元想細片/150714
●緑嵐(風)
別名、森のクシャミとも呼ばれる自然現象。
春から初夏にかけて、ふと気がつくとそんなに風が吹いているとは思えないのにまわりの木々が揺れている、という事がある。木の側に近づいていっても特に風を強く感じるわけではないのだが、生えている木だけはまるで嵐の中にあるかのように、激しく揺れていく。最終的には木々についている枯枝や枯葉、あるいは虫などが大量に落ちるほどに大きくふるえ、そして何事も無かったかのようにその振動が収まる。
わずかな風が受けた枝葉の揺れが増幅されるのだと考えられているのだが確証は得られておらず、局所的な地震が起こっているのだとも、目に見えない何かが木々を揺らしているのだとも言われる事がある。
ただ、この緑嵐が起こった木々は害虫などの被害がてきめんに少なくなり、果樹にこの現象が起こった場合は豊作が期待できるのだという。
※この「 #元想細片 」は、架空の品物を扱った百科事典風の読み物です。
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