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今更仮面ライダー鎧武を見て

#仮面ライダー #仮面ライダーシリーズ #仮面ライダー鎧武 #特撮

放送当時デザインが好きになれず全く視聴していなかった仮面ライダー鎧武を見終えた。

僕はクウガやアギト、ビルド、Wなどの比較的シンプルなデザインが好きだったからだ。

Amazonプライム・ビデオで三週間くらいで見切った。

正直、ここまですぐ見終わってしまうとは思わなかった。というのは話が素晴らしく面白かったからだ。

ユグドラシルが管理する計画都市沢芽市では、ティーンエイジャーのダンスチームによるダンスバトルが大流行。その勝敗をきめるために謎の生物インベスを呼び出すインベスゲームが行われていた。チームガイムのリーダーが失踪し、彼を探す中で主人公の葛葉紘汰が不思議な空間の割れ目から迷い込んだのはヘルヘイムの森。そこにはインベスとたくさんの謎の果実があった。その森の謎、ユグドラシルの秘密、アーマードライダーに込められた意図などさまざまな問題と向き合っていく中で、物語は進んでいく。

仮面ライダー作品の中でも特に主人公の葛葉紘汰の葛藤が激しく描かれていたように思う。紘汰は自分の中で許されない罪を背負ってしまい、戦い続けること、自分の目指すことに常に迷っていたように思う。そんな中で安直に割り切るのではなく、自ら落とし所を探しながらゆっくり前に進んでいく。その姿が人間らしく、泥臭い主人公として魅力的だった。


また主人公だけでなく、それぞれのキャラクターがアーマードライダーへの「変身」と人間としての「変心」を目指して今を戦っていた。それがこの作品の一番重要なテーマでありメッセージであると思う。

例えば仮面ライダーグリドンの城之内は、最初はただひたすらコスいやつだった。仲間が戦っていても我関せずといったスタンスでダメダメなキャラだった。しかし、ブラーボとの出会いでパティシェ修行を積み、仲間の窮地の中で徐々に「変心」していった。ネット上では裏の主人公と呼ばれている。

そして最も主人公の側におり、共闘してきたミッチの裏切り、そしてそれを許す終盤の紘汰もアツかった。すべてをかなぐり捨てて、マイを守ろうとするミッチの姿も、ベクトルは違えど「変心」だったのだ。

あと、僕は大きな勘違いをしていた。
そもそもデザインがめちゃくちゃカッコいいのだ。

特にメロンをモチーフにした斬月はめちゃくちゃかっこいい。

戦極ドライバーの変身サウンドも好き。オレンジ!ロック、オーン!ソイヤ!
オレンジアームス、花道 on stage!
このオンステージがガイム当初のダンスバトルとかかっているのが○(途中からダンス関係なさすぎてビビる

本当に、それぞれのキャラクターがわかりやすく、それでいて話は壮大で予想がつかない。脚本は平成仮面ライダーのなかでもTOP3に入る素晴らしさだと個人的には思っている。仮面ライダーの脚本の多くは子供番組と割り切ってしまうのがもったいないほど緻密かつ面白いとおもっているが、ガイムは特に顕著だ。

当初は大人たちが子供たちのダンスバトルをガキの遊びだと笑い、バカにしていた。だがその大人たちも倒れ、人類の命運は子どもたちに託される。

子どもから大人への変心、神話の世界、禁断の果実、ライダー戦国時代、さまざまな要素が絡み合った上でこうもうまくまとまっているのは素晴らしい。ちなみに脚本を書いた虚淵 玄は魔法少女まどか☆マギカやfate/zeroで有名だ。

余談ではあるが、仮面ライダージオウのガイム編をあらためてみるとバロンの変わらなさに驚いた。

ヘルヘイムの森に迷い込んだときに一目見たら見たら絶対に食べたくなる果実を、軍隊の訓練のお陰で口にせず怪人にならなかったブラーボが一番気に入りました。おわり。

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