忍殺TRPG非公式シナリオ【渾崎港湾地区・異常殺人事件を調査せよ】
◆シナリオサマリー:
ネオサイタマ南部、渾崎(ケオサキ)地区で発生している異常殺人事件を調査せよ。
現地のチャイニーズヤクザ組織と協力して情報を集め、事件を解決に導け。
対象:シナリオを2~3個プレイしたニンジャ3~4人
難易度:ノーマル程度
キャラロスト:あり
余暇:標準(4スロット)
その他:調査パート比重多め
◆はじめに
本ページは、ダイハードテイルズがリリースしている『ニンジャスレイヤーTRPG』の非公式シナリオです。発売中のルールブック第2版を購入してのプレイを推奨します。
ニンジャスレイヤーTRPGについては以下を御覧ください。
本シナリオはダイハードテイルズ・KADOKAWAから発刊されている「スズメバチの黄色」を元にしており、当該作品のネタバレが存在します。プレイの上ではご了承ください。
バナー画像仕様元:photoAC
◆シナリオ概要(マスター向け)
ネオサイタマ南部、渾崎(ケオサキ)地区で奇妙な連続殺人事件が発生した。PC達は現地ヤクザ組織やストリートの住人から情報を集め、犯人であるニンジャ『ニューロサージ』を特定、撃破するのが目的となる。
ニューロサージは「人間のニューロンを破壊して殺害する」ジツを使うニンジャだ。彼女は「メガコーポのフロッピー」を回収するために「赤いターボ・リンカーン」で移動している。これらの情報を推理パートで収集し、ニューロサージが向かった「龍256の茶葉店」へ突入、戦闘で彼女を撃破すればシナリオクリアとなる。
PCの所属組織は自由。龍256は普段は警察も立ち入らない地域のため、ヤクザが事件解決を頼まれるようなことも多い。ストリートニンジャ、ソウカイヤ、ネオサイタマ市警などアイデア次第でどの勢力でプレイしても良い(サンプルではソウカイ・ニンジャとしてチバから指示を受けているものとして想定している)
時間軸は「スズメバチの黄色」で語られた6年前をイメージしているが、マスターは好きに調整しても良い(スズメバチの黄色本編と同じ時間軸にする、黄→火蛇にキャラクターを移し替える、など)
◆ダンゴウ~ラオモト・チバからの依頼
ニンジャである君達はネオサイタマ南部《渾崎(ケオサキ)》地区へ向かうヤクザリムジンに乗車している。渾崎地区で発生した事件の調査を行うために招集されたのだ。初対面の者がいれば、アイサツを行おう。
しばらく後、車内のモニタが点灯した。「ドーモ、ラオモト・チバです。集まっているな?」彼はソウカイヤ首領ラオモトの息子のひとりであり、若干10歳ながら後継者の第一候補として目されている存在だ。君達もアイサツを返そう。
チバ「お前達は今、渾崎地区に向かっているはずだ。そこで発生した殺人事件の調査を行ってもらう」
チバ「先日、渾崎のヤクザ組織《老頭(ロウトウ)》の幹部の1人からソウカイヤに打診があった。渾崎の龍256なる地域で現地の住人が殺された、ということだ。……フン、殺人などネオサイタマでは珍しくないと思うか? 実際渾崎は治安も悪い。マッポもろくに寄り付かず、殺しなどチャメシ・インシデントだというもっぱらの話だ」
チバ「だがその《老頭》のヤクザが言うには、被害者はニューロンを内部から破壊されるという奇妙な死に方をしているということだ。まるでニンジャがやったかのようにな。《老頭》にニンジャ戦力は無い。それが本当にニンジャによるものならば、彼らだけでは解決は厳しい。そのためにソウカイヤに助力を求めたというわけだ」
チバ「さて、本件は本来ぼくの父であるラオモト・カンの元に持ち込まれたものだが……父上は忙しい。言ってはなんだが、経済効果も薄い渾崎にかからずっているわけにもいかん。だがソウカイヤを頼ってきた者を無碍にするわけにもいかん……故に、ぼくが指揮を取ることとなった」
チバ「お前達はこの件を一任すべく、ぼくの権限で選別したエージェントだ。この意味がわかるな。失敗すればぼくはおろか、ソウカイヤの顔に泥を塗ることになる。そのことを肝に銘じて任務に当たれ。ぼくからは以上だ。何か質問はあるか?」
