元想細片/150713

●雷雲鴨(鳥)

 郊外というよりは、むしろ辺鄙な農村などで時折飼われているところを見かけることがある家畜の1つ。
 暗い灰色をした羽毛の量が大量に取れるのだが、一羽から取れた羽毛の山はまるで雷雲のように膨らむため、防寒着や寝具などに詰める手軽な材料として人気がある。
 ただし、この雷雲鴨にはその名にふさわしく、その鳴き声はまるで遠くかの雷雲から響いてくる雷のようにゴロゴロとやかましく、側にいては聞くに堪えない音量となっている。そのため都市部に近い農園で飼おうとすると、周囲から文句が出ることが必至であり、結果として人気の少ない農村などで飼われることが多い。
 また、子作りの時期を迎えた雷雲鴨は、夜も開けきらないほどに早い朝に一斉に鳴き始めるため、広い農園を持ち、遠くの場所に暮らさない限りは飼い主も安眠ができないという。

※この「 #元想細片 」は、架空の品物を扱った百科事典風の読み物です。
 詳しい説明はこちらのページをご覧ください。

次回の更新は「り」で始まる風です。

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