MISSING YEARS その1~1993年の巻

遂にスタート!自分がクリエイティヴ面では地獄にいた空白の30年間を客観的に眺める新シリーズ「MISSING YEARS」です。

ルールは、Apple Musicから配信されているその年の代表的J-popヒットを集めたプレイリストを、ランダムで再生。当然曲名や歌手名が見えない状態で聴取し、それを聴いて発したコメントをボイスメモに記録したものを文字起こしして要約しています。これを、フニルネ始動前年に当たる2022年の分まで続けます。上手くいけば今年いっぱいで完結します。

まずは、歌謡曲に衝撃を受け、自分如きが曲を作って何になるのだと悟った1993年にスポットを当てます。当時レコード会社に勤務し、バリバリにメインストリームを享受しながらも自己葛藤に怯え、そこからの逃げ道を専ら中古レコード店で歌謡曲シングルを買うことに求めていた日々。そんなメインストリームに、いかなる感慨を抱いていたのかが蘇ってきます。

何せ、サブスク解禁されていない重要曲も多いし、ランダム再生によって規定の20曲から振るい落とされる曲も出てきますが(今回は1曲だけ特例を与えましたが)、基本ルールは定めておかないと公平性に欠けるということでご了承ください。果たして30回、こんな感じで行けるのか…

それではスタート!


「いきなり知らない人がいないレベルの曲だね。この人達の別の曲にはトラウマがあってね…まぁ、悪しいトレンドを作った曲だなとは思うけど完成度は高いな。今は教科書に載る位になっちゃってるけど、リーダーの人はいい曲書いてるし。途中から雰囲気が変わるところはいいアレンジ。」


「正統派アイドルポップ…『色・ホワイトブレンド』?あれは80年代やん…(Aメロ4小節目でアーティストが解る) この人達は、ギタリストの人がでしゃばらないとめちゃポップで親しみやすい曲やってると思う。キーボードの人のボーカルが好きなんだよね。そこまで嫌味を感じさせない歌詞だし、70年代の名残がある。93年はまだ平和だったんだよね…」


「キター!この人は2006年頃には既に再評価の対象になってたね。その頃かな、100円で中古CD買ってるし。勢いしかない、隙間のないラップにめちゃ好感がある。ネタにしちゃいけない人だと思う。ハマーとかマイケルとか言ってるところしか印象に残ってないけど。」


「サブスクっぽい曲の繋がりになってるね。90年代でこれはなかなか上手く行ってる。(歌い出しでアーティストが解る) 70年代っぽい曲調で、これはフニルの世界観にこっそり影響与えてますね。フィラデルフィア・サウンドっぽいし、筒美京平と言われても違和感ないな。」


「お、◯ー◯◯だ。今物議を醸してる…この曲は今の若い子達にも浸透してるし、超有名曲だな。パブリック・イメージに思いっきり刃向かう曲調と、当時の典型的な音作りが相互作用してて、やはりよく出来てる曲。こことか『涙の太陽』にもろオマージュしてるし。関係ないけど、『青春アミーゴ』とか『抱いてセニョリータ』の頃のジャニーズの曲はめちゃ好きなのがちょっとあって。その辺が解禁されてないので、この企画に登場しないのが残念。」


「あ、これはね…(Bメロでいきなり) この曲は小島奈津子アナの歌唱でしか聴いてないや!(瀧汗) どうりで、このアレンジに違和感あると思った。というか歌手名が出てこない…ハイプリのサンプリング・ヴァージョンの記憶まであるのに…和田加奈子?小島麻由美?だめだ、ボケてきてる…やっぱなっちゃん歌上手かったし、近藤サトアナもね…あの時期は女子アナが癒しだったからな…つくづく、インターネットに救われたなって思います。え、これってリミックスとかリメイクじゃないの本当に?」


「まだまだ最前線だったんですねこの人。ちょっと後の実験的な曲の印象は強いのだけどね。中山美穂の『ROSE』と被る。このタイトルの読みは、丁度この頃聴いた幻の名盤解放歌集に入ってる『~のギター』で覚えたようなもので。サビとかすごいビーイングっぽいけど、これも中島みゆきか?」


「これはトップヒットプレイリストに入れる曲じゃなくないですか?最初大黒摩季かと思ったけど、この歌詞、解った。あの人でしょ…いかにもポスト尾崎という感じだけど、今聴くとこの曲とか歌詞にすごい共感する要素がある。もろアーティストリスペクトな歌詞も出てくるし、スパンダー・バレエ『トゥルー』みたいなこのオマージュ感は悪くないなと思う。なんで⑥の歌手名出てこなかったのに、この人すぐ出てきたんだろう。密かに聴いてたのかもしれないし。」 


「2秒で解った…何やかんや言って、この人達には毒されて生きてきたからね。この頃の曲はアレンジにひねりがあって、今聴き直すとめちゃ新鮮。この人達と大滝詠一を同じ水平線上で語れる人はもっといてもいいと思う。時代を映す鏡だよね。」


「(サビ始まりでアーティストが解る) この人解禁してたんだ…すっかり忘れてた。サビ入るまで認識しないなんてね…レコ社時代、めちゃ推してたのにね。立ち位置的には、この人と(70年代までの)谷村新司はすごい被ってるんだよね。この頃はまだこういうサックスソロが許されてて、素晴らしい時代ではあったな。この歌詞は篠原涼子のアレより若干早かったっけ。」