以下、PCからの質問に答えてください。事件そのものは「推理パート」で調査することになるので、主に任務の報酬などについてです。
◎「報酬は?」
↓
チバ「本件はソウカイヤ本部に持ち込まれた案件だ。加えてニンジャ戦闘も考えられる。危険だがその分、報酬は保証してやる。首尾よく解決すれば、父上への謁見も許されるだろう」
◎「現地の協力者は?」
↓
チバ「コンタクトを取ってきたのは『黄(ホアン)』という男だ。《老頭》の幹部で、現場である龍256でも顔が利くらしい。IRCセッション越しでぼくも折衝を行ったが、あの男は信頼しても問題ないだろう。まずは黄にコンタクトを取れ」
◎「ソウカイヤからの増援は?」
↓
チバ「現状は予定していない。ザイバツなどが確実に動いているならともかく、現状はニンジャが動いているかもしれんという程度だ。よってお前達だけで解決してもらうことになる。情報収集などはソウカイ・ネットを利用して行え」
質問がだいたい終わったら、先へ進めてください。
チバ「では通信を終える。何かあれば報告・連絡しろ。オタッシャデー」
モニタが消灯した。「そろそろ渾崎へ入りやす。渾崎の連中の運転は荒いんで、気をつけておくんなせえ」運転手のタニという男が言った。サイバネ増設した三本腕で見事にヤクザリムジンを操っている。『渾崎地区』『世界チャンピオン』『ようこそ』といった看板がハイウエイを彩る。
さあ、任務の始まりだ……!
◆推理パート~《老頭》との会合
渾崎に到着した君達は、現地の中華料理屋で《老頭》と会合を行った。「ドーモ、手前は黄と申します。総会屋のセンセイがた、遠いところまで御足労感謝いたします」片腕を見事な戦闘用サイバネに置換したヤクザが、君達にオジギを行う。君達もアイサツを返そう。
黄「既にラオモト=サン……いえ、チバ=サンから伺っているかとは存じますが。あなた方に依頼したいのは、ここらで発生したコロシについてです。蠱毒、例のモンをセンセイがたに」
「へい」と黄の舎弟らしきヤクザが答え、机に写真や資料を広げた。目を見開いて死んでいる被害者の写真や、事件が発生した地点がマーキングされた地図などだ。
黄「チャカやドス、他にもこの渾崎には剣呑な武器がいくらでも転がってますが……私もこんな死に方は見たことがありません。殺された者には外傷のひとつもなく、それどころか心臓などの臓器にも異常は無し。検死した医者によると突然ニューロンを握り潰され、脳死状態に陥ったかのような状況だそうです」
黄「新種の病気、それかヨロシサン製薬あたりが妙なことをやらかしたのかと思いましたが……巷じゃ、妙な噂が流れています。すなわち『ニンジャ』の仕業である、と」
黄「無論、こいつが本当にニンジャによるものだとはわかりません。ですが、昨今この渾崎地区で妙な奴らの活動が確認されているのも確かです。本当にニンジャが現れたとすれば、我々では対処は不可能です。故に、解決のために総会屋の皆さんの力をお借りしたい。《老頭》の上層部は渋りましたが……カタギに被害が出ている今、一刻も早い解決が必要なのです」
黄「我々は全面的に協力いたします。どうか、よろしくお願いします」
それでは推理パートが始まります。NMが読み上げる現場の状況に対し、PC/PLは気になったことを話し合いつつ、詳しく調べたい事柄をNMに伝え、判定を行って情報を手に入れましょう。
参加PCが手がかりの数の人数未満の場合(NMの判断次第でそれ以上の場合でも)は複数の手がかりを1人のPCが調べても構いませんが、あまりに時間がかかるようならば「これ以上の情報は手に入らない」として先へ進めましょう。ハズレ選択肢を選んでしまった場合、手がかりが手に入らなかった場合も、シナリオは先に進みます。
