリーム、さらにそのラッキードリームを6月の中原オープンで負かしているアトミックフォースの3頭ということになりそうです。
その他では、ドスハーツとリンゾウチャネルにわずかながらチャンスがありそうですが、前者は中央のオープン特別でまったく歯が立たないくらいの実績しかありませんし、後者は距離延長と鞍上の技量に疑わしいところがあるので、いずれにしても過度な期待まではできない。そんな理解でいいように思っています。
続いて展開ですが、中央勢で前に行きそうなのはショウナンナデシコぐらいのものですので、今年は地方勢が積極的に前の位置を取りにくる可能性が高いと見ています。
気性的に砂を被ったら二束三文のライトウォーリアは、この枠だとゲートから積極的に出して行かざるを得ませんので、この馬が行き切って自らペースをつくって行く可能性が高いのかな、と。そしてその後ろには、多少の前後はあるかもしれませんが、カジノフォンテンとアトミックフォース、あらに積極的な騎乗が売りの横山武Jを鞍上に迎えたショウナンナデシコが続く形になるのかな、と。
もしもこの形になるとすれば、要所での加速でアドバンテージを確保したいライトウォーリアが、後続を引き付けて追い出しを待つ理由はどこにもありませんから、ペースが極端に緩む可能性は極めて低く、力さえあれば後ろからの差しも利くタイトな流れになると考えるのが自然なのかもしれません。
さて、ここからは個人的な結論を。
中心には、⑥ウシュバテソーロを推します。
今のこの馬の充実ぶりからすると、今年のメンバーなら格負けすることはほぼなさそうですから、幸いそこそこペースも流れそうですし、「最後方から行って直線だけ大外」という割り切った競馬でも、十分に差し届くのではないかと考えています。
今、記事を書いているのは12/26(月)ですが、これまでに終わった大井のレース映像を見ても、今は外から差せない馬場でもなさそうですしね。
2番手には、⑭ラッキードリームを抜擢。
この馬は、ジンギとの比較で考えても、これくらいのメンバー構成なら楽に通用してしまいそうな予感がしますし、距離が延びて舞台が大井に替わるのも、この馬にはプラスに出るのではないかと考えます。
正直、この大外枠は歓迎材料ではありませんが、下原Jなら少なくとも「終始外々ブン回し」はないでしょうから、淀みない流れになってこの馬の息の長い末脚が存分に活かされる。そう判断しました。ウシュバテソーロよりも一列か二列前で運べそうな点もいいですし。
3番手は、③ライトウォーリア。
この馬は、「地方ダート界のタイトルホルダー」というような競馬スタイルに活路を見いだし、完全にひと皮むけた印象があります。よってここは最低でも、一旦後続を引き離してスタンドを沸かせるシーンはつくれると思うのですよね。
あとはそれで最後まで粘り通せるか……ですけど、大井コースを熟知している矢野Jの騎乗なら、仕掛けどころを大きく間違えることもないでしょうから、こちらはピンかパーか的な存在にはなりますが、一定の確率で馬券圏内、あわよくば勝ち切るシーンまで想像しておいたほうがいいのかな、と。
最後4番手に、⑤メイショウハリオですね。
正直、この馬の帝王賞勝ちは展開に恵まれたところが大きかったと思いますし、ジョッキーも陣営も「右回りに替わって反撃だ!」と意気軒高に語っているようですが、この馬が本当に右回り巧者なのかというところには若干の疑問も残ります。
しかもここは、フルゲートのレースとなりますから、どちらかと言えば不器用なこの馬が、帝王賞の時のようにスムーズに馬群を捌いてこられるとも思えず……。よって、この馬の地力の高さは最大限尊重しつつ、「最後は地力でよく伸びてきたけど、やっぱり突き抜けるところまでは行かなかったね」になる可能性が高いと見て、最後、この位置でお茶を濁すことにしました。
個人的には、「地方馬の馬券を買うならココ」という印象を抱いているので、地方競馬ファンの方には、「やっぱり中央馬は強そうだなあ~」なんて日和らずに、是非とも自信を持って馬券を買ってほしいですね。
以上、皆さんの参考になりましたら幸いです!
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