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自転車ショップラプソディー その7 工具を貸してくれませんか

皆様、こんにちは!!
ラッコ店長です。

時々お受けするご質問があります。

工具を貸してもらえませんか、というものです。

これについては、基本的にお断りしています。
その理由は複数あります。

壊されたくない

工具とはお店の商売道具、プロの仕事道具であって、それをアマチュアの方に触られて壊されたくないのです。
壊された場合の損害賠償請求が面倒、という理由が一番強いです。

プロ用の工具は、ホームセンターで販売されているような簡易的な工具と比べて、10倍以上も値段がするものもあります。
高価になる理由は、アマチュアの方が使う工具よりも遥かに高い精度、高い耐久度があるからです。

ここで、高い耐久度、と申したのは正確に工具を使った場合です。
しかし、アマチュアの方は正確な工具の使い方、経験がない場合が多いです。
誤った工具の使い方をした場合、いかにプロ用の工具であったとしても壊れてしまうことがあります。
その場合に、工具代を請求しても良いですか?
びっくりするような価格になります。

法的には当然に要求できますが、お客さんは払おうとするでしょうか。
トラブルになること必須でしょう。

普段の仕事道具に触られたくない

この理由は、上記1と似ていますが、たとえ壊されなかったとしても、自分の仕事道具を見ず知らずの方に使わせたいと思うでしょうか。
ご自身がお仕事で使っている専門用品を、フラっと現れた人に使わせたいと思いますか。
心理的にも、衛生的にも、良い気はしません。

損害が生じた場合の責任問題

お店の工具を使ってお客さんがパーツを壊した、怪我をした場合に誰が責任を取るのでしょう。
これは本来お客さんの自己責任であるはずですが、お店の工具のせいで壊れた、怪我をしたと主張された場合、これまた争いになることは必定です。

なんの利益ももたらさない

これだけのリスクをお店側が負っているにもかかわらず、工具を貸してほしいと主張する人は当然ながら無償で、という含意があるため、お店側にはなんの利益ももたらしません。
貸すだけ確実に損です。

ひどい方になると、工具の使い方を聞いてきたり、直し方を聞いてきたりします。
自転車店は無償の奉仕活動をしている学校ではないのです。
場合によっては教授しても良いですが当然ながら指導料、工賃を頂きます。

例外もある

もちろん、物事には例外はあります。
ものすごい常連さん、お店との関係が密な方、料金を支払うので教えてほしい、という場合であれば、お貸しすることもあるでしょう。
しかし、今のお店を開いて4年になりますが、いまだ工具を貸し出したことはありません。

なお、実際は、工具を貸してくれるお店も存在します。
工具貸出の是非は、それぞれのお店様の考え方次第であります。
本記事はあくまでも私の考えを述べただけで、工具を貸してくれるというお店の存在、お考えを否定するものではありません。

本日はこのあたりで宜しいと存じます。
それでは、皆様、次回お会いするときまで、ごきげんようです!!
以上、ラッコ店長こと、奈須野でした。

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