判定の際に適切な『知識スキル』や『説得スキル』を持っていたり、背景やロールプレイ次第でNMは振るダイスの個数を増やしても構いません。(場合によってはジツを行使しても良いです。その際は【精神力】は消費してください)
手に入れた手がかりの合計個数で、最終的な推理パートの評価が決まります。それによって、戦闘パートの状況が変化します。
◆推理パート:
君達は被害者が発見されたオイラン・パブへやってきた。「やられたのはこのパブの経営者です。夕方に出勤してきたオイランが、鍵が開いているのに返事が無いのを不審がって探してみたところ、カウンターの内側で目を見開いて死んでいた、ということで」君達を案内した蠱毒という男が説明した。
被害者は40代の男、特定のヤクザ組織との付き合いはミカジメを支払っている程度。サイバネの度合いは両目をサイバネアイ化、生体LAN端子を埋め込んでいる。「死体は腐る前に検死に回しましたが、電脳を調べられるようにデータを丸ごと抜き出してます」
パブには特に争ったような痕跡はないが、何か手がかりが見つかるかもしれない。発見者のオイランへインタビューしたり、また特殊なニンジャであればニンジャソウル痕跡を追うこともできるはずだ。
手がかり◆『発見:ワザマエ:HARD』:現場の遺留品や、被害者の資料を調べる
手がかり◆『ハッキング:ニューロン:HARD』:現場の監視カメラデータを調べる
手がかり◆『ハッキング:ニューロン:U-HARD』:被害者の電脳データを調べる
手がかり◆『交渉:ワザマエ:HARD』:発見者のオイランからインタビューする
手がかり◆『第六感:ジツ:HARD』:ニンジャソウル痕跡を調べる
手がかり◆『発見:ワザマエ:HARD』:現場の遺留品を調べる
適した知識スキル:銃器、犯罪
◆判定に失敗した:
特に気になるものは無い。他を探してみるべきだろう。
特に何も起きません。
◆判定に成功した:
カウンターの内側に、論理トリガ式の拳銃を発見した。生体LAN端子を通じ、電脳制御で銃撃を行えるものだ。「ここらへんでは珍しくもないですね。闇市場でいくらでも買えるものです」蠱毒の説明だ。
銃を調べると、ちょうど事件があった頃に発砲した痕跡が見つかった。更にパブの壁に、弾痕が残されている。被害者は何者かにここから発砲したものとみて良いようだ。
◆【6】以上で成功した:
パブの弾痕や、周辺を調べた。血や肉片などが飛び散った痕跡は無い。また床を調べると被害者とカウンターを挟む位置に真新しい足跡が見つかった。これが犯人のものだとすれば、銃弾はかなりの至近距離から発砲されたものの、命中しなかったようだ。
NMは追加で【推理/ハッキング:ニューロン:HARD】で判定を行わせてください。他のPCが行っても構いません。
適した知識スキル:銃器、サイバネティクス
◆追加判定に成功した:
使用された拳銃は論理トリガ制御式のため、腕前に関わらず相手がヒキャク置換した重サイバネ者であっても、容易く命中させることができる。また拳銃の制御UNIXにも異常は無い。それを回避できるとなれば、最早ニンジャ以外に考えられない。被害者はニンジャ相手に銃撃を行い、そして回避された可能性が高い。
そして黄の話では、被害者は外傷ひとつなく殺された。つまりニンジャはチョップなどカラテで殺害したわけではない。これがニンジャのジツによるものならば、このジツはごく至近距離でのみ使用できることがわかった。
核心情報『敵がニンジャである』を入手しました。
手がかり◆『ハッキング:ニューロン:HARD』:現場の監視カメラデータを調べる
◆判定に失敗した:
これといって気になるものは見つからない。他を調べてみよう。
特に何も起きません。
◆判定に成功した:
監視カメラのデータから、被害者が発見されるよりも前に、白衣を着た長身の女がパブを訪れていた。この時間はパブは開店前のはずだ。30分も経たずに白衣の女はパブを出た。そしてそれからしばらくして、目撃者のオイランが出勤して被害者を発見したようだ。
