白秋

1998年生まれの26歳、元ラブホの正社員です。noteではラブホの正社員シリーズ、あ…

白秋

1998年生まれの26歳、元ラブホの正社員です。noteではラブホの正社員シリーズ、あとは身の上話を書きます。

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    ラブホの正社員じゃない記事を集めています

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    ラブホの正社員日記を集めてあります

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最近の記事

夏休み明け初日だけは絶対学校に行け

9月2日が月曜日だから、多くの学校が始まるのは多分明日だろう。この時期になるとTwitterには「夏休み明けは嫌なら学校に行かなくていい!」という優しい大人のありがたい言葉が蔓延っている。もしこの記事を読んでいる中に夏休み終了を間近に控えた学生さんがいたら覚えておくといい。そういう大人はみんな承認欲求を満たしたいだけの大嘘つきだということを。 優しい言葉をかけてくれる親以外の大人達は決して学校に行かなかった人間を助けてはくれないし、別に学校に行かなかった学生の行く末まで見て

    • 謙遜はクソ

      現在深夜2時過ぎ。22時過ぎに掃除仕事を終えて帰ってきて、別の仕事で書く文章に頭を悩ませている。 僕は僕にしか書けない文章を書かねばならないし、それができなければいずれお役御免とクビを飛ばされ路頭に迷う。切られるか生き延びるか、そういう緊張感漂う場面だ。緊張で目が回る、Word文書が陽炎のように揺れ、焦点が床に天井に忙しなく滑っていく。 自分が無価値なことを実感した時がスタートなどと社会に出て時々言われていたけれど、その意識は僕の根底に元々装填されたものだ。だから時間が許

      • 202408

        日記が継続できない性格なのではなく、日記が必要ないから毎日あったことを記せないのだと思う。日記に留めておきたいことなどそう多くはない。そういう人生であることが幸福であるのか不幸であるのかは人によるし、僕自身がどうなのか、僕にはよくわからない。 ただ、とても嫌なことがあった時だけは必ずそれを日記に記している。仕事がうまくいかなかったり、彼女にこっぴどく振られたり、道で初対面の外国人に殴られたり、酒場で太ったババアに無理やりキスされたり、僕の日記にはそういうことだけが怨念のよう

        • 下半身の生き方の限界

          僕は18歳の頃から2年間オカマバーにアルバイトとして勤めていた。別にオカマでもゲイでもないのだけど、4回だけ行った大学のために借りてしまった奨学金の返済が迫っていたからだ。「未成年が酒場で働くの違法では〜?」みたいな揚げ足で話の腰を折られたくないので、本題に入る前にオカマバーで働くまでの経緯を軽く説明しておこうと思う。 僕は東京と神奈川の境にある大学のキャンパスに入学したが、女性がほとんどいないという理由と、やりたかったロボコンがすぐにできないという理由によって大学に足が向

        夏休み明け初日だけは絶対学校に行け

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        記事

          202406

          日記のつもりだったのに月記になってしまった。最近忙しいせいか胃に潰瘍ができたりして、思うように動けていない感じがする。それがすごくもどかしい。昨日は記憶のないまま机に突っ伏して寝ていた。腰が痛い。 ただ、性格は何となくだけど明るくなってきた気がする。本業の清掃業に加えて本当に少しだけど文章で仕事が貰えているのが支えで、僕はそれで睡眠時間が減ってしまう分にはそんなに心が苦しくないのだ。心が苦しくないというのは、身体が苦しくないことの何倍も価値があり、自殺とか鬱とかそういうこと

          繋がりが絶たれた夜、孤独は闇を深くする

          ニュースにもなった話があるから前後関係をずらすし詳細は伏せるけれど、僕が二十歳を迎える前後数年間で周りの人間が何人も自殺した。付き合っていた女性が富士の麓で練炭を焚き、父親が一級河川に飛び込み、家族同然に接してきた友人が公園のブランコで首を吊った。誰かと仲良くなることが怖くなった。 それから数年経った今でも、僕は人と深度の深い関係を築くのを避けて逃げ回っている。仲良くなってしまえば最後、僕を置いて死んでしまう気がするのだ。だからあまり深いところまでは関わらない。年に数回会う

          繋がりが絶たれた夜、孤独は闇を深くする

          遮光カーテンの裏側で泣かないように

          誰かが夜中に読んで少しだけ心が軽くなるものを書こうと思って数年が経ってしまった。 数年あると絶望的な暗雲が立ち込めていた人生にも淡く灯りが灯るもので、僕の人生もあの頃よりいくらかマシになった。 198円の大容量パスタを乾麺のまま齧らなくてよくなったし、急に道端の外国人に殴られることも毎日タウンワークを広げて面接に行っては54社連続で落とされるなんて社会不適合を強く感じる出来事も起きなくなった。 華美で豪華な生活は送れないけれど、それでも遮光カーテンの裏側で声をあげて泣く

          遮光カーテンの裏側で泣かないように

          ラブホの正社員16日目

          一緒に飲んでいた異性が酒に潰れたどうしますか?という質問をされたことがある。皆さんはどうだろう。家に連れて帰るだろうか、ラブホテルに連れ込むだろうか。道に捨てて帰るのもひとつの手かもしれない。今日はラブホテルのフロント、および客室で起きた泥酔した男女の情事をお届けする。 時刻は昼の12時過ぎ、若めのカップルが来店した。監視カメラでもわかるぐらいの千鳥足でフロントに入ってきて、モニターで部屋を選び始めた。僕らは普段絶対に泥酔した客を入れずお帰りいただくのだが、今日はあまりにも

