元想細片/141226
●文字モゾモゾ(薬品)
黒ずんだ形をした、小さな丸薬である。一種の幻覚剤であり、麻薬に近いものだとして使用や所持、販売などを厳しく取り締まられている事が多い。
これを飲みしばらくすると、本や看板などの文字が動き出すような幻覚があらわれる。なぜか他の風景や人などは全く変わらず、文字や記号だけがぐにゃりと曲がり、あるいは動き出すのだという。この薬をある程度飲み続けていると動き回った文字が勝手に新しい文章の形に並び始めるため、それを自分の秘められた思いの発露や、あるいは何者かの啓示や予言だと受け止めるものもいるようだ。
しかし先に述べたとおりこの薬品は違法の品とされていることが多いため、この薬の奇妙な効果を体験するために非合法な手段に走る物も少なくないという。
※この「 #元想細片 」は、架空の品物を扱った百科事典風の読み物です。
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