女の風貌は医者のようにも見える。被害者が持病かなにかで医者を呼んだという線も無いではないが……何やら、妙な胸騒ぎがする。この女が重要参考人に違いない。
この情報と、犯人がニンジャである情報を入手した場合はNMは以下も追加で表示してください。
女の風貌をソウカイ・ネットで調べたが、ソウカイヤが把握しているニンジャにこのような者は存在しなかった。野良のニンジャ、もしくは別の組織のニンジャである可能性が高い。
◆【6】以上で成功した:
ストリートの監視カメラの解析に成功した。女はクローンヤクザを従え、赤いターボ・リンカーン……アメリカ製の高級車で移動しているらしい。ネオサイタマではあまり見かけない車種だ。
核心情報『赤いターボ・リンカーン』を手に入れました。
ターボ・リンカーンについて周辺の情報はないだろうか? 蠱毒に聞いてみてもいいだろう。
このとき、NMは追加で【交渉:ワザマエ:HARD】で判定を行わせてください。他のPCが行っても構いません。
適した知識スキル:犯罪、オイランドロイド、など(ヤクザの流儀は不適)
適した交渉スキル:駆け引き、誘惑、卑屈
◆追加判定に成功した:
「赤いターボ・リンカーンですか。……ちょいとお待ち下さい」蠱毒はIRC端末を取り出し、何事か通話している。「……おう、俺だ。そうだ。赤いターボ・リンカーンだ。そう、クルマだよ。てめェじゃ100年経っても乗れやしない高級車だ。ここらで見たら伝えろ。ア? てめェが詳しく知る必要は無ェよ。ワカッタカ? エエ、火蛇よォ……」
「……失礼しました。今、うちの若いモンに情報を集めさせてます。なにかわかりましたら、連絡しますんで」
推理パート2で調査判定を行う際に振れるダイスが+2されます。
手がかり◆『ハッキング:ニューロン:U-HARD』:被害者の電脳データを調べる
◆判定に失敗した:
「グワーッ!」電脳に残されていたファイヤウォールに引っかかってしまった。
【精神力】に1のダメージを受けてください。これによる【精神力】の下限は0で、-1以下にはなりません。
◆判定に成功した:
『……こんに……は、私の……前は……脳外科医(ニューロサージ)と言うん……で……』電脳が記録していた音声データだ。「ニューロサージ」と名乗る人物と出会っていたようだ。
◆【6,6】以上で成功した:
「ニューロサージ」もしくは「脳外科医」についてソウカイ・ネットで調べると、ソウカイヤと敵対する組織……アマクダリ・セクトのエージェントであることがわかった。どうやらこの事件は、アマクダリが裏で糸を引いているらしい。
アマクダリの関与を突き止めたため、シナリオクリア時に報酬【万札:10】が追加されます。
手がかり◆『交渉:ワザマエ:HARD』:発見者のオイランからインタビューする:
「うう……」発見者のオイランは怯えきっている。サイバネ移植した四本腕が売りのようだ。「大丈夫だよ、《老頭》の人たちがきっと犯人を見つけてくれるから」中学生程度の少女が付き添っている。「うん、アリガト。ミルチャは優しいねぇ」
早速オイランから情報を聞き出そう。
適した知識スキル:ストリートの流儀、ファッション、サイバネティクス
適した交渉スキル:誘惑、共感、鼓舞
◆判定に失敗した:
「ご、ごめんなさい。これ以上は……」オイランは帰宅して休むこととなった。
特に何も起きません。
◆判定に成功した:
「パブのマスターは特に恨みを買うような人ではなかったし……ヤクザとトラブルも……アッ、でも最近、裏マージョンで大儲けしたって言ってました。そのとき、どこかのメガコーポ社員からお金になりそうなフロッピーを巻き上げたって」それらしい情報を手に入れた。
「……それは恨まれてもおかしくないような」ミルチャは訝しんだ。
推理パート2で調査判定を行う際に振れるダイスが+1されます。
◆【6,6】以上で成功した:
「そうだ、これ差し上げます」どうやらオイランは君を気に入ったらしい。もしや彼女が勤務する高級サイバー楼閣のチケットなどでは……!?
アイテム「【万札:10】相当のオムラ社・自社製品チケット」を獲得します(余暇で【万札:10】相当のサイバネと交換が可能、蓄積可)
「かっこいいよねぇ四本腕。私もお金貯まったらサイバネ手術したいんだ」「いっそ六本腕目指しちゃいなよ、若いんだから」オイランと中学生は何やらよくわからない話題で盛り上がっている。君はチケットを懐に収めた。
手がかり◆『第六感:ジツ:HARD』:ニンジャソウル痕跡を調べる:
◆判定に失敗した:
特に君のニンジャソウルは反応を示さない。
特に何も起きません。
◆判定に成功した:
君のニンジャ感覚は、この場所でニンジャがジツを行使した痕跡を感じ取った。ニンジャは1人のみで、2人以上で動いてはいない。
核心情報『敵がニンジャである』を入手しました。
◆【6,6】以上で成功した:
このジツはボトク・ニンジャクラン系列の、そこそこ強力なもののようだ。戦闘になる場合は、このニンジャは触れた者のニューロンを直接破壊することができる。直撃すれば致命傷は避けられないが、ニンジャであればカラテエンハンスによる対処が可能だ。
本シナリオでの対ニンジャ戦において、敵ニンジャの『攻性ボトク・ジツ』で『サツバツ!』が発生した場合、それに対する『回避ダイス』を一度だけ(各PC合わせて一度)+2できます。
◇推理パート1結果早見表:
手がかり◆『発見:ワザマエ:HARD』:
成功
【6】以上で成功
【推理/ハッキング:ニューロン:HARD】で判定
核心情報『敵がニンジャである』
手がかり◆『ハッキング:ニューロン:HARD』:
成功
【6】以上で成功
核心情報『赤いターボ・リンカーン』
【交渉:ワザマエ:HARD】
推理パート2で調査判定を行う際に振れるダイスが+2
手がかり◆『ハッキング:ニューロン:U-HARD』
失敗
【精神力】ダメージ1
成功
【6,6】以上で成功
シナリオクリア時に報酬【万札:10】追加
手がかり◆『交渉:ワザマエ:HARD』:
成功
推理パート2で調査判定を行う際に振れるダイスが+1
【6,6】以上で成功
「【万札:10】相当のオムラ社・自社製品チケット」獲得
手がかり◆『第六感:ジツ:HARD』:
成功
核心情報『敵がニンジャである』
【6,6】以上で成功
『攻性ボトク・ジツ』で『サツバツ!』が発生した場合、それに対する『回避ダイス』を一度だけ(各PC合わせて一度)+2
◆推理パート2:ストリート調査
君達は龍256のストリートで、怪しい者がいなかったかを聞き込み調査することにした。
手がかり◆『交渉:ワザマエ:HARD~U-HARD』:ストリートで聞き込み調査を行う:
参加するPCは以下から聞き込み対象を1つずつ選択してください。それぞれ要求する知識スキルなどが異なります。判定の成功数の合計で、このパートの推理結果が変化します。【6】で成功した場合は成功数2、【6,6】以上で成功した場合は成功数3として扱います。
ストリートに詳しいらしい少年:
適した知識スキル:ストリートの流儀、ヤクザの流儀、ファッション、サイバネティクス
適した交渉スキル:超然、共感
ゲームセンターで遊んでいた少年:
適した知識スキル:ハッカーの流儀、スポーツ(電子ゲーム)、テックガジェット
適した交渉スキル:共感、理路整然、鼓舞
オイランドロイドショップにいた少年:
適した知識スキル:ビークル、ファッション、重工系メガコーポ
適した交渉スキル:誘惑、駆け引き
危険な暗殺教団(難易度U-HARD):
適した知識スキル:ヤクザの流儀、伝統的アート、宗教
適した交渉スキル:超然、駆け引き、鼓舞
◆判定に失敗した:
「これといって噂は……げ、蠱毒から連絡だ。スミマセン、俺はこれで」聞き込みは上手くいかなかった。
特に何も起きません。
◆判定に成功した:
地元の少年達から話を聞けた。「確か先週くらいにどこかのメガコーポのサラリマンが来て、フロッピーを見なかったかって聞き回ってました。まあ、フロッピーなんて珍しくもないし、諦めて帰ったみたいだけど」「そのサラリマン、片腕に包帯巻いてたよな。ありゃ多分ケジメだよな……ヤクザじゃなくてもケジメするんだよな。おっかねぇ」
