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J:COMでポート開放ができなかった話

J:COMの1Gbpsプランを契約しており、速度は実測でも800-900Mbpsが出るなど、通常の利用では非常に満足していました。
しかし、外部から自宅のネットワークに接続しようとして、ポート開放の設定をしているのに一向に接続できない、という状況が発生しました。
結論から言えば、原因はJ:COMが採用している「シェアードアドレス」という仕組みにあり、サポートへの問い合わせで解決しました。


使用環境

  • ネット回線:J:COM 1Gbpsプラン

  • ルーター:KCM3101

  • 接続機器:Windows PC

  • 設定方法:J:COM メッシュWi-Fiアプリ

  • 目的:リモートデスクトップ接続(ポート:3389)

問題の発見

リモートデスクトップを使うために、メッシュWi-Fiアプリでポート開放の設定を行いましたが、どうしても外部から接続できない状況でした。
ネットで色々と調べていく中で、IP確認のウェブページで表示されるIPアドレスと、ルーターの設定画面(192.168.40.1)で表示されるWAN側IPアドレスが異なることに気づきました。
調べを進めていくと、このようなアドレスに関する問題について言及している記事をいくつか見つけました。
どうやらJ:COMで「シェアードアドレス」という特殊なアドレスが使われているケースがあるようです。

シェアードアドレスとは

従来は、インターネットに接続する際、各家庭に一つずつグローバルIPアドレスが割り当てられていました。
これは、インターネット上の住所のようなもので、この住所があることで、外部から直接あなたの家のネットワークにアクセスすることができました。
(一戸建てのイメージ)

しかし、インターネットの普及に伴い、この「住所」が足りなくなってきました。
そこでJ:COMを含む多くのプロバイダは、CGN(キャリアグレードNAT)という仕組みを導入しています。
これは、一つのグローバルIPアドレス(本物の住所)を複数のユーザーで共有する方式です。
各ユーザーには「シェアードアドレス」と呼ばれる仮の住所(100.で始まるアドレス)が割り当てられます。
(集合住宅と部屋番号のイメージ)

この方式でも、通常のインターネット利用(ウェブ閲覧や動画視聴)には全く問題ありませんが、外部からの接続が必要なサービスでは機能しないという特徴があります。
これは、外部からの通信をどのユーザーに届ければよいのか、システムが判断できないためです。
(集合住宅の住所まではわかるが、部屋番号がわからない)

解決までの道のり

シェアードアドレスが原因と分かり、J:COMのサポート窓口に問い合わせましたが、シェアードアドレスの問題を説明しても、すぐには理解を得られませんでした。
この対応された方は、10年近くのベテランサポート担当者でしたが、初めての問い合わせだったとのことです。

問い合わせの際は、以下の点を具体的に説明しました:

  • ルーターの設定画面で確認したIPアドレスが「100.」から始まること

  • 外部からの接続が必要なサービスとポート番号

  • グローバルIPアドレスの割り当てを希望すること

その後、J:COM内で専門部署への確認を要しましたが、最終的にはグローバルIPアドレスへの切り替えが実現し、問題は解決しました。
設定変更後は、ルーターの再起動を行い、WAN側IPアドレスが変更されたことを確認。
IP確認サイトでの表示との一致も確認できました。

サービス改善への期待

J:COMのサービスとサポート体制にいくつかの課題が見えてきました。
まず、グローバルIPアドレスの設定が技術的に可能であるにも関わらず、一般的なサービスとして案内されていない点。
また、サポート体制についても、一般窓口では対応が難しく、専門部署への引き継ぎが必要という現状。
ユーザーにとって少々煩雑です。
ベテラン担当者でも初めての問い合わせだったということから、この種の問い合わせは珍しいものであったものと推察しますが、IPv4アドレスの枯渇に伴い、今後同様の要望は増加する可能性が高く、より体系的な対応方法の確立が望まれます。

もろちん、このような特殊な要望にも最終的には対応していただけたことは評価できる点です。
今後、サービスの透明性向上やサポート体制の強化により、同様の要望により迅速に対応できるようになることを期待したいと思います。

参考にさせていただいたサイト


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