「(サビ始まりで曲名が解る) この時期ならではの産物としか言えないあの曲だ!このキーボードの音とか、80年代から直結していて今聴くと新鮮。で、世界観的には今の坂グループの曲に直結してたりして。歌手名、ちゃんと漢字で書けた…好きなジャケットのアルバムがあって、それ買った覚えある。これ出したレコード会社もうないけどね。徳間の傘下に入った。某曲の発禁で有名だけど、God is My Co-Pilotの国内盤とか出したりもしてたんだよね。ギターソロ前の歌詞とか、今ならネタにされそう。このギターソロの配し方もいいね。でも、題材だけで今じゃネタにしかなり得なくなってる。これは聴けてよかった。」


「あの人だ!曲構成的には王道ニューミュージックだな。この後の曲にネタ的に受けたのが多いけれど、こういう庶民感は見過ごしちゃいけないと思う。間奏に10cc感があるのがさすが。この人の名前もしっかり漢字で書けますよ(汗)。このくどいエンディングも今じゃとても無理。いい意味でニューミュージック。」


「夏の人達だ!タイトルが思い出せない…このギターだけでビーイング色全開。変わったコードを歌い出しに持ってくるのもいかにも。(タイトル確認して) このタイトル見ると、新井薫子の『虹いろの瞳』しか連想しないんだよね…(汗)」


「夏感の強い曲を畳み掛けてくるな…この曲はタイトルの方が一人歩きしてるイメージがあるけど。サブスクから駆逐されたんじゃなかったっけ?」


「一発で歌手名解ったけど、曲的には地味な方。こういう、メジャーすぎじゃない曲の方に好感を抱くのだけど、やっぱ93年という時代性が露呈しているな。モンティ・パイソンもこの曲でちょっと知名度上がったのかな。全然忘れてたけど。」


「(歌い出しでアーティストが解る) 普通ならイントロで解るんだけどね…これの入ったアルバム、レコ社時代に店頭イベントでめちゃ売った。こんなヘヴィなアルバムを店頭でお祭り騒ぎして売ったなんて、めちゃ無邪気な日々を過ごしてたんだな…この人とあのグループは、この30年間にあっても別格的な存在なので、どうしても語り方が変わってきちゃう気がする。この間奏、ラックとかソフトシンセとか一般的じゃない頃だから本物のメロトロンだな…その後のスライド・ギターといい、アレンジ面でもフニルに及ぼした影響がでかいと思う。」


「このイントロ、もろ影響受けた曲作った覚えがあるな…あ、あれだ。タイトル出てこない…(サビ終盤でやっと解る) これ短冊CD未だに持ってるもん。アーティスト名も漢字で書けるし(汗)。意識せずして自然に耳に入り、脳裏に残る曲の代表みたいなもの。今の女性的にこの歌詞はどうなんだろうなぁ。宇多田以前の世界観の典型。」


「来ましたあのグループ。この人達の曲はキーフレーズに導かれるまでの時間がやたら長いよな…まだヒットチャート支配期に達する前の段階ではあるけれど、このくどさには洗脳されやすさをめちゃ感じる。あと、この人達のサンプルネタを集めたCDをなぜか持ってる(汗)。このフーとかいう細かい音ネタが網羅されてるやつで、それはそれで勉強になりました(爆)。これも勢いしかないラップで、こういうのの方がずっと好きだね。」


「名曲だ!この人達は渋谷系とは思ってないからね。成り行き上そうなっちゃったみたいなもので。色褪せないクラシックス。こういう曲ばかりのプレイリストだと面白くないけどね。」

本来は⑲でおしまいだったのですが、やはりあの曲を外すわけにはいかないので、1曲退いてもらって代わりに登場してもらいます…


「ほい来た!0.4秒で解った!この企画をやらなきゃいけないと思ったのは、いかに自分がこの人(達?)に対する視点を近年転換させ、その影響をフニルネに投影するようになったかを証明するためだと言っても過言ではありません。まぁ、反面教師と思うところは拭えませんけど…自分の思う1978年再構築術の中には、この人(達?)に対するリスペクトが見え隠れしているのです。『心のすきま風』の歌い出しとか、実は最大の影響を及ぼしたのはこの曲なんですよね。アーティスト名を持ち出したところは⑧とも符合するし。」

「1993 JAPAN TOP HITS」から流れた曲は、この20曲でした。
①島唄/THE BOOM
②だからハニー/プリンセス・プリンセス
③Bomb A Head!/m.c.A・T
④愛はふしぎさ/米米CLUB
⑤真夏の夜の夢/松任谷由実
⑥好きになって、よかった/加藤いづみ
⑦慟哭/工藤静香
⑧失格/橘いずみ
⑨愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない/B’z
⑩MELODY/福山雅治
⑪ポケベルが鳴らなくて/国武万里
⑫さらば青春の光/布袋寅泰
⑬夏を待ちきれなくて/TUBE
⑭何も言えなくて…夏/JAYWALK
⑮go for it!/DREAMS COME TRUE
⑯真夜中のダンディー/桑田佳祐
⑰「男」/久宝留理子
⑱EZ DO DANCE/TRF
⑲接吻/オリジナル・ラヴ
⑳負けないで/ZARD

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