◆成功数3以上、核心情報『赤いターボ・リンカーン』を未入手:
「我々の情報では、このような車両を使用している余所者が渾崎に侵入しているとのことだ。そやつがオヌシの言う下手人かはわからぬが……恐らくは渾崎を狙う暗黒メガコーポ、もしくはネオサイタマ中央のヤクザ組織の手のものであろう」
核心情報『赤いターボ・リンカーン』を入手します。
◆成功数5以上:
「フロッピーといえば、ヘルガの店に変な忘れ物があったらしくて婆さん困ってたぜ」数ブロック先の茶葉などを扱っている店ということだ。もしかしたら、店に向かえばまだフロッピーが残されているかもしれない。
核心情報『ヘルガの店のフロッピー』を入手します。
◇推理パート2結果早見表:
手がかり◆『交渉:ワザマエ:HARD~U-HARD』:
成功
成功数3以上、核心情報『赤いターボ・リンカーン』未入手
核心情報『赤いターボ・リンカーン』
成功数5以上
核心情報『ヘルガの店のフロッピー』
◆推理パートの評価
君達は情報を《老頭》と共有した。犯人がこれ以上渾崎で凶行を働く前に、なんとしてでもこれを止めなくてはいけない。
推理パートの結果次第で、以下のように分岐します。なお推理パートで完全失敗した場合も《老頭》が情報を集めてくれたということにしてください。
掴んだ情報:評価
核心情報『敵がニンジャである』『赤いターボ・リンカーン』『ヘルガの店のフロッピー』すべてを入手:A+
核心情報のうち2つ以上を入手:A
核心情報のうち1つ以上を入手:B
核心情報は入手できなかったが、一度でも判定に成功した:C
判定に全て失敗した:D
PC達は以下のタイミングで戦闘マップを開始できます。タイミング3以降はシナリオクリア時の評価がB以下で固定されてしまいます。またタイミング4は敵ニンジャが複数の状態での戦闘になります。
評価:PCが行動開始可能なタイミング
A+、A:タイミング1〜4
B:タイミング2〜4
C:タイミング3〜4
D:タイミング4のみ
各タイミングの概要:
タイミング1「このフロッピーを狙ってくる奴がいるってのかい? ああ、どうやら今日はアタシにとっての仏滅みたいだねぇ」
赤いターボ・リンカーンで移動している敵ニンジャは、どうやらあるメガコーポ社員がオイラン・パブの店主にマージョンで巻き上げられたフロッピーを回収するために動いているようだ。君達と《老頭》はヘルガという老婆の店からフロッピーを回収し、ヘルガを避難させ敵が襲撃してくるのを待ち伏せすることにした。黄率いる《老頭》の部隊が支援攻撃を行ってくれる。
タイミング2「ありゃ、面倒なことになってますね。こんにちは。私の名前は脳外科医と言うんです」
君達と《老頭》が敵の行方を突き止めたそのとき、まさに敵はヘルガの店の目前に迫っていた。これ以上カタギを殺されては《老頭》とソウカイヤの名折れである。
タイミング3「あいにくだけど、間に合ってるよ……イービルスピリットはね!」
君達と《老頭》が敵の行方を突き止めたとき、君達の目の前でヘルガはニューロンを破壊されてしまった。敵はクローンヤクザ護衛部隊とともに店内にいる。オトシマエをつけるためにも君達は犯人を決して逃してはならない。
タイミング4「ヘルガが死んだ。マトモな方法じゃない。ニューロンを内側から焼き切られた。殺られたんだ」
後手に回った君達と《老頭》が敵の行方を突き止めたとき、既にヘルガは殺され、犯人は仲間のニンジャと合流していた。オトシマエをつけるためにも君達は敵を強襲し、倒さなければならない。さもなければ、ソウカイヤは《老頭》の信頼を取り戻せないのだ。
◆戦闘パート~敵NPCデータ
ボスであるニューロサージのデータは以下のページを参照してください。
◆ニューロサージ (種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 8
ニューロン 9 精神力 9
ワザマエ 6 脚力 3/N
ジツ 5 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 5/7/9/9
回避/精密/側転/発動 9/7/6/15
◇装備や特記事項
『●マルチターゲット』、『●時間差』、
『◉ニンジャソウルの闇』、『◉邪悪なサディスト』、
『★◉痛覚遮断』(体力+3、急所破壊による【精神力】ダメージ1軽減)、
『☆アナトミ・ジツLV3』、『★攻性ボトク・ジツ』、『★ニューロンハック』、『★◉肉人形の作成』
◆クローンヤクザY-13型 (種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)
カラテ 3 体力 2
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ – 万札 1
攻撃/射撃/機先/電脳 3/3/2/2
◇装備や特記事項
チャカガン: 銃器、連射1、ダメージ1
◆ヘルガ (種別:モータル)
カラテ 1 体力 1
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 2 脚力 2
ジツ – 万札 1
攻撃/射撃/機先/電脳 1/2/3/3
◇装備や特記事項
ショットガン: 銃器、連射1、ダメージ2
カルマ:善
◆マップへの初期配置と情景描写
渾崎・龍256のストリートの一角。『健康系列食品公司』の文字がレタリングされたショウウインドウが目印の、ごく一般的な茶葉店。近隣住民の憩いの場であり、そして邪悪なるニンジャが迫る場所だ。
タイミングによって、開始位置などは分岐します。
◆タイミング1
BRATATATATA!! アマクダリ・セクトのエージェントである彼女が愛車を降り立った次の瞬間、ビルの屋上で気配を殺していた《老頭》の部隊が無慈悲にトンプソン・マシンガンを連射した。「アバーッ!」「アババーッ!」クローンヤクザは全滅! 更に突入してきた大型トレーラーが逃げ道を塞ぐ!
「待ち伏せか!?」狼狽えながらも、彼女は冷静に弾幕を回避した。「こんにちは。私の名前は脳外科医(ニューロサージ)と言うんです」君達もアイサツを返そう。
ヘルガは《老頭》の指示で既に店内には居ない。敵はもはやラット・イナ・バッグである。確実に仕留めるのだ!
PCをイニシアチブの低い順に、任意の場所(建物の内部、外部どちらでも良い)に配置してください。マップ上にヘルガは居ないため、ニューロサージは脱出を図ります。道路を塞ぐようにPCを配置、挟み撃ちにするのが良いでしょう。
◆タイミング2
鼻歌を歌いながら愛車を降り立った彼女は、目的の店舗に脚を踏み入れる直前でその気配に気付いた。「おや、どうやら妨害のようですね。こんにちは。私の名前は脳外科医(ニューロサージ)と言うんです」君達もアイサツを返そう。
ヘルガは未だ店内に居る。敵の目的はヘルガを殺し、彼女が持っているはずのフロッピーを奪うことだ。
PCをイニシアチブの低い順に、「初」のマスのいずれかに配置してください。ニューロサージはクローンヤクザにPCの相手を任せて、ヘルガを殺害次第、脱出を図ります。
◆タイミング3
残念だが、ヘルガは殺されてしまった。敵は脱出を図ろうとしている。「おや、遅かったですね。こんにちは。私の名前は脳外科医(ニューロサージ)と言うんです」君達もアイサツを返そう。
ソウカイヤの名誉にかけて、敵を逃してはならない。なんとしてでも仕留めるのだ!
PCをイニシアチブの低い順に、「初」のマスのいずれかに配置してください。ニューロサージはクローンヤクザにPCの相手を任せて、なるべく脱出を図ります。
◆タイミング4
「ドーモ、ブラックメイルです」「こんにちは。私の名前は脳外科医(ニューロサージ)と言うんです」君達もアイサツを返そう。
敵は任務を完了し、更にフロッピーのデータを確認するべく増援を呼んだようだ。敵ニンジャは2人と厳しい状況だが、なんとしてでもニューロサージを仕留めなければソウカイヤは《老頭》に顔向けができない……!
PCをイニシアチブの低い順に、「初」のマスのいずれかに配置してください。ニューロサージとブラックメイルはクローンヤクザにPCの相手を任せて、なるべく脱出を図ります(囲んで棒で叩けるならば攻撃を優先します)
ブラックメイルのデータはルールブックを参照してください。
◆ブラックメイル (種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 6
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 7 脚力 4/N
ジツ 4 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 4/4/5/6
回避/精密/側転/発動 7/7/7/8
◇装備や特記事項
▶︎生体LAN端子LV1、▷ファイアウォールx1、アサシンダガー
『◉頑強なる肉体』、『◉滅多斬り』、『◉ツジギリ』、『◉疾駆』、
『☆◉バリケード化』、『☆◉瞬時の解除』、
『☆ムテキ・アティチュードLV1-3』、『★ムテキ・メイル』
◆シナリオの終了
どのタイミングでも、撃破もしくは脱出してMAP上に敵ニンジャがいなくなるか、味方PCが全滅もしくは全員が脱出したら戦闘パートは終了です。
敵ニンジャ全てを倒した後、クローンヤクザが残っていた場合はPCが力を持て余しているならば戦闘を続行しても構いません。敵が全滅したら、その時点で戦闘は終了します。
黄「この度は大変お世話になりました。この御恩はいずれ。チバ=サンにもよろしくお伝えください」
《老頭》の者たちが見送るなか、君達は再びヤクザリムジンに乗り込んだ。ネオサイタマに帰還しよう。
◆評価と報酬
シナリオのクリア状況で、以下のように分岐します。
A+:推理パートでA+を達成し、ヘルガを死なせず、ニューロサージを撃破した。
A:推理パートでAもしくはBを達成し、ヘルガを死なせず、ニューロサージを撃破した。
B:ヘルガを死なせてしまったが、ニューロサージは撃破した。
C:ニューロサージを逃したが、ブラックメイルは撃破した。
D:ニューロサージ、ブラックメイルともに撃破できなかった。もしくは戦闘途中で逃げ出してしまった。
A+:「ムッハハハハ! 見事だ、ぼくの見立て以上だぞ!」
【万札】60を山分け。全員が【名声:ソウカイヤ】+2。
A:「うむ。これで父上の期待に応えられたな。よくやった」
【万札】40を山分け。全員が【名声:ソウカイヤ】+1。
B:「犯人は仕留めたが……《老頭》との関係を築けたとは言い難いな。まぁいい、下がれ」
【万札】20を山分け。
C:「ニンジャを仕留めただけでもよしとしてやる。だが……正直、期待はずれだ」
【万札】10を山分け。
D:「このイディオットどもめ! 貴様らカス札にベットした、ぼくが愚かだった! 今すぐケジメしろ!」
全員が【名声:ソウカイヤ】-1。
評価B以上であれば、カルマロンダリングを行うことができます。
◇余暇
シナリオクリア後、評価に関わらずPCは余暇スロット4個を支給されます。
◇シナリオの拡張とキャンペイグンへの影響
本シナリオに登場するニューロサージ(脳外科医)は、AoS設定ではアマクダリ・セクトのエージェントとして、原作小説「スズメバチの黄色」では別のとある人物の部下として動いていました。
シナリオ上に登場するフロッピーは「オナタカミ重工」の営業サラリマンが些細なことから紛失したもので、ニューロサージはそれを回収しにやってきたということになっています。
フロッピーの中身については一切触れておりませんが、例えばオナタカミ重工の新兵器のデータや、アマクダリ・セクトの最終目的に関するデータ、はたまたラオモト・チバやラオモト・カンの座を揺るがすようなデータなどが収められているかもしれません。
これらのことはシナリオフックとして使っていただいても構いませんし、今回限りとしても構いません。ご自由にお使いください。
以上で、本シナリオは終了となります。ご覧いただきありがとうございました!