          ラブホの正社員16日目

          ラブホの正社員15日目

          皆さんはハメ撮りを撮ったり撮られたりした事はあるだろうか。僕はまだない。カメラワークに自信がないからだ。きっと喘ぎ声と共にピストンに揺れる相手の残像のみが映る残念な心霊映像になってしまうだろう。それはそうと、他人の情事を覗き見たい人は割といるらしい。今日はそんなお話だ。 「美女とハメハメ〜ハメ撮り〜🎵」 朝から最低な歌が聞こえる。しかも客室からではない。隣の男からだ。歌の主は亀田さんという同僚である。亀田さんは昨春に印刷会社を定年退職し、週3勤務のアルバイトとしてこのラブ

          ラブホの正社員15日目

          ラブホの正社員14日目

          皆さんはア◯ホテルを使ったことはあるだろうか。ムカつく顔をした社長の自伝が部屋に置いてあるらしいが、僕は使ったことがないのでそれが真実なのかは知らない。そういえば最近ラブホテル業界は◯パホテルにシェアの一部を奪われているのだと社長が嘆いていた。今日はそんなアパとラブホのお話だ。 「ア◯ホテルにはデリヘルが呼べないのに…」 社長は沈んだ声で呟いた。コロナ禍でラブホ業界も不景気の対象で、ラブホテルの代わりにアパホテルが盛況だという風の噂も相まって社長の元気がない。だが、主にカ

          ラブホの正社員14日目

          ラブホの正社員13日目

          中国人の若い男が新入社員として入社した。僕の経験上、中国人はよく働く。新入社員の出勤前に他のスタッフが10日で辞めると予想して1000円を賭ける中、僕は1万円を辞めないに賭けた。僕の給料は手取りで16万ほどしかなかったからそれなりに大きな賭けだった。珍しくムキになって張ったギャンブルに胃を痛めていると、社長が新入社員を連れて入ってきた。 彼は名前を楊君といった。僕と同い年の22歳で身長が180センチ以上あるイケメン、日本語は日常会話をするにも少し不自由な感じだ。僕はこの時点

          ラブホの正社員13日目

          ラブホの正社員、書き溜めていた分が結構あったのでnoteで再開します。100話まで。

          ラブホの正社員、書き溜めていた分が結構あったのでnoteで再開します。100話まで。

          自殺未遂直後の女と乾杯した話

          最近世の中がやたら閉塞しているように感じる。というのも僕の虹彩に自殺や死という文字がやたらとよく写るようになったし、実際知人が何人か消息を絶った。携帯が止まっているだけだと信じたいけれど、携帯料金の未払いが発生する頃にはもっと酷い状況になっていることの方が多い。 最近は僕のDMにさえも死にたい消えたいという内容のDMが溢れかえっていて、年の瀬からはその方面に絞って返信をしていた。今まで内容がこんなに極端な偏りを持つことはまずありえなかった。12月30日から1月4日までに届い

          自殺未遂直後の女と乾杯した話

          白秋ってだれ?出身は?年齢は?学歴は?……調べてみました!

          ■経歴1998年4月:山奥の家の次男として誕生。900グラムの未熟児だった。その後、親から愛の拳を受けながらカブトムシを売って育ち、市内で一番治安の悪い中学校進学に進学。 中学校では酷いいじめを受ける。ある日、右手のひらに錐で穴をあけられた時に笑いが止まらなくなり、それ以降いじめられなくなった。所属した柔道部では市内大会を勝ち進むも、県大会という響きに緊張し腹痛のため初戦敗退。それ以降、一切柔道はしていない。 高校は偏差値50前後の自称進学校に進学。スマホを持っていないま

          白秋ってだれ?出身は?年齢は?学歴は?……調べてみました!

          紅に染まった客室

          ※ 有料設定してありますが、全部無料で読めますのでお楽しみください。  人間や人間を取り巻く文化や環境は多種多様である。これは人間という役割を果たす上で持っていなければならない共通認識だ。近年ではかなり市民権を得てきたように思うが、やはりまだまだ浸透しきっていない認識であり、実際になかなか理解し難い多様さがあることも事実である。偉そうに書いている僕にも受け入れられなかった他人の文化や環境には覚えがある。それは貧乏な友達の家の夕飯にその日一緒に釣りに行ったアメリカザリガニが出

          ¥300

          紅に染まった客室

          ニワトリ

          ホームセンターには様々な人が行き交う。それは例えば職人とその弟子だったり、昼下がりに洗剤を買い漁る主婦だったり、園芸を楽しむマダムだったり、はたまたシャーペンの芯をわけがわからないぐらい買い込む高校生だったり。その中でも印象的な客には何らかの特徴がある。今回は異色を放つ客のひとりである「鶏の餌」という客の話をしようと思う。 「いやあ、重いねえ」と毎度話しかけてくる夫婦がいた。それはそうだ、鶏の餌の紙袋は20キロ。それを腰の高さまで上げるんだから。レジは忙しい。愛想笑いしなが

          ニワトリ