元想細片/150326

●眠気の春風(風)

 とある町へと通じる街道沿い。いくつもの花畑が点在する合間を縫うように伸びているその街道は非常に美しい風景を堪能できるのだが、花の盛りである春先になると、道中でつよい眠気を感じる旅人達が非常に多くなった。
 決まって春の南風が吹いている時に限ってこの現象が起こるため、理由はわからないままに眠気の春風と呼ばれるようになった。その後の調査により、どうやら複数の花畑からわきたつ匂いなどが混ざり合った結果として、眠気を強く誘う効果がでているのではないかと考えられているのだが、いかんせん花畑の種類も多く、具体的にどの植物が主な原因となっているのかは未だに解明されていない。

※この「 #元想細片 」は、架空の品物を扱った百科事典風の読み物です。
 詳しい説明はこちらのページをご覧ください。

次回の更新は「の」で始まる